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第5章 修羅の時代
第4話 男爵の紋様
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ハリル男爵の紋様は不思議な紋様だとネリは疑問に思っていた。
白い簡素な剣に巻き付く紫の花弁が鳥のとさかのように細長く意匠を飾っている。背後の色は蒼だ。青の中の青。原色だ。
これは、我が始祖が男爵という爵位を賜った時、王に、この紋様を依頼したという。
これはハリル男爵の証でもある。と彼は述べたという。
始祖は、とるに足らない兵士だったという。300年前、大きな戦が起こり、兵士は戦闘力も高く、魅力も溢れていたという。たちまち兵士は、敵の勢力を白い剣で打ち滅ぼし、味方に大きな貢献をしたという。
ほとんどの敵は助からなかったという無敗の将と謳われた。
王もこの功績を称え、この領土と、男爵の地位を賜った。
それ以来世襲制で、ハリル男爵はこの領土を治めている。
途中、断絶の危険もあったが、汚名返上のため必死で戦で名誉挽回した祖先も居たという。
そのように波乱万丈の歴史を持っているハリル男爵家だったが、何故か現在でも存続している。
ネリはそれが不思議でたまらなかった。ハリルのように功績を上げた将は数多といる。しかしその家が存続したのは極僅かだ。ハリル男爵家には何か特別な運があるのだろうか?
ふと、ヒヨルにあの紋様は何かしら?と尋ねた時がある。
「ああ・・あれは、あの花は・・。」
冷淡な目がかすかにはっと気づいたように口を濁した。
「嗚呼なるほどそういうことか・・。潔白を現す白い剣に巻き付くのは・・。」
「勝利のためには、どんな手も厭わないってことか・・。」
ぶつぶつとヒヨルは呟いた。ネリは少し不機嫌になった。ヒヨルばかり納得してネリにはさっぱりだったからずるいと思ったのだ。
妻の不機嫌の理由を悟り、ヒヨルはにやにやと笑った。
「そんなに怒るない。あれはなあ。とんでもない花だぞ。猛毒で人を一滴で殺す花だ。」
「ええ・・そんな。じゃあなぜ剣に巻き付いているの?」
「馬鹿だなあ・・。剣そのものに毒が塗られているんだよ。ほんの少しでもかすっただけで致命傷になるようにしたんだ。勝つためなら何でもやったんだろう。すげえな。しかし毒か・・毒を扱う従者もいたんじゃねえか?
背後の色は分からねえな。 青は冷静 静寂を現すというが・・原色は意味はまだ分からねえ。なあ。ネリ。あの花の名前は・・鳥兜 トリカブトっていうんだよ。花言葉の意味は騎士道、人嫌い、厭世、栄光だ。」
ネリは目を丸くした。そんな由来のある花だったとは・・。
これは、300年前も相当何か騒動とか悍ましい事件でもあったのだろう・・。
ネリはそう思い、人間は変わらないか・・。思わず天を仰いだ。
ふとネリはある埒もない空想をした。もしヒヨルが成り上がったら爵位をもらえるかもしれない。
その時、ヒヨルはどんな紋様にするのか?ヒヨルには騎士道は似合わない。 もっと原始的な泥臭い証だ。
ヒヨルは血なまぐさいが、太陽で目を細めて、精気を養っているときは、どこか太陽が似合っていた。
鮮血に塗れた太陽だわ・・思わずネリは未来を見たかのように土褐色に人の血で塗られた太陽を幻視した。
気の迷いとネリは首を振った。
あたしったらあんな鮮明な幻覚をみるなんでどうしたというのか・・ネリは思わず微笑んだ。
ヒヨルはネリの変な笑みをいぶしかんたが、ネリは慌てて誤魔化した。
白い簡素な剣に巻き付く紫の花弁が鳥のとさかのように細長く意匠を飾っている。背後の色は蒼だ。青の中の青。原色だ。
これは、我が始祖が男爵という爵位を賜った時、王に、この紋様を依頼したという。
これはハリル男爵の証でもある。と彼は述べたという。
始祖は、とるに足らない兵士だったという。300年前、大きな戦が起こり、兵士は戦闘力も高く、魅力も溢れていたという。たちまち兵士は、敵の勢力を白い剣で打ち滅ぼし、味方に大きな貢献をしたという。
ほとんどの敵は助からなかったという無敗の将と謳われた。
王もこの功績を称え、この領土と、男爵の地位を賜った。
それ以来世襲制で、ハリル男爵はこの領土を治めている。
途中、断絶の危険もあったが、汚名返上のため必死で戦で名誉挽回した祖先も居たという。
そのように波乱万丈の歴史を持っているハリル男爵家だったが、何故か現在でも存続している。
ネリはそれが不思議でたまらなかった。ハリルのように功績を上げた将は数多といる。しかしその家が存続したのは極僅かだ。ハリル男爵家には何か特別な運があるのだろうか?
ふと、ヒヨルにあの紋様は何かしら?と尋ねた時がある。
「ああ・・あれは、あの花は・・。」
冷淡な目がかすかにはっと気づいたように口を濁した。
「嗚呼なるほどそういうことか・・。潔白を現す白い剣に巻き付くのは・・。」
「勝利のためには、どんな手も厭わないってことか・・。」
ぶつぶつとヒヨルは呟いた。ネリは少し不機嫌になった。ヒヨルばかり納得してネリにはさっぱりだったからずるいと思ったのだ。
妻の不機嫌の理由を悟り、ヒヨルはにやにやと笑った。
「そんなに怒るない。あれはなあ。とんでもない花だぞ。猛毒で人を一滴で殺す花だ。」
「ええ・・そんな。じゃあなぜ剣に巻き付いているの?」
「馬鹿だなあ・・。剣そのものに毒が塗られているんだよ。ほんの少しでもかすっただけで致命傷になるようにしたんだ。勝つためなら何でもやったんだろう。すげえな。しかし毒か・・毒を扱う従者もいたんじゃねえか?
背後の色は分からねえな。 青は冷静 静寂を現すというが・・原色は意味はまだ分からねえ。なあ。ネリ。あの花の名前は・・鳥兜 トリカブトっていうんだよ。花言葉の意味は騎士道、人嫌い、厭世、栄光だ。」
ネリは目を丸くした。そんな由来のある花だったとは・・。
これは、300年前も相当何か騒動とか悍ましい事件でもあったのだろう・・。
ネリはそう思い、人間は変わらないか・・。思わず天を仰いだ。
ふとネリはある埒もない空想をした。もしヒヨルが成り上がったら爵位をもらえるかもしれない。
その時、ヒヨルはどんな紋様にするのか?ヒヨルには騎士道は似合わない。 もっと原始的な泥臭い証だ。
ヒヨルは血なまぐさいが、太陽で目を細めて、精気を養っているときは、どこか太陽が似合っていた。
鮮血に塗れた太陽だわ・・思わずネリは未来を見たかのように土褐色に人の血で塗られた太陽を幻視した。
気の迷いとネリは首を振った。
あたしったらあんな鮮明な幻覚をみるなんでどうしたというのか・・ネリは思わず微笑んだ。
ヒヨルはネリの変な笑みをいぶしかんたが、ネリは慌てて誤魔化した。
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