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第五十八話
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「それより、いなり寿司食わないか? 結構値が張ったから美味いと思うぞ」
「あ、ああ……」
九尾はのろのろと腰を上げ、こちらにやってきて皿に盛られたいなり寿司を見つめた。だが食べようと伸ばされた手は、いなり寿司を掴む前に止まってしまう。
「……どうしたんだよ? 遠慮せずに食えば?」
「晴斗……」
「ん?」
「私は……あなたの迷惑になっているんだろうか」
「はっ……?」
唐突にそんなことを言われ、晴斗は思わずむせ返った。九尾は更に言った。
「迷惑なら『迷惑』とハッキリ言ってくれ。あなたにだってあなたの生活がある。ずっと私の面倒を見ているわけにはいかないだろう」
「いや、それはさ……」
「私はこれでもキツネだから、その気になればどこでも生活できる。ここを追い出されても、野垂れ死ぬことはない。だから本当に迷惑なら、私は今すぐにでもここを出て……」
「ちょっと待てよ」
九尾の言葉が終わらないうちに、晴斗は片手を上げて遮った。
「お前、いきなり何を言ってるんだ? いつ俺が九尾のこと『迷惑だ』なんて言ったよ?」
「言ってないけど、でも……」
「もしかして、あのタヌキにそういうこと言われたのか? 人間に関わっちゃいけないとか、なんとか」
「…………」
九尾は無言のままだったが、困ったように目を逸らしたところからして図星であることが丸わかりだった。
――あンのタヌキ……! 余計なこと吹き込みやがってぇ……!
九尾は素直だから、「人間と関わるな」なんて言ったら真剣に悩んじゃうだろうが!
今度アイツに会ったら容赦なくぶん投げてやろう……と決めつつ、晴斗は九尾の近くに寄っていった。そして正面から肩を掴んで、告げた。
「あ、ああ……」
九尾はのろのろと腰を上げ、こちらにやってきて皿に盛られたいなり寿司を見つめた。だが食べようと伸ばされた手は、いなり寿司を掴む前に止まってしまう。
「……どうしたんだよ? 遠慮せずに食えば?」
「晴斗……」
「ん?」
「私は……あなたの迷惑になっているんだろうか」
「はっ……?」
唐突にそんなことを言われ、晴斗は思わずむせ返った。九尾は更に言った。
「迷惑なら『迷惑』とハッキリ言ってくれ。あなたにだってあなたの生活がある。ずっと私の面倒を見ているわけにはいかないだろう」
「いや、それはさ……」
「私はこれでもキツネだから、その気になればどこでも生活できる。ここを追い出されても、野垂れ死ぬことはない。だから本当に迷惑なら、私は今すぐにでもここを出て……」
「ちょっと待てよ」
九尾の言葉が終わらないうちに、晴斗は片手を上げて遮った。
「お前、いきなり何を言ってるんだ? いつ俺が九尾のこと『迷惑だ』なんて言ったよ?」
「言ってないけど、でも……」
「もしかして、あのタヌキにそういうこと言われたのか? 人間に関わっちゃいけないとか、なんとか」
「…………」
九尾は無言のままだったが、困ったように目を逸らしたところからして図星であることが丸わかりだった。
――あンのタヌキ……! 余計なこと吹き込みやがってぇ……!
九尾は素直だから、「人間と関わるな」なんて言ったら真剣に悩んじゃうだろうが!
今度アイツに会ったら容赦なくぶん投げてやろう……と決めつつ、晴斗は九尾の近くに寄っていった。そして正面から肩を掴んで、告げた。
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