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第40話 ラテル 視点

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可愛い。可愛い。可愛いお人形さんを見つけた。

彼女を真紅の花畑へ連れて行った。不思議だ。彼女は真紅が良く似合う。

亜麻色の長い髪を三つ編みにして、少女らしくしているが、琥珀色の猫のような瞳が艶がある。


あどけなく無邪気な少女らしいが、どこか妖艶な感じもする。アンバランスな少女だ。
見た目はまあ多少は良いが、平民のような美しさだ。
ガリア王家の血は引いてないように見えるが、戯れに深紅の花冠をかぶせると、嗚呼、なんと映える事か!


彼女は本当にお姫様のようだ。いや実際に王家の血を引いているが・・この僕の血をね・・。

ラテルは、ゼーンをどこか他人のように思っていた。戯れに抱いた女の息子だ。ガリア王家の血を濃厚に引いていなかったら出会うこともなかっただろう。ゼーンはラテルの子飼いとなった。


親子の情は希薄だった。これが僕の息子かあとふーんと思うだけだった。向こうも恐らくそうだろう。

ガリア王家はどこか異常なのだ。 特定の者に異常に執着する性質もあれば、実の親子でも希薄な関係はあるのだ。

ゼーンの女はナラと言うらしい。見たところ凡庸な村娘らしいが、あのゼーンを宥めるぐらいだ。

やはり特殊な能力があるのだろう。巫女のような力を持っているのではないかとラテルは推察した。

僕の血を引く息子が、巫女のような力を持つ女と交合して、娘と息子を産んだ。 面白いじゃないか。気に入らなければその場で殺すだけだ。

ラテルはそう思って、ゼーンの潜伏している場所を探した。嗚呼気配がする。ゼーンの匂いがする。

そう思って、ラテルは舌なめずりして近寄ったら、ゼーンじゃなかった。 小さい愛らしい小娘だった。

だあれ? 嗚呼 可愛い子だね。 人形みたい。嗚呼そうだ。ゼーンの娘だ。

「名前は?僕はラテルだよ。」
そう尋ねると、彼女はかすかに警戒して「サラ・・」と呟いた。

サラか。良い名前だ。うんいい響きだ。気に入った。 彼女に相応しい名前だ。

ラテルは戯れに真紅の花畑で、彼女と遊戯をした。

嗚呼・・どうしてだろう。彼女は何故真紅の花が似合うのか? あんなに凡庸に見えるのに異様に艶めかしい時がある。

よい女だ。もう少し育ったら、貪りたいぐらい美味しそうな女だ。 香しい匂いもする。

あれ?僕は少女趣味だったのかな?いや・・サラだけだろう。ぼくはもう少し成長した大人の女が好みだ。

その美貌を自慢に思っている生意気な女の顔面を殴り、陥没した顔を血まみれの顔を見ながら、犯すのが大好きだ。

苛烈な気性を持った女は、最期まで呪いの言葉を吐いて死んだ。あれは凄いなあと笑って思った。


サラのあどけない顔が潰れるのを見るのは嫌だった。 何故だろう。やはり血族だから?ううん。血族でも殺したい女はいるもの。

嗚呼・・嗚呼・・可愛いからだ。こんなに可愛いなと思った生き物は初めてだ。

この子をずっと愛玩したい。撫でて居たい。

でも、この子は、ゼーンを、ナラを、兄を愛している。大切に思っている。

残念だ。誰も居なかったら、僕のお姫様にしてあげたのになあ。


ラテルは無意識にサラに惹かれていた。

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