あまりにもあまりにも偶然に墜落し、とんでもない上位生命体の一部となった彼らです。

第19話 ガリア人と宇宙樹の末裔

ガリア人も、奇妙な獣の頭蓋骨の形をした大陸にすむ人間だけあって、獣のような直感力に優れていて、本能的に本質や、敵や味方を判断する能力に優れていた。

そんなガリア人は、あるおかしな異質な種族を見つけた。
細々と、ひっそりと過ごしているが、どこか遥か天上と、大地の奥深く根付いているような雰囲気を持っていた。

それを好ましいと思う者も、いれば厭うものもいた。

排除、寛容、吸収、同化、様々な思いを抱えたガリア人達は、この奇妙な新しい外来種と相対した。

それは運命の必然であった。

駆逐された者も居れば、あるガリア人と交配して、現地人と交じり合い、あまり違和感を感じない子孫も居た。

淘汰と、新しい血をどんどん取り込んで生き延びた者達。

純粋なガリア人は多いが、少数派ながらも、異質な混合種族として生きている宇宙樹の末裔たち。

大抵の、宇宙樹の末裔は、獣のようなガリア人の血に押しつぶされているせいが、なかなか力を発揮できなかった。

稀に、ガリア人の血とうまく馴染んで、ガリア人特有の力と、宇宙樹の力を発揮できる成功例があった。

それは、英雄や、優れたる者とも呼ばれた。

戦や、世界の災害になど、異変が起きると、末裔たちは生き延びる本能が覚醒して、凄まじい力を発揮した。

ガリア人は、それを畏怖しながらも、嫌悪と崇拝　いずれも複雑な感情が絡み合って奇妙な種族と、共存した。

しかし、主にそれを面白くないと思うガリア人も居た。
ガリア王家と貴族である。彼らは純血を尊んだ。


混じりあいとかまがい物と王家は、末裔をそう侮蔑して、純粋に、拒絶した。


これも一つの世界に侵入する末裔たちへの反応だった。それも正しい選択であった。


生きのびるため、それぞれの種族がいたほうがいい。


本能的に、彼らはそう悟っていた。進化と退化。無意識にガリア人は分かっていた。


外来種は、ある意味、生き物の進化に対する刺激でもあり、毒にも成りえると感覚が訴えていた。


弱い純粋な種族はいつしか淘汰される。

ガリア人は強く純粋な種族だったため、時には争い駆逐もしたが、完全には宇宙樹の末裔たちを絶滅はしなかった。

必要かもしれないからだ。


聡明で、残虐な当時のガリア人はそう考えていた。


こうして、宇宙樹の末裔たちはガリア人と表向きは共存しながらも、いつかは全面戦争するかもしれない危うい道を歩み始めた。

いつ破綻するか分からない運命の道を彼らは歩んだ。

時には交差しながらも、決して完全には交わらない奇妙な隣人として末裔たちは存続をした。