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第7話 隔離村 別名 白の家
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白いドームで出来た住居は数十と各地に点々と置かれている。 中は、雨や雷を防御する設備であり、防音設備も備わっている。 動物が凍死する季節もあるが、そのために、薪が置かれている。中央にストーブがあり、常時、木を割って、薪を置くように、村人は交代で、どのくらい物置に置くか仕事を決められている。
また、池の魚なども、大量に採らず、交代で月にどの位釣るかも決められている。
限られた井戸水や、僅かな資源もできる限り公平に行き渡るように村人は集会で決めあった。
はじめは、小競り合いもあったが、次第に落ち着いて、人並みの暮らしが進められた。
薬中毒者や、依存症者は 断食や断薬療法で、1年以上隔離され、厳しい制限のもと、回復が進められた。
精神病者は、なるべく、空気が良いところで、少しずつ畑仕事や、歌や、朗読、書道などカリキュラムが進められた。
勿論、事件が起きないよう、最重要人物には、刃物や縄などを持たせなかった。
月に1回送られてくる配給は、酒や食料、果物、干したものや、古びた本 などだった。 中には、外にいる知人からの手紙もあった。
それを待ちわびた老女は大事そうに手紙の束を抱えて家へ帰ろうとした。
あの時の老女だ。 俺は思わず、手を伸ばして制止した。
「・・なあ・・あんた。ここはどういうどころだい。何か知っているのかい?」
「まあ‥貴方。あの時の方ね・・そうね。ここは、とても不思議でしょう。 普通、敗残者や、生活力に乏しい者達は処分されるはずだものね。戦後だと余計邪魔者として扱われるはずだもの。
わたし達は運が良かったのよ。どうもさる偉い方の子どもが、戦時中、運悪く、廃人同様になって精神病院にいたみたい。 その子を溺愛していた母親がねお願いしたらしいの。
なるべく良いところで暮らさせたいとね・・その母親は莫大なお金はもっていたの。でも権力はない・・。どうも母親の遺伝子が特殊な遺伝子だったらしくでね、ここに集められたのは、その子の恩恵もあるけど、他にもあるわ。
ほら、あの子・・ソンは端正でしょう。 あの子の遺伝子は、古い遺伝子でね。希少らしいわ。
ほら・・絶滅危惧種・・らしいわ。まあ良くある話だけどね。 どうも古い遺伝子や、優良な遺伝子など集めているみたいよ。新しい種を生み出そうとしているのかしら・・。
ふふふ・・。わたしも実は古い貴族の血を引いていたのよ。 知らないでしょうね。アルバ国だったの。わたしはその国の結構良いお嬢様だったの。 でも戦で全て無くなったわ。 わたしの家も、わたしの領土もなくなってしまった。戦の原因はどうせまた下らないことでしょうね。 思い出したくもない事もあったけど・・。
あなたも、なにか特別な遺伝子だったんじゃないかしら。だって珍しい瞳ヨ。それは。オッドアイだなんで・・。
右目が青で、左目が緑とはね。 それに髪も変わった色をしているわ。緑を帯びた黒髪・・まあ白髪も生えているけど・・。多分希少遺伝子や、絶滅遺伝子を戯れに救ったのよ。お偉方が・・。 繁殖も目論んでいるようね。」
「わたしたちは運だけで生きているのよ・・。知人がわたしの事を忘れないでくれるのがせめての救いだわ・・。」
そういって品の良い老婆は、会釈して、踵を返した。
俺は老婆の暴露に軽くショックを受けて、唯、ぼんやりと後姿を見ていた・・。
ここは隔離村・・別名 白の家というらしい。
やっと俺はこの村の名を知ったのだ。
また、池の魚なども、大量に採らず、交代で月にどの位釣るかも決められている。
限られた井戸水や、僅かな資源もできる限り公平に行き渡るように村人は集会で決めあった。
はじめは、小競り合いもあったが、次第に落ち着いて、人並みの暮らしが進められた。
薬中毒者や、依存症者は 断食や断薬療法で、1年以上隔離され、厳しい制限のもと、回復が進められた。
精神病者は、なるべく、空気が良いところで、少しずつ畑仕事や、歌や、朗読、書道などカリキュラムが進められた。
勿論、事件が起きないよう、最重要人物には、刃物や縄などを持たせなかった。
月に1回送られてくる配給は、酒や食料、果物、干したものや、古びた本 などだった。 中には、外にいる知人からの手紙もあった。
それを待ちわびた老女は大事そうに手紙の束を抱えて家へ帰ろうとした。
あの時の老女だ。 俺は思わず、手を伸ばして制止した。
「・・なあ・・あんた。ここはどういうどころだい。何か知っているのかい?」
「まあ‥貴方。あの時の方ね・・そうね。ここは、とても不思議でしょう。 普通、敗残者や、生活力に乏しい者達は処分されるはずだものね。戦後だと余計邪魔者として扱われるはずだもの。
わたし達は運が良かったのよ。どうもさる偉い方の子どもが、戦時中、運悪く、廃人同様になって精神病院にいたみたい。 その子を溺愛していた母親がねお願いしたらしいの。
なるべく良いところで暮らさせたいとね・・その母親は莫大なお金はもっていたの。でも権力はない・・。どうも母親の遺伝子が特殊な遺伝子だったらしくでね、ここに集められたのは、その子の恩恵もあるけど、他にもあるわ。
ほら、あの子・・ソンは端正でしょう。 あの子の遺伝子は、古い遺伝子でね。希少らしいわ。
ほら・・絶滅危惧種・・らしいわ。まあ良くある話だけどね。 どうも古い遺伝子や、優良な遺伝子など集めているみたいよ。新しい種を生み出そうとしているのかしら・・。
ふふふ・・。わたしも実は古い貴族の血を引いていたのよ。 知らないでしょうね。アルバ国だったの。わたしはその国の結構良いお嬢様だったの。 でも戦で全て無くなったわ。 わたしの家も、わたしの領土もなくなってしまった。戦の原因はどうせまた下らないことでしょうね。 思い出したくもない事もあったけど・・。
あなたも、なにか特別な遺伝子だったんじゃないかしら。だって珍しい瞳ヨ。それは。オッドアイだなんで・・。
右目が青で、左目が緑とはね。 それに髪も変わった色をしているわ。緑を帯びた黒髪・・まあ白髪も生えているけど・・。多分希少遺伝子や、絶滅遺伝子を戯れに救ったのよ。お偉方が・・。 繁殖も目論んでいるようね。」
「わたしたちは運だけで生きているのよ・・。知人がわたしの事を忘れないでくれるのがせめての救いだわ・・。」
そういって品の良い老婆は、会釈して、踵を返した。
俺は老婆の暴露に軽くショックを受けて、唯、ぼんやりと後姿を見ていた・・。
ここは隔離村・・別名 白の家というらしい。
やっと俺はこの村の名を知ったのだ。
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