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第17話 アクタと盗賊団の子ども
アクタはまた思わぬ命を引き受けてしまったと思った。
でも、嗚呼、目の前で父親らしき男が殺されるのを見てしまった。
泣き叫びながら縋り付く子どもの首を絞める残虐な盗賊団・・。震えと恐怖が収まると、アクタはまた情けなくて惨めで悔しかった。
動けなかった。金縛りのように唯、見ていることしかできなかった。
俺はこんなに情けない男だったのか・・。
せめて子供だけは助かってくれとアクタは必死で祈った。ありとあらゆる介抱はした。神様にお願いするしかない。
神様どうかこの子を助けてくれ。
『アクタよ。あたしの力でも難しいわ。ほとんど生命が尽きかけている。この子の生命力にかけるしかないわね』
『それにしても盗賊団の裏切り者の処刑を目の前で見てしまうとはね。あたしも驚いたのお。』
『ええ・・びっくりしました。とても残虐な人達ですね。恐ろしい人達です‥。』
ぽつりとアクタは呟いた。裏切り者ってなんだろ。実の息子を殺したって・・なんかもっと怖い話を聞いたな。
犬と猫が心配そうに、キューンとか小さく鳴いた。
嗚呼、大丈夫だよ。お前たちは守るからね。 まだ新しい命を拾ってしまったよ。
この度はどうなるんだろうね。予測がつかない未来がいっぱいだ。
アクタは唯、目の前のやることをするしかなかった。
数日後、
こどもは少し良くなったが、アクタをちらりと見て、「あんた・・これを。」アクタに何か品物を渡した。
ボロボロの御守りだ。なんだろう?
「くれるのかい?」
「でもお前のものだろう。」
「いいんだ。あんたが持っていた方が良い気がする。俺はもう駄目だ・・。」
はっとアクタは気づいた。人は死の間際に元気になることがあるという。
これはその兆候か? アクタの直感は当たった。
深夜、子どもは「・・ありがとう・・。」と言って亡くなった。
安らかな死に顔だった。 最後にありがとうと言うなんて・・盗賊団の息子らしくない良い子じゃないか・・。
ほんのわずかなひと時だったが、この子も親も本当は盗賊団なんで嫌だったんじゃないないだろうか?
アクタはほんのわずかな情報でなんとなくわかった。
お守りは違和感を感じた、なにか重い。なんだろう?子どもに詫びながらアクタはお守りを開いた。
それはなにかを開ける鍵だった。
なんだ。これは?何を開ける鍵?とても古く精巧な鍵だった。
もしかしてとても大事なものを入れている箱を開ける鍵じゃ・・。盗賊団だし、宝物や貴重品を貯めていても不思議はない。
アクタはなんだかとんでもないものをもらった気がして憂鬱になった。
嗚呼。いけねえ。この子を埋めないと。親らしき男も一緒に埋めてやろう。
幸いにも土を掘る道具は農家からもらった。
アクタは汗を流しながら、子どもと親らしき男だけ穴を掘って埋めた。
そして、野草や花を摘んで鎮魂を祈った。
余りにも呆気なく子どもは死んだ。どうして?人生は不条理だ。
アクタはこの親子の死に関わった人として、運命を感じずにはいられなかった。
早くここを去ろう。なんだか嫌な予感がする。盗賊がまた来るかもしれない。
アクタは敏感になって第六感が開いていた。
アクタはさよならといって荷台を急いで押して、見えないようにこっそりと動かした。
なるべくここから離れなきゃ。
アクタはまた盗賊が来ないかと怯えながら歩き続けた。
ごめんなとアクタは子どもに詫びながら逃げていった。
でも、嗚呼、目の前で父親らしき男が殺されるのを見てしまった。
泣き叫びながら縋り付く子どもの首を絞める残虐な盗賊団・・。震えと恐怖が収まると、アクタはまた情けなくて惨めで悔しかった。
動けなかった。金縛りのように唯、見ていることしかできなかった。
俺はこんなに情けない男だったのか・・。
せめて子供だけは助かってくれとアクタは必死で祈った。ありとあらゆる介抱はした。神様にお願いするしかない。
神様どうかこの子を助けてくれ。
『アクタよ。あたしの力でも難しいわ。ほとんど生命が尽きかけている。この子の生命力にかけるしかないわね』
『それにしても盗賊団の裏切り者の処刑を目の前で見てしまうとはね。あたしも驚いたのお。』
『ええ・・びっくりしました。とても残虐な人達ですね。恐ろしい人達です‥。』
ぽつりとアクタは呟いた。裏切り者ってなんだろ。実の息子を殺したって・・なんかもっと怖い話を聞いたな。
犬と猫が心配そうに、キューンとか小さく鳴いた。
嗚呼、大丈夫だよ。お前たちは守るからね。 まだ新しい命を拾ってしまったよ。
この度はどうなるんだろうね。予測がつかない未来がいっぱいだ。
アクタは唯、目の前のやることをするしかなかった。
数日後、
こどもは少し良くなったが、アクタをちらりと見て、「あんた・・これを。」アクタに何か品物を渡した。
ボロボロの御守りだ。なんだろう?
「くれるのかい?」
「でもお前のものだろう。」
「いいんだ。あんたが持っていた方が良い気がする。俺はもう駄目だ・・。」
はっとアクタは気づいた。人は死の間際に元気になることがあるという。
これはその兆候か? アクタの直感は当たった。
深夜、子どもは「・・ありがとう・・。」と言って亡くなった。
安らかな死に顔だった。 最後にありがとうと言うなんて・・盗賊団の息子らしくない良い子じゃないか・・。
ほんのわずかなひと時だったが、この子も親も本当は盗賊団なんで嫌だったんじゃないないだろうか?
アクタはほんのわずかな情報でなんとなくわかった。
お守りは違和感を感じた、なにか重い。なんだろう?子どもに詫びながらアクタはお守りを開いた。
それはなにかを開ける鍵だった。
なんだ。これは?何を開ける鍵?とても古く精巧な鍵だった。
もしかしてとても大事なものを入れている箱を開ける鍵じゃ・・。盗賊団だし、宝物や貴重品を貯めていても不思議はない。
アクタはなんだかとんでもないものをもらった気がして憂鬱になった。
嗚呼。いけねえ。この子を埋めないと。親らしき男も一緒に埋めてやろう。
幸いにも土を掘る道具は農家からもらった。
アクタは汗を流しながら、子どもと親らしき男だけ穴を掘って埋めた。
そして、野草や花を摘んで鎮魂を祈った。
余りにも呆気なく子どもは死んだ。どうして?人生は不条理だ。
アクタはこの親子の死に関わった人として、運命を感じずにはいられなかった。
早くここを去ろう。なんだか嫌な予感がする。盗賊がまた来るかもしれない。
アクタは敏感になって第六感が開いていた。
アクタはさよならといって荷台を急いで押して、見えないようにこっそりと動かした。
なるべくここから離れなきゃ。
アクタはまた盗賊が来ないかと怯えながら歩き続けた。
ごめんなとアクタは子どもに詫びながら逃げていった。
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