或る主婦のおかしなおかしな憂鬱

栗菓子

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第2章 宗教施設

第12話 奇神シズナ

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途方もない実験の結果、シズナは運を良くする力の増幅もあって、製薬は大成功を収めた。
医者も研究者も膨大な実験を後の人類の発展にできると大喜びしていた。

シズナはそれを聞いて・・邪神の力なのに・・と少し不安になった。
ともあれ、彼ら家族は雲上人、王族や貴族より莫大な富と権力をもつようになった。

ゴルデアとダリアは喜んだ。
彼らは、更なる頂点を目指し始めた。他の王国や、世界の光と闇を支配する勢力と戦い始めた。

彼らはそうまでして支配の力が欲しいのだろうか?

ダリアにそう問いかけると、欲しい。そうすれば私の目の届くところで目障りなハエや蟲どもが蠢かない。
ダリアは、裏と闇に浸かっているせいか、潔癖症なところがある。

人の心は不思議だ。

ゴルデアはとにかく力が欲しいのだ。大切な仲間を得た。その中には気になる弟のような男も居る。
そいつは、少年の頃、戦闘奴隷として売られたが、可愛い顔をしていたから性の奴隷も務めた。
精神的な衝撃で、しばらく心がなかった。やっと。良き傭兵団に入れて数年後、心を開きはじめた。

性的な奉仕はしたくないと彼は泣きながら懇願したそうだ。

男でもそういう蹂躙はされる。ましてや弱い少年は・・。

シズナは厭な思いを味わった。ゴルデアは、弟を得て、兄として良き居場所を創りたいと思ったようだ。

少し寂しいが、シズナは所詮、疑似の母に過ぎない。ゴルデアとダリアはそれぞれの道を歩むのを見届けるしかない。
シズナの人生はとうに終わっているのだ。 邪神によって生きながらえているに過ぎない。


母としては見守ることしかできない。
シズナはいつのまにか世界の頂点に立つ者達から注目されていた。
様々な不可解な力を持つ『奇神 シズナ』 『花の母神』とも幾つもの異名を持っていた。

シズナは少し嫌悪したが、受けいれた。 流れのままに、シズナは唯、生き続けた。

ダリアとゴルデアは、シズナの寵愛深き臣下とみなされていた。

しかし少し違う。シズナが勝手にダリアとゴルデアを数奇な運命に巻き込んだだけだ。その礼に、シズナは家族のように、お互いに相談したり、仕事について助言や援助をしているだけだ。

知らぬ間に、シズナの名は実力者に知れ渡っていた。 狂信者も多くなれば、敵も多くなり、その力の恩恵に依存しようと、もしくは利用しようと邪心を抱えた一筋縄ではいかない狂った深い人生を歩む人たちが蟻のように群がっていく。

シズナは鬱陶しくて蹴散らしたりした。 勿論護衛も居るが、シズナには不思議と害意を加えようとしても
結界のように弾かれるだけだった。それどころが、倍に被害を受けた敵は数知れなかった。


シズナの人生は、まだまだ波乱万丈であった。

シズナにある一つの確信があった。シズナの血や肉。力を使った薬を飲んだ人たちは知らないうちにシズナの言う通り動く兵士のようになるんじゃないか・・?シズナが命ずれば、たちまちその通りに動くのでは・・と思い、試してみた。相手は、シズナの最も嫌う下劣な男だった。子どもや弱者を屠り、徹底的に蹂躙してもなんとも思わない
それどころがゴミが死んだと大喜びする大層醜悪すぎる心を持った輩だった。

命を救ったシズナに感謝するどころが、歪んた醜い顔で、何様だと醜い顔でシズナの表向き恵まれた境遇を妬み、逆恨みして、支離滅裂な暴言を吐いた。
シズナを女として最大の侮辱を吐いた。…器と、唾をはいてこれ以上ない気持ちが悪い顔をして、シズナをその通りにしようと壊しにかかった。
シズナはもう許せなくて、咄嗟に「自分で自分を最も醜悪な者と吐き、ナイフで切り刻め!」と激昂して叫んだ。

ぴたりと醜悪な男は止まった。シズナはどきりとその様子を見た。 やにわにその醜悪な男は平伏し、お許し下さい。最も俺は醜悪なる者です。と叫びながら、自分を切り刻んだ。
シズナは呆然と、醜い男が、自分で自分を肉達磨にしていく様を醜悪なグロデスクな光景を眺めていた。

男はへらへらと笑いながら、泣きながら、息絶えた。
深層心理ではシズナに憎悪を抱いているだろう。強制的に支配されてやっているのだから。


シズナは複雑な気持ちでその末路を見届けた。

この力は危険だ・・。自分で封印しよう・・。これが解ったら、薬を飲んだ人たちは、怒りとともに、シズナを殺害にかかろうとするだろう。誰だって支配されたくないからだ。

シズナはこの事は秘密にした。


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