世事放談:熱中症の犯人は果たして猛暑だけか ~又は現代知識チートの無能

上梓あき

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世事放談:熱中症の犯人は果たして猛暑だけか ~又は現代知識チートの無能

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現代社会は極めて正義感に溢れた社会のようです。
些細な瑕疵であっても見逃せず、存在自体が許せない、消えてなくなれと正義感に燃える人間が多いとか。

……今分かった! お前はこの世界に存在してはいけないんだ!!

とかそんなの。

事象であれ何であれ、何かを悪と断定し、群集して攻撃排除する。
品質偽装した製鋼メーカーなど倒産して経営幹部は路頭に迷えばいいと無邪気にSNSに書き散らしたりとか。

そういう正義感が求める攻撃対象は個人や法人だけにとどまらず、
CO2(いわゆる炭酸ガス)なども存在自体が悪であるという風潮になっております。

……と、ここまで書いてきて私事で恐縮ですが、今年の七月に熱中症になって死ぬかと思いました。
出張中、宿泊先に戻ってきて、さあ、これから「異世界勇者の信長いじり」の続きを書こうかとPCに向かうと軽いめまいが。
それで、一晩寝れば治るだろうと思って横になって寝たのですが、翌朝目が覚めるとめまいがよりひどくなっていて立てませんでした。
まぁ、仕方がないので昼まで寝てたら治りましたけど。

で、そうなった原因はなんだったのかというと、熱中症で汗を掻きすぎたことによる塩分の欠乏です。
思い返してみると、経費節減のために安いのり弁ばっかり食べていたのですが、どうにもこれが悪かった。
どういうことかというと、店で売っている弁当類も含めて大抵の食品は減塩を売り物にしています。

減塩は健康に良い=塩分は悪

こんな感じで店頭に並ぶ食品や外食も塩分控えめが多いですよね。
そうった食事で塩分は敵、減塩メニューは健康に良いとばかりに塩分控えめにしていて真夏に大汗を掻き、塩分が体内から流失して熱中症になる。
……なんというか、マッチポンプ?

健康のために減塩メニューにして、さらには熱中症予防のために塩飴や塩の錠剤を飲む。
人間という生き物はいったい何がしたいのでしょうか?
どうにも、世を挙げて何かを悪者と決めつけてそれを排除しようとした挙句、視野狭窄に陥り自爆しているようにしか見えないのですが。

そんな中でこの夏に面白かったのは品川区の大森です。
大森は戦前からの労働者の街ですが、そこの外食店は塩辛かった。
割に名の知れた立ち食いそば屋のチェーンもありましたが、大森の店舗は夏場の間、塩分多めにしているようです。
汗を掻く肉体労働従事者が主な客先となればそれも当然でしょう。

鉄工所などで働く労働者は溶鉱炉の前に座って大汗を掻きつつ、塩を舐めながら仕事をしています。
さて、皆さん、この労働者の人はこうやって塩を舐めている時にどういう味を感じていると思いますか?

塩辛い?
それともしょっぱい?

いいえ、違います。
甘いと感じるんです。

砂糖ほどではありませんが、甘みしか感じないそうです。
しょっぱいという味覚を感じることはありません。
多分、wikiを読んでもこういう体験談は出てこないでしょう。
筆者もそういう業界関係者から聞くまで知りませんでしたから一般人には知らない人の方が圧倒的に多いと思います。
なので今度の内政パートでは鍛冶師を塩ソムリエとして登場させようかなと思っていますが、これはまぁ、余談ということで。


塩分は人体の恒常性維持に必須のミネラルです。
胃液=胃酸の正体は塩酸ですが、これはどこからきていると思いますか?
糖質やタンパク質を使い、原子変換による体内合成というわけではありません。
塩=塩化ナトリウムを塩素とナトリウムに分離してそれを原料にしているそうです。
なので過度の減塩は胃液の濃度低下による消化能力の減退を招き、栄養失調につながるかもしれません。
ナトリウムにしても何にしても同様ですが。


とりあえずの結論としては、

消費社会が塩分を人類の敵として食品から排斥せずにいたならば、熱中症の死者のいくばくは死なずに済んだのではないかということです。



以下、蛇足。
テレビであおり運転のニュースをやっていましたが、ドライバーが自分の正義感に駆られて視野狭窄となり、逆上して他のドライバーを執拗に追い回して正義の鉄槌を下そうとしているようにしかみえません。

地獄への道は正義で舗装されている
とか
義侠心(正義感)はならず者の最後の拠り所である
といった感じでしょうか?

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