ゴミの金継ぎ師

栗菓子

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第25話 アクタの記念料理

アクタは、敵を一人倒した記念に、途中 商店や、果物や野菜を売っている露店などを回って、質のいい安い野菜や肉、果物、海水でつくった塩など調味料を色々買った。

たくさんの紙袋を抱えてアクタは大切な仲間の元へ戻った。

おかっぱの幼女神が、はっとアクタの気配を探った。

『・アクタ・・。やったんじゃな。人の死の匂いがする・・。犯人だったのか?』

神様は何でもお見通しだなとアクタは思いながら、正直に告げた。

「ああ・・子どもを殺した盗賊の一人だ。あの顔は忘れられないよ。」

やった方は忘れてもやられた方は忘れられない。世の中そんなものだ。

『アクタは・・虫も殺せないような気の弱い善人だあったのにな。やはり許せない敵がいたら人間はこうも変わるんじゃのお。』

神様は少し寂し気に呟いた。 あれ?なんか神様が悲しがっているような?
ごめんね。神様。でももうどうしても無理だったんだ。

アクタは、いつもより張り切って料理を作った。
猫と犬とのために肉と食べられる野菜を小さく切って茹でた。すこし美味しくなるよう動物にも効く調味料を入れた。

いつもより多めの贅沢なご飯に犬と猫は目を輝かせて、がつがつと食べた。

そしてアクタは神様とお姫様のために陰膳という死者や目に見えない人のために食事を作った。

柔らかなご飯。野菜と肉を茹でたもの。美味しい果実。 

アクタはお二人が食べられるように祈った。アクタは既に神様の強力な加護を頂いている。

ずっと二人に美味しいものを食べさせたかった。 だから食べられるように祈った。


すると、お姫様とおかっぱの幼女神がおそるおそると料理に手を触れた。透けない。触れられる!

『アクタ様・・料理に触れられることができます。凄いです。今までこんなことは無かったのに‥。』

お姫様は感嘆してアクタを信じられないように見た。

『あたしも触れられる。こんなの初めて。』

二人は初めはそっと食べた。そして美味しい。このような美味しい食事は久しぶりです。(じゃ。)と呟きながら

顔をほころばせながら、ゆっくり食べた。


アクタはそれを見て自慢げにえばった。子どもに戻ったみたいだ。

食事が終わった後、片付けていたら、ぼつりと犬と猫に名を付けよとおかっぱの幼女神は言った。

『いつまでも名無しはかわいそうじゃからの。情が移るといけないから、付けなかった。でもアクタよ。お前は責任をとって育てた。お前が名付け親になるんじゃよ。』

アクタは、不意に思った。そういえば俺は神様とお姫様の名前を聞いていない。

どうしてだ?と尋ねると、神様は首を振ってあたしらは本来現世にあまり関わってはいけないあの世の者じゃ。

名前はどうに忘れたよ。

お姫様も悲し気に微笑んで、頷いた。
『わたくしも死んでから名前を忘れました・・。不思議なことですね。もう不要な名前になったからかも・・。』


アクタは、へえ死んだら忘れてしまうんだ。そんなこともあるのかと不思議がった。

犬は藍色の瞳をしていたから藍にした。

猫は天空の瞳をしていたからソラにした。


なんだか単純だがとても綺麗な名前にしたかった。

お姫様もにこにこと、綺麗な良い名前ですね。良かったですね。

犬と猫を透ける手でそっと撫でる真似をした。藍とソラはお姫様と神様が視える。少し言葉もわかるみたいだ。

慣れたように、ソラは嬉し気にゴロゴロと喉を鳴らした。

藍もワンと一声言った。

藍とソラは既に神様とお姫様を仲間と認めている。それどころが保護者のようにも思っている。


アクタは仲が良いことは良い事だと微笑んだ。

アクタも最後に自分の食事をした。とても美味しかった。

こんなに美味しい食事は初めてだ。嗚呼・・憎い奴を殺したからだな。アクタは自分の変化を認めた。

アクタは敵には容赦ない性格だったのだ。それを自覚した。



この料理は、アクタが初めて敵を殺した記念料理だった。
アクタはその旨い味を忘れなかった。


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