ゴミの金継ぎ師

栗菓子

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第7話 アクタの美しいモノ探し

アクタは今まで職人気質で、これは使えそうだと思えば、なんでも拾い集めては、どうやって再利用して美しくするかそればかり考えていた。

でも可哀相な仲間のお姫様のために、アクタは改めて美しいと思えるものを見よう探そうと決心した。

よく考えれば、夕日も朝日も生きるために大切だと思ったが、眩しくて綺麗だよな。

アクタはそこら辺に咲く野草や花を見るようになった。

朝露を蓄えている木の葉。それは太陽に反射して一瞬の煌めきを見せる。

鳥もチュンチュンと木の実を食べようとしている。

平穏で美しい光景。


冴えない花だなと思っていたが、よくよく見れば、淡い紫と藍と桃色の不可思議な花びらをしている花もあった。
自然の為せる業には叶わないと思えるほど、珍しく、美しい組み合わせであった。


昆虫も何故か光る緑や青ともつかぬ色合いがついた虫があった。

これはどうしてこんな珍しく綺麗な色をした虫がいるんだろうと思った。


アクタは呟いた。

「お姫様。自然って凄いですね。こんな色合いをしている花や虫や生き物がいっぱい居るんですよ。今まで何も見ていなかったかもなあ。俺たちはこんなに綺麗なものがたくさん溢れているとは思いませんでしたよ。
生きるために精一杯で見逃していたのはたくさんあったかもしれねえ。勿体ねえな。」

『ええ。アクタ様のおっしゃる通りですね。アクタ様のお陰で色々世界や自然のことがわかるようになりました。
こんなに綺麗だったのですね・・。わたくしは生きているとき、何も見えていませんでした‥。』

お姫様の亡霊はアクタとおかっぱの幼女神にしか見えない。

アクタの言葉は独り言にしか見えないだろう。

しかしアクタはおかしな奴と言われてもかまわなかった。

アクタは始めはお姫様のために美しいものや綺麗なものを探そうとしたが、今ではアクタも虜になっている。

世界ってよく見るとこんなに美しかったんだなあとアクタは目を細めた。

自然には負けたくない。人間もこんなに美しい色合いをしたお茶碗や壺や何かを創りたい。

アクタの密かな野望が目覚めた。

アクタは美しい光景や、金色の稲穂や、田んぼの整列した美しい光景を創り出した百姓たちを凄いと思った。


人工的だが美しい光景だ。

「お姫様・・たくさん綺麗なものを見るんだよ。不運な死にも負けずにたくさん見るんだ。これは神様の計らいかも知れないよ」

『あたしのことかい。それとも土地神チンメイ様?』

幼女神は首を傾げてアクタに問いかけた。

「いや・・もっと大きな流れにある神様かもよ。だって俺はあんたたちに出会うとは思わなかったもん。こんな運命は予想だにしていなかったよ。」

「不思議だな。失うものもあったが、なぜだが嬉しくてさ。楽しいんだ。仲間も居て、綺麗なものもたくさん見れる。こんな贅沢な旅はないよな。」

アクタは嬉しそうに子どものように笑った。

そんなアクタの様子にお姫様のどこか凍てついた心が溶けていくようであった。

嗚呼・・やはりわたくしはこんなにつらかったのか。あの方に裏切られて・・。今頃になって気づくとは・・なんて
愚かなわたくしであった事か・・。しかし今は不思議なことに生きている時より世界が美しく見える。
これはやはり、アクタ様と神様のお陰かもしれぬ。

お姫様はそう思い、神様とアクタ様の旅のお供をしようと思った。

ずっと一緒にいたい。お姫様はずっと仲間と綺麗なものを見たいと願った。


おかっぱの幼女神は労わるようにお姫様を見ていた。



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