あまりにもあまりにも偶然に墜落し、とんでもない上位生命体の一部となった彼らです。

栗菓子

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第33話 サラとルオーの冒険

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サラと、ルオーはバイクみたいな車輪のついた機械で、世界を奔り回った。

見渡す限り、露出した岩と砂礫、僅かな雑草や植物が生えているばかりだ。

人影はだれもいない。 サラとルオーだけが生き延びたような世界だ。

「ここに生存者はいないのかな。お兄ちゃん。とても寂しいところだね。お兄ちゃん・・。」

「生存者は、ほとんどは王都とか、都会へ、食べ物や水が密集している地域へ集まっているらしい。」

「でも、お兄ちゃん・・。お母様の居た村はきっと無事だよ。だってお母さんはずっと結界らしきものを張って守っていたらしいよ。その名残がまだ残っているなら、大丈夫なはずだよ。お母さんが言ってた友人のソアラさんやノアさんの行方も気になるね・・。」

「そうだな・・。お母さんの数少ない友人だし‥生き残ってほしいな。お母さんと随分と親しかったらしい。」

「お母さん。よく、そんな友達を捨てて、お父さんを選んだよね。まあそのお陰であたしたちが生まれたけど・・。」

「サラ!お母さんのしたことをあまり非難するもんじゃない。お母さんにはお母さんの考えがあってやったことだ。」


どうも、サラは娘だけあって、同性の母親サラに大して、深い愛情も抱いているが、その思考や行動に納得できない面もあったらしい。女は特に同性に厳しい面がある。

母親と娘の関係は難しいな。とルオーは思った。


そんなことを折に触れて、母親サラに忠告したら、「いいんだよ。わたしと、娘は親子でも似て非なる者。あの子はあの子の道を歩むよ。それでいいんだ。わたしはわたしの道を歩んだ。わたしがお父さんと駆け落ちしたのは、あんたたちを産むためだったんだよ。なんか、新しい子どもが欲しくてね。これはわたしの我儘だよ。」


サラは淡々と達観したように言った。ソアラやノアにはすまないことをしたと少ししょぼんとしていたが、後悔はしていない様に見えた。

母と父の関係はよくわからない。母が主人で父が従って見えるようにみえるが、父が面白がって従っているだけにも見える。父の奥底の狂気は子どもにも触れる時があって、そんな時、背筋がぞっとしたものだ。

まだ子どものルオーは冷や汗をかきながら、父をどこかで畏怖していた。

半死半生になるまで鍛錬させられた。その度に母ナラがまあまあと言って、急いで怪我を治す術をかけていたが、父の無機質な冷淡な瞳は忘れられない。

あれが父の本性だ。 母がいるから辛うじて父は正気を繋ぎ留められているのだ。その関係を悟ったルオーは母が生きているうちに父が死んでほしいと思った。

そうならなかったら、父は厄災のような存在になるかもしれない。
お陰で、ルオーとサラは地上でも生き延びる実力を身に付けることができたが、どこかで父を危険視していた。

サラは機械から降りて、ちょっと待ってと言って、眉間に指をあてた。集中力を整える癖だ。
サラが、遠見や、未来視をする時よくやる癖だ。荒野ばかりの光景にサラは飽きたのだろう。どこかに目新しいものがないか能力で探しているのだ。

しばらくして、サラが歓喜の声を上げて叫んだ。「お兄ちゃん。あったよ。もう少し、一時間ぐらいはしった西の先に町があるよ。生き残った人たちが創った町みたい・・。子どももいるよ。遊んでいるわ。」

「そうか・・ならばその町へ行ってみよう。ここ以外にはそれしかないのなら・・。」
ルオーは淡々と、旅の続きの準備をした。
サラに水筒を渡した。「ありがとう。お兄ちゃん!」サラは嬉し気に水を大切そうに飲んだ。
ここでは水は貴重な飲み物だ。サラも十分に解っている。少しずつ飲んでいるサラはあどけなくて可愛かった。

ルオーも水を飲み、また動き始めた。サラのいっていた町へ行くために彼らは赴いた。


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