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18フランツから見たアーシャ・ドミルトン
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「アーシャ嬢、よく来てくれたね」
初めて会ったその令嬢は、可もなく不可もない。他の令嬢と違って派手でもなく、目立たないよう心積もりをしているのか、嫌な匂いもしない。特に心惹かれるとか好きになるとは思えなかった。目を離せば見失うような記憶に残らない令嬢。そんな印象。
だけど、お祖父様から聞いたあの事件では、私達に気づき、拐われた私達のため盗賊のアジトを突き止めた8歳の女の子。私と同じ歳で冷静な観察眼を持っているとお祖父様に言われた。
お祖母様からもおもてなしの心を持ち、カイルの一番辛い部分を蓋をするのではなくて、勇気に変えたと言っていた。二人が話すアーシャ・ドミルトンとは、勇者みたいな御伽噺の主人公だ。
見た印象とは、大きく違う。
そしてカイルを変えた。私は、カイルがあの茶黒く取り返しがつかない傷で人生の絶望を背負っていたあの時期を知っている。6年前カイルの母が亡くなった時でさえ、あんな顔はしなかった。いつ死んでもおかしくないと侍女達も言っていたカイルが、ドミルトン男爵領から帰ってきたら、すっかり変わっていた。
武術を懸命に習い、可愛いと言われていて自分の意見もあまり発言しない弟、私の後ばかりついてきて真似をしていると思っていたはずの弟に
「心の傷に寄り添います」
と言われた。正直情けなかった。私が兄で、あの事件は、私の責任でカイルに消えない傷を負わせた私に寄り添うって。
いつの間にか私を支えようとしていた。男爵領に行ってから。
聞けば、
「アーシャに言われた」
「学友は、アーシャ一人がいれば良い」
「アーシャが強くなれと言うから一番強くなる」
「アーシャが歴史を勉強してるから」
なんでもアーシャ。
カイルの兄は私だろう、と言いたくなった。あんなに私を頼りにしていた弟が一人の令嬢に影響を受けた。感情を押さえろと王妃や教師に言われ、心をひいていたのに、カイルが、現れては心を乱し、眉毛が動いただの頬が動いただの言ってきた。
そんな事が続くようになると、カイルがあの事件の事を気にしていない姿を見て、安心した自分がいた。
薬を飲まなくても寝れるようになったし、カイルが面白いことを言えば、笑ってしまった。
カイルに謝ったが、それで良いと言われ、信頼できる弟に救われた。
カイルはアーシャに手紙を書いている。ほとんど私に話している話で、恋文ではないけど、カイルは将来、アーシャと結婚したいんだろうなと思っている。
そしてもう一人それに気づいているのがエリオン・ドミルトン。
カイルのそう言った話に良い顔をしない。お祖母様に確認したら、元ドミルトン公爵夫妻は、アーシャをエリオンに嫁がせてドミルトン家を盤石にしたい考えているそうだ。エリオンはそれを受け入れている、ように私には見える。
カイルに言うべきか迷っていれば、王妃から、茶会を開く、婚約者候補を見つけなさいと言われ地獄のミッションを突きつけられた。
「何故私ばかり…」
そう思わずにはいられない。王妃は厳しい。国を安定させるため、そう言われれば私には言い返せない。
カイルはアーシャから手紙が来たとはしゃいでいる。私がモヤモヤしているというのに。カイルは、アーシャが隠れられる場所だ、何だと嬉しいそうに語りやがって。
これだから第二王子は気楽で良い!
二人の密会なんて絶対に却下!
第一王子のお茶会で隠れるって心境もわからない!
令嬢達のテーブルを回る。言葉を適当に吐きながら、感情は、ここにはない。つまらないし、臭いし、欲だらけの人間としか感じない。感情を出さず観察を続けていけば、そういったドロっとしたものが見えるようになった。意識をカイルとのやり取りばかり思い出していれば、アーシャ嬢がいない事に初めて気づいた。
隠れやがったな。周りを見渡せばカイルもいないじゃないか!
さっきまでカイルはケーキの場所にいたはず、こっちには令嬢が多くいる。消えるとしたら、花壇が何もない場所か。侍従にカイルのところに行くと一言言った。
「困ります」
と言われたが、お手洗いだと適当に言って欲しいと誤魔化させた。
「なんか私も行きたいだよ」
こんなの非常識だ。私がホストなのに招待客を放置して行くなんて。
まっすぐ何もない更地に行けば、大きな木からオレンジ色のドレスが見えた。近寄れば楽しそうに収穫祭の話だ。
楽しそうにしやがって!
イライラする。
カイルは、去年も行きたがっていたが、王家が一つの領地ばかり特別扱いは出来ない。今年も駄目だと言ってやる。
意地悪な気持ちが出た。
カイルが幸せそうだから。
「あぁ、私も行ってみたいな」
こんな事言うつもりはなかった。別に本当に行きたいわけじゃない。この令嬢が勘違いしたらどうしよう。招待されても面倒はごめんだ。
すると、令嬢は立ち上がり、鼻歌を歌いながら、輪になって踊る。村人達のなんでもない面白さも優雅さもないダンス、クルクル回ってお互い手を叩き合わせたりするだけ。
なんだこれ、何が楽しんだ?
なのに、カイルが笑って、この令嬢が笑って、困惑している私がいる。
私を王子扱いしないで村人扱いか!でも私は真似をする。
何も考えないでいい。
動いた後、この令嬢に私達を見つけてくれた御礼を言った。
この令嬢は、そっと人差し指を自分の口元に立てた。それは秘密だと言われた気がした。もう気にするなと。
その後、令嬢は、
「あなた様の好きなように羽ばたいて下さいませ。せっかくの人生、囲われ羽も押さえつけられるかもしれませんが、こうやって羽ばたかせる場所をカイル王子が作ってくれます。あなた様は一人じゃありません」
と言った。辛い時カイルが助けてくれた。みんなが私の羽を押さえつけているのも有力者が囲おうとしているのも苦しくて辛い。
この令嬢は、わかっているのか。
本当は、私がカイルに甘えている事を知っているのか。
カイルの側が安心する。
泣きそうだった。
理解してくれる者がいて、許してくれる者がいる。
こんなに嬉しいと思えるなんて。
感情が見えないようメイドの方に早足で逃げた。
茶会の現場に着くと何か言い争いが繰り広げられていた。中心人物は、ルイーゼ・ドミルトン。
「公爵令嬢の私がフランツ王子様と話す権利があるのです。あなた達は、下がりなさい」
エリオンが言っていた傲慢さ高圧的とは、確かだ。面倒くさい令嬢だ。いい顔してあしらえば、静かになるかな。
ふと、あなたは自由ですという言葉がよぎった。
「私は、自由恋愛派なんだ」
と言えば、令嬢達から、
「キャー」
と熱狂な歓声が上がった。単に身分で選ばないと言った意味合いを他の令嬢達が興奮して受け止めてくれたようだ。
「「「私もです」」」
まぁ、これでルイーゼ嬢の牽制にはなったかな。
更にピーチーパーと何を言っているかわからない令嬢達の山の端にオレンジ色のドレスが横道をサッと歩いて出て行った。
「あぁ、帰ってしまったな」
?何故私が残念がらなければいけない。第一王子の私に挨拶無しで帰るなんて非常識だ。
この五月蝿い争いも気にせずに、庭園ではオレンジ色の花達が真っ直ぐに咲いている。
「私の事など興味がないか」
私の髪は風に揺れた。
さぁ、こちらもお開きだ。
「今日はありがとうございました。またお茶会に来て下さい」
簡単な挨拶だけして、王宮に戻った。
「どうでしたか?」
王妃に聞かれて、
「大変、煩く揉めてました。もう少し私に合う令嬢じゃなければ困ります」
と言えば、王妃もあの惨状を見ていたのだろう、推薦出来る令嬢が一人もいなかったらしい。
アーシャ嬢は隠れるのが上手いなと思った。
ハァー疲れた。
ただただ疲れた。執務室で大きな椅子に座り、温かいお茶を飲む。
瞼が重い…
あの令嬢のオレンジ色のドレスと鼻歌と意味がないダンス…そして手の温もり。
「私は、自由じゃいけないんだよ」
と言えば、
『大丈夫、休める場所はありますよ』
とあの令嬢が囁いた。形式なんてないダンスが楽しかった。
なんでもしていいんじゃないかとあの時何も考えず、王子でもなくただ人として過ごした短い時間。
昔カイルが言った。
「私には、学友はアーシャだけでいい」
そんな言葉の意味がわかった気がした。でも私は、カイルとは違う。
生まれた時から、決まっている道がある。
ハァー今日は本当に疲れた。庭園の青い花とオレンジの花、綺麗だったなぁ。匂いのしない…あの顔…は
執事は、
「珍しいですね、フランツ様がうたた寝をするなんて。楽しい夢でしょうか、笑ってますね」
と上着をフランツにかけ黙って執務室を出て行った。
初めて会ったその令嬢は、可もなく不可もない。他の令嬢と違って派手でもなく、目立たないよう心積もりをしているのか、嫌な匂いもしない。特に心惹かれるとか好きになるとは思えなかった。目を離せば見失うような記憶に残らない令嬢。そんな印象。
だけど、お祖父様から聞いたあの事件では、私達に気づき、拐われた私達のため盗賊のアジトを突き止めた8歳の女の子。私と同じ歳で冷静な観察眼を持っているとお祖父様に言われた。
お祖母様からもおもてなしの心を持ち、カイルの一番辛い部分を蓋をするのではなくて、勇気に変えたと言っていた。二人が話すアーシャ・ドミルトンとは、勇者みたいな御伽噺の主人公だ。
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いつの間にか私を支えようとしていた。男爵領に行ってから。
聞けば、
「アーシャに言われた」
「学友は、アーシャ一人がいれば良い」
「アーシャが強くなれと言うから一番強くなる」
「アーシャが歴史を勉強してるから」
なんでもアーシャ。
カイルの兄は私だろう、と言いたくなった。あんなに私を頼りにしていた弟が一人の令嬢に影響を受けた。感情を押さえろと王妃や教師に言われ、心をひいていたのに、カイルが、現れては心を乱し、眉毛が動いただの頬が動いただの言ってきた。
そんな事が続くようになると、カイルがあの事件の事を気にしていない姿を見て、安心した自分がいた。
薬を飲まなくても寝れるようになったし、カイルが面白いことを言えば、笑ってしまった。
カイルに謝ったが、それで良いと言われ、信頼できる弟に救われた。
カイルはアーシャに手紙を書いている。ほとんど私に話している話で、恋文ではないけど、カイルは将来、アーシャと結婚したいんだろうなと思っている。
そしてもう一人それに気づいているのがエリオン・ドミルトン。
カイルのそう言った話に良い顔をしない。お祖母様に確認したら、元ドミルトン公爵夫妻は、アーシャをエリオンに嫁がせてドミルトン家を盤石にしたい考えているそうだ。エリオンはそれを受け入れている、ように私には見える。
カイルに言うべきか迷っていれば、王妃から、茶会を開く、婚約者候補を見つけなさいと言われ地獄のミッションを突きつけられた。
「何故私ばかり…」
そう思わずにはいられない。王妃は厳しい。国を安定させるため、そう言われれば私には言い返せない。
カイルはアーシャから手紙が来たとはしゃいでいる。私がモヤモヤしているというのに。カイルは、アーシャが隠れられる場所だ、何だと嬉しいそうに語りやがって。
これだから第二王子は気楽で良い!
二人の密会なんて絶対に却下!
第一王子のお茶会で隠れるって心境もわからない!
令嬢達のテーブルを回る。言葉を適当に吐きながら、感情は、ここにはない。つまらないし、臭いし、欲だらけの人間としか感じない。感情を出さず観察を続けていけば、そういったドロっとしたものが見えるようになった。意識をカイルとのやり取りばかり思い出していれば、アーシャ嬢がいない事に初めて気づいた。
隠れやがったな。周りを見渡せばカイルもいないじゃないか!
さっきまでカイルはケーキの場所にいたはず、こっちには令嬢が多くいる。消えるとしたら、花壇が何もない場所か。侍従にカイルのところに行くと一言言った。
「困ります」
と言われたが、お手洗いだと適当に言って欲しいと誤魔化させた。
「なんか私も行きたいだよ」
こんなの非常識だ。私がホストなのに招待客を放置して行くなんて。
まっすぐ何もない更地に行けば、大きな木からオレンジ色のドレスが見えた。近寄れば楽しそうに収穫祭の話だ。
楽しそうにしやがって!
イライラする。
カイルは、去年も行きたがっていたが、王家が一つの領地ばかり特別扱いは出来ない。今年も駄目だと言ってやる。
意地悪な気持ちが出た。
カイルが幸せそうだから。
「あぁ、私も行ってみたいな」
こんな事言うつもりはなかった。別に本当に行きたいわけじゃない。この令嬢が勘違いしたらどうしよう。招待されても面倒はごめんだ。
すると、令嬢は立ち上がり、鼻歌を歌いながら、輪になって踊る。村人達のなんでもない面白さも優雅さもないダンス、クルクル回ってお互い手を叩き合わせたりするだけ。
なんだこれ、何が楽しんだ?
なのに、カイルが笑って、この令嬢が笑って、困惑している私がいる。
私を王子扱いしないで村人扱いか!でも私は真似をする。
何も考えないでいい。
動いた後、この令嬢に私達を見つけてくれた御礼を言った。
この令嬢は、そっと人差し指を自分の口元に立てた。それは秘密だと言われた気がした。もう気にするなと。
その後、令嬢は、
「あなた様の好きなように羽ばたいて下さいませ。せっかくの人生、囲われ羽も押さえつけられるかもしれませんが、こうやって羽ばたかせる場所をカイル王子が作ってくれます。あなた様は一人じゃありません」
と言った。辛い時カイルが助けてくれた。みんなが私の羽を押さえつけているのも有力者が囲おうとしているのも苦しくて辛い。
この令嬢は、わかっているのか。
本当は、私がカイルに甘えている事を知っているのか。
カイルの側が安心する。
泣きそうだった。
理解してくれる者がいて、許してくれる者がいる。
こんなに嬉しいと思えるなんて。
感情が見えないようメイドの方に早足で逃げた。
茶会の現場に着くと何か言い争いが繰り広げられていた。中心人物は、ルイーゼ・ドミルトン。
「公爵令嬢の私がフランツ王子様と話す権利があるのです。あなた達は、下がりなさい」
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「キャー」
と熱狂な歓声が上がった。単に身分で選ばないと言った意味合いを他の令嬢達が興奮して受け止めてくれたようだ。
「「「私もです」」」
まぁ、これでルイーゼ嬢の牽制にはなったかな。
更にピーチーパーと何を言っているかわからない令嬢達の山の端にオレンジ色のドレスが横道をサッと歩いて出て行った。
「あぁ、帰ってしまったな」
?何故私が残念がらなければいけない。第一王子の私に挨拶無しで帰るなんて非常識だ。
この五月蝿い争いも気にせずに、庭園ではオレンジ色の花達が真っ直ぐに咲いている。
「私の事など興味がないか」
私の髪は風に揺れた。
さぁ、こちらもお開きだ。
「今日はありがとうございました。またお茶会に来て下さい」
簡単な挨拶だけして、王宮に戻った。
「どうでしたか?」
王妃に聞かれて、
「大変、煩く揉めてました。もう少し私に合う令嬢じゃなければ困ります」
と言えば、王妃もあの惨状を見ていたのだろう、推薦出来る令嬢が一人もいなかったらしい。
アーシャ嬢は隠れるのが上手いなと思った。
ハァー疲れた。
ただただ疲れた。執務室で大きな椅子に座り、温かいお茶を飲む。
瞼が重い…
あの令嬢のオレンジ色のドレスと鼻歌と意味がないダンス…そして手の温もり。
「私は、自由じゃいけないんだよ」
と言えば、
『大丈夫、休める場所はありますよ』
とあの令嬢が囁いた。形式なんてないダンスが楽しかった。
なんでもしていいんじゃないかとあの時何も考えず、王子でもなくただ人として過ごした短い時間。
昔カイルが言った。
「私には、学友はアーシャだけでいい」
そんな言葉の意味がわかった気がした。でも私は、カイルとは違う。
生まれた時から、決まっている道がある。
ハァー今日は本当に疲れた。庭園の青い花とオレンジの花、綺麗だったなぁ。匂いのしない…あの顔…は
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