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第三十三話
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深夜。
浅い眠りについていた晴斗は、ふと目を覚ました。枕元の時計を確認したら、午前一時になるところだった。
ベッドで寝返りを打ち、部屋の真ん中に目を向ける。同じベッドで寝ると重量オーバーになりそうだったから、九尾には床に敷いた布団で寝てもらっていたのだが……。
「……九尾?」
一緒に寝ていたはずの九尾がいなくなっていた。夏用の掛け布団が少し乱れたまま、もぬけの殻になっている。ベランダに続く窓が開けっぱなしになっていて、カーテンがゆらゆら揺れていた。
――もしかして……。
一瞬、出て行っちゃったのかと思いかけたが、あることに思い至り、晴斗は急いで着替えて自宅を出た。そして自転車を飛ばし、晴明神社に向かった。
深夜の晴明神社は静かだった。昼間もさほどの喧騒は感じないが、夜は更に静けさが増している。安倍晴明を奉っているせいか、神秘的で荘厳な雰囲気さえ感じた。
その本殿前に、九尾は無言で佇んでいた。キツネの耳と尻尾を露出したまま、ただ静かにそこに立っている。
「……九尾?」
「っ!?」
なるべくそっと声をかけたのだが、九尾は驚いて肩をびくりと震わせた。
「は、晴斗……!? 何故ここに……」
「いや、もしかしたらここかなと思ってさ。急にいなくなるから心配したぞ?」
「……すまない。もう少ししたら戻るつもりだったんだ」
「まあ、いいけどな。……というか俺、邪魔なら先に帰ってようか?」
「いや、私ももう帰るから……」
帰り際、九尾はもう一度振り返って本殿を見つめた。その目には陰陽道のシンボルである五芒星が映っていた。
浅い眠りについていた晴斗は、ふと目を覚ました。枕元の時計を確認したら、午前一時になるところだった。
ベッドで寝返りを打ち、部屋の真ん中に目を向ける。同じベッドで寝ると重量オーバーになりそうだったから、九尾には床に敷いた布団で寝てもらっていたのだが……。
「……九尾?」
一緒に寝ていたはずの九尾がいなくなっていた。夏用の掛け布団が少し乱れたまま、もぬけの殻になっている。ベランダに続く窓が開けっぱなしになっていて、カーテンがゆらゆら揺れていた。
――もしかして……。
一瞬、出て行っちゃったのかと思いかけたが、あることに思い至り、晴斗は急いで着替えて自宅を出た。そして自転車を飛ばし、晴明神社に向かった。
深夜の晴明神社は静かだった。昼間もさほどの喧騒は感じないが、夜は更に静けさが増している。安倍晴明を奉っているせいか、神秘的で荘厳な雰囲気さえ感じた。
その本殿前に、九尾は無言で佇んでいた。キツネの耳と尻尾を露出したまま、ただ静かにそこに立っている。
「……九尾?」
「っ!?」
なるべくそっと声をかけたのだが、九尾は驚いて肩をびくりと震わせた。
「は、晴斗……!? 何故ここに……」
「いや、もしかしたらここかなと思ってさ。急にいなくなるから心配したぞ?」
「……すまない。もう少ししたら戻るつもりだったんだ」
「まあ、いいけどな。……というか俺、邪魔なら先に帰ってようか?」
「いや、私ももう帰るから……」
帰り際、九尾はもう一度振り返って本殿を見つめた。その目には陰陽道のシンボルである五芒星が映っていた。
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