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3ドミルトン家
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「まぁ、ライルとよく似ているわね、アーシャは。小さい頃あの子も人懐こく誰構わず挨拶していたわ。懐かしいわ。印象に残らない器量だけど、とても賢いのね」
気品漂う手付きでお茶を飲みながら、マリアの話を聞くドミルトン夫人。そしてその隣にはドミルトン元公爵がいる。一通り挨拶を終えて、後は自分達の息子達がすべきことと早々に部屋に戻り寛いでいた。
「しかし、本当か?考え方が5歳とは思えんな。ルイーゼは子供らしいと言えば子供らしいが、手を出したのも先に口を出したのもルイーゼだろう、あの子の癇癪や高圧的なところはいかんな」
「一度じっくり話を聞きたいわ、マリア。ライル達は、まだ領地には行かないわよね?明日にはみんな王都に戻るでしょうし、明日のお茶にライル達を誘いましょう」
と夫人が言えば、ドミルトン元公爵は、
「ルイーゼはどうするのだ?」
と夫人に問う。
「そうね、まだ5歳、注意をしても不貞腐れたり、逃げるでしょうルイーゼは。育て方も問題ありそうだけど、周りの大人に影響される年頃ね。母であるイザベラの態度を感じ取っているのでしょうね。ドレスもイザベラの真似。屋敷を移り住む時、ドミルトン家の使用人を置いていこうと思っていた親心をあの子達は、全て新しくしたいと申し出たわ。その時点で私達の手を離れたのよ。放っておきましょう」
と夫人は言い放つ。
「しかし、エドワードは」
「あの子にももっと国政よりも家族を顧みて欲しいのです」
「そうは言っても…」
としかめ面をする元公爵を他所に夫人は、昔を思い出していた。
長男エドワード、次男キリヤ、三男ライル…夫人はドミルトン家に嫁入りしてから、色々ありすぎた。ドミルトンの次男と結婚して伯爵の爵位のはずだったのに、長男一家が事故にあい亡くなり、急遽公爵を継ぐ準備をしなくてはいけなかった。夫人自体上位貴族ではなかったため、当時の義母の厳しい指導や言動、それに我が子エドワードを取り上げられ、そして今回の事のようにならないようにと生まれだばかりのキリヤまで取り上げられた。義母がエドワードとキリヤには公爵になるべきという上位貴族の勉強や躾をされた。心が病んだ夫人にライルという宝物が授かった。義母は、三男には興味を示さなかったため、ライルだけは、自分の手で育てる事が出来た。それが生きがいにもなったし、三男にもどうにか爵位を与えて上げたいという親心もあり、夫人もお茶会や女性の輪にも積極的に参加もした。だから昔からいる使用人達は、ライルの遊び相手でもあった。
「懐かしいわ、本当に。子供達が幼い頃、本当に辛かった」
と夫人が話すと隣の席の元公爵は、申し訳無さそうに、
「本当に母が酷い事をして済まなかったよ。私もあの頃必死で、君が毎日泣いているのを見ていてもどうすることも出来なかった」
と話す。
「そうね、辛かったわ、でも突然起こった悲しい出来事に皆、必死に耐えて埋めていったに過ぎない。今ならわかるの。お義母様が、何故私にきつく指導したのか。公爵家という立場上縦や横の繋がりや後ろ盾、上位貴族に必要なものを私は持ってなかったわ。女性の小さな世界でありながら、鎖のような掟…だからエドワードがイザベラを選んだのは、きっとドミルトン公爵家としての確かな地固めなのでしょう。お義母様の指導を忠実に守るあの子なのだから、私の話すことなど聞かないわ」
悲しそうな顔をする夫人を見て、元公爵も、もう何も言えなかった。年を重ねると見える事も今、ギラギラしている若者には見えないし、聞こえてもこない。
フゥーと溜息を吐いてから、その部屋を去った。
「では、失礼します」
とキリヤ一家が王都に帰るため別れの挨拶をお祖父様達にしているとエドワード一家も玄関に来た。
「私達も失礼します」
とついでのように挨拶を済ませて、先に出てしまった。
「相変わらず、兄様はせっかちだな」
と父様が言うと、キリヤ様は、
「未来の宰相様は忙しいのだろう」
と意地悪そうな顔をして言った。
「キリヤ兄様までそんな事言うなよ」
「相変わらず、ライルは能天気だな。せっかくもらった領地、せいぜいちゃんと管理しろよ」
とキリヤ様は一言言ってから馬車に乗った。こちらに来て初めて知った叔父さん達もしかして仲が悪い?
見送った後、お祖父様やお祖母様とお茶をしたり、庭園で花の世話をしたり、馬に乗ったり、部屋でオルビア帝国の歴史書を読んだりする日々を過ごした。歴史書は、文言が難しく中々読みにくい。随分と昔の記憶が消えて、すっかり幼児化した脳にこの本は、大変ですぐに眠くなる。気づけばベッドで寝てる。興味があるのは確かなのに、身体も頭もついていかない。
ただ習慣にしているのは、一日一回は、あの手書きの紙を読むことにしている。
翌朝になるとまるでリセットされたかのように消える記憶の定着を訓練した。
男爵家の領地は、お祖父様のお屋敷の少し西側に位置するが、隣という利点でこのお屋敷からも通える。私達家族は、お祖父様の屋敷で一緒に暮らす事になった。そしてすぐに弟の誕生で、ますます賑やかになり、そして沢山学んだ。お祖母様は妊娠中のお母様に変わり行儀作法や貴族のマナーをお祖父様は、乗馬や釣り、少しの武術を私の興味に合わせて、与えてくれる。
もう私の中で漫画という言葉は残っても絵を思い出すことも出来なかった。そんな賑やかで漫画の世界なんて信じられないような毎日を過ごした。
2年後
「行ってきます。お土産買ってくるわマーク」
と弟や両親と別れを告げ、私は、お祖父様とお祖母様と一緒に王都に向かっている。
「アーシャも初めての王都ね。エドワードの宰相就任パーティーだし、あちらでドレスを作りましょうね」
とお祖母様が言うとお祖父様も
「あちらにはオシャレな店があるぞ」
と笑う。
「楽しみですわ。お祖父様、お祖母様」
あれから2年、ルイーゼもエリオン、従姉妹達に会ってない。
「どんな様子かしら?」
呟いた声は、お祖父様達には王都の街はと思ったらしく、
「賑やかよ」
と教えてくれた。キリヤ様が領地経営をされて、公爵領内にお祖父様のお屋敷はあるのだけど、キリヤ様一家もずっと会ってはいない。
窓から見る景色がだんだん畑が少なくなり、道がしっかり整備されている町を通るようになれば、高い壁が見え始めた。
「アーシャ、王都だぞ」
今まで知らなかった巨大な大きな建物が遠くからでもわかる。
王都のエドワード様のお屋敷も大層立派で、玄関には、使用人達が並んで待っていた。
そして中には、2年ぶりの悪役令嬢もといルイーゼとイザベラ夫人が待っていた。
「久しぶりだな」
と話すお祖父様の言葉を遮り、
「アーシャ、外で埃を落としてちょうだい」
とルイーゼが一目散に近づき、命令した。お祖母様が扇子を出し口元を隠しながら、
「あら、一緒の馬車の私達も外に出て埃を払わなくていけないのかしら?イザベラさん」
と言えば、
「まさか、まさかお義母様、ルイーゼは、アーシャの肩に糸屑が光って見えて埃と勘違いしたのでしょう。子供の目の錯覚にすぎませんわ。オッホッホ」
と口元を扇子で隠した。睨みつけるルイーゼを感じながら、お祖母様や家庭教師に習った貴族の礼をしながら、
「お久しぶりです、イザベラ夫人、ルイーゼ様。本日からお祖父様達と共にお世話になるアーシャでございます。よろしくお願いいたします」
と頭を下げたまま姿勢を保つ。
ギリっと音がした気がした。
「あぁ、アーシャさんお久しぶりね。堅苦しい挨拶はしないで、我が家のように寛いでね。お義父様、エリオンは、フランツ王子の学友に選ばれまして、王宮ですの。お迎えが出来ず残念がってましたわ」
「それは、凄いな。ますますドミルトン公爵家は安泰だな」
とお祖父様もお祖母様も笑った。そんな話は、既に知っていたが自慢したかったのだろう。それに乗ってあげるお祖父様達は流石に貴族だ。
ルイーゼは、やっぱり悪役なだけあって、ずっと高圧的で驚く。
「疲れないのかしら?まだ7歳なのにあの威圧感を押し出す態度は凄いわ」
と言えば、側にいたマリアは、笑って
「そうですね。前にアーシャ様が言った可哀想っていう意味がわかった気がします。そしてアーシャ様、また言葉が過ぎていますよ。明日は朝から王都でお買い物です、早く寝てください」
「はい、わかってます」
と布団に入る。何故かルイーゼに対して意見が厳しいらしい、意識しているつもりはないと思うけど。
暗くなった部屋で、思い浮かぶのは暗記するほど読んだ紙。日付けまではわからないフランツ王子とカイル王子の誘拐。フランツ王子が8歳になっているのか?あの漫画と書かれた予告書が、本当か否か、まさか出くわさないだろうと思いながら、知っている未来の出来事を誰にも話していない。私は見て見ぬふりをすべきなのか、7歳の子供に何が出来ると言うのかと自問自答をしながら、不安と行く末のカイル王子死亡を考えると眠れなかった。
気品漂う手付きでお茶を飲みながら、マリアの話を聞くドミルトン夫人。そしてその隣にはドミルトン元公爵がいる。一通り挨拶を終えて、後は自分達の息子達がすべきことと早々に部屋に戻り寛いでいた。
「しかし、本当か?考え方が5歳とは思えんな。ルイーゼは子供らしいと言えば子供らしいが、手を出したのも先に口を出したのもルイーゼだろう、あの子の癇癪や高圧的なところはいかんな」
「一度じっくり話を聞きたいわ、マリア。ライル達は、まだ領地には行かないわよね?明日にはみんな王都に戻るでしょうし、明日のお茶にライル達を誘いましょう」
と夫人が言えば、ドミルトン元公爵は、
「ルイーゼはどうするのだ?」
と夫人に問う。
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と夫人は言い放つ。
「しかし、エドワードは」
「あの子にももっと国政よりも家族を顧みて欲しいのです」
「そうは言っても…」
としかめ面をする元公爵を他所に夫人は、昔を思い出していた。
長男エドワード、次男キリヤ、三男ライル…夫人はドミルトン家に嫁入りしてから、色々ありすぎた。ドミルトンの次男と結婚して伯爵の爵位のはずだったのに、長男一家が事故にあい亡くなり、急遽公爵を継ぐ準備をしなくてはいけなかった。夫人自体上位貴族ではなかったため、当時の義母の厳しい指導や言動、それに我が子エドワードを取り上げられ、そして今回の事のようにならないようにと生まれだばかりのキリヤまで取り上げられた。義母がエドワードとキリヤには公爵になるべきという上位貴族の勉強や躾をされた。心が病んだ夫人にライルという宝物が授かった。義母は、三男には興味を示さなかったため、ライルだけは、自分の手で育てる事が出来た。それが生きがいにもなったし、三男にもどうにか爵位を与えて上げたいという親心もあり、夫人もお茶会や女性の輪にも積極的に参加もした。だから昔からいる使用人達は、ライルの遊び相手でもあった。
「懐かしいわ、本当に。子供達が幼い頃、本当に辛かった」
と夫人が話すと隣の席の元公爵は、申し訳無さそうに、
「本当に母が酷い事をして済まなかったよ。私もあの頃必死で、君が毎日泣いているのを見ていてもどうすることも出来なかった」
と話す。
「そうね、辛かったわ、でも突然起こった悲しい出来事に皆、必死に耐えて埋めていったに過ぎない。今ならわかるの。お義母様が、何故私にきつく指導したのか。公爵家という立場上縦や横の繋がりや後ろ盾、上位貴族に必要なものを私は持ってなかったわ。女性の小さな世界でありながら、鎖のような掟…だからエドワードがイザベラを選んだのは、きっとドミルトン公爵家としての確かな地固めなのでしょう。お義母様の指導を忠実に守るあの子なのだから、私の話すことなど聞かないわ」
悲しそうな顔をする夫人を見て、元公爵も、もう何も言えなかった。年を重ねると見える事も今、ギラギラしている若者には見えないし、聞こえてもこない。
フゥーと溜息を吐いてから、その部屋を去った。
「では、失礼します」
とキリヤ一家が王都に帰るため別れの挨拶をお祖父様達にしているとエドワード一家も玄関に来た。
「私達も失礼します」
とついでのように挨拶を済ませて、先に出てしまった。
「相変わらず、兄様はせっかちだな」
と父様が言うと、キリヤ様は、
「未来の宰相様は忙しいのだろう」
と意地悪そうな顔をして言った。
「キリヤ兄様までそんな事言うなよ」
「相変わらず、ライルは能天気だな。せっかくもらった領地、せいぜいちゃんと管理しろよ」
とキリヤ様は一言言ってから馬車に乗った。こちらに来て初めて知った叔父さん達もしかして仲が悪い?
見送った後、お祖父様やお祖母様とお茶をしたり、庭園で花の世話をしたり、馬に乗ったり、部屋でオルビア帝国の歴史書を読んだりする日々を過ごした。歴史書は、文言が難しく中々読みにくい。随分と昔の記憶が消えて、すっかり幼児化した脳にこの本は、大変ですぐに眠くなる。気づけばベッドで寝てる。興味があるのは確かなのに、身体も頭もついていかない。
ただ習慣にしているのは、一日一回は、あの手書きの紙を読むことにしている。
翌朝になるとまるでリセットされたかのように消える記憶の定着を訓練した。
男爵家の領地は、お祖父様のお屋敷の少し西側に位置するが、隣という利点でこのお屋敷からも通える。私達家族は、お祖父様の屋敷で一緒に暮らす事になった。そしてすぐに弟の誕生で、ますます賑やかになり、そして沢山学んだ。お祖母様は妊娠中のお母様に変わり行儀作法や貴族のマナーをお祖父様は、乗馬や釣り、少しの武術を私の興味に合わせて、与えてくれる。
もう私の中で漫画という言葉は残っても絵を思い出すことも出来なかった。そんな賑やかで漫画の世界なんて信じられないような毎日を過ごした。
2年後
「行ってきます。お土産買ってくるわマーク」
と弟や両親と別れを告げ、私は、お祖父様とお祖母様と一緒に王都に向かっている。
「アーシャも初めての王都ね。エドワードの宰相就任パーティーだし、あちらでドレスを作りましょうね」
とお祖母様が言うとお祖父様も
「あちらにはオシャレな店があるぞ」
と笑う。
「楽しみですわ。お祖父様、お祖母様」
あれから2年、ルイーゼもエリオン、従姉妹達に会ってない。
「どんな様子かしら?」
呟いた声は、お祖父様達には王都の街はと思ったらしく、
「賑やかよ」
と教えてくれた。キリヤ様が領地経営をされて、公爵領内にお祖父様のお屋敷はあるのだけど、キリヤ様一家もずっと会ってはいない。
窓から見る景色がだんだん畑が少なくなり、道がしっかり整備されている町を通るようになれば、高い壁が見え始めた。
「アーシャ、王都だぞ」
今まで知らなかった巨大な大きな建物が遠くからでもわかる。
王都のエドワード様のお屋敷も大層立派で、玄関には、使用人達が並んで待っていた。
そして中には、2年ぶりの悪役令嬢もといルイーゼとイザベラ夫人が待っていた。
「久しぶりだな」
と話すお祖父様の言葉を遮り、
「アーシャ、外で埃を落としてちょうだい」
とルイーゼが一目散に近づき、命令した。お祖母様が扇子を出し口元を隠しながら、
「あら、一緒の馬車の私達も外に出て埃を払わなくていけないのかしら?イザベラさん」
と言えば、
「まさか、まさかお義母様、ルイーゼは、アーシャの肩に糸屑が光って見えて埃と勘違いしたのでしょう。子供の目の錯覚にすぎませんわ。オッホッホ」
と口元を扇子で隠した。睨みつけるルイーゼを感じながら、お祖母様や家庭教師に習った貴族の礼をしながら、
「お久しぶりです、イザベラ夫人、ルイーゼ様。本日からお祖父様達と共にお世話になるアーシャでございます。よろしくお願いいたします」
と頭を下げたまま姿勢を保つ。
ギリっと音がした気がした。
「あぁ、アーシャさんお久しぶりね。堅苦しい挨拶はしないで、我が家のように寛いでね。お義父様、エリオンは、フランツ王子の学友に選ばれまして、王宮ですの。お迎えが出来ず残念がってましたわ」
「それは、凄いな。ますますドミルトン公爵家は安泰だな」
とお祖父様もお祖母様も笑った。そんな話は、既に知っていたが自慢したかったのだろう。それに乗ってあげるお祖父様達は流石に貴族だ。
ルイーゼは、やっぱり悪役なだけあって、ずっと高圧的で驚く。
「疲れないのかしら?まだ7歳なのにあの威圧感を押し出す態度は凄いわ」
と言えば、側にいたマリアは、笑って
「そうですね。前にアーシャ様が言った可哀想っていう意味がわかった気がします。そしてアーシャ様、また言葉が過ぎていますよ。明日は朝から王都でお買い物です、早く寝てください」
「はい、わかってます」
と布団に入る。何故かルイーゼに対して意見が厳しいらしい、意識しているつもりはないと思うけど。
暗くなった部屋で、思い浮かぶのは暗記するほど読んだ紙。日付けまではわからないフランツ王子とカイル王子の誘拐。フランツ王子が8歳になっているのか?あの漫画と書かれた予告書が、本当か否か、まさか出くわさないだろうと思いながら、知っている未来の出来事を誰にも話していない。私は見て見ぬふりをすべきなのか、7歳の子供に何が出来ると言うのかと自問自答をしながら、不安と行く末のカイル王子死亡を考えると眠れなかった。
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