妖狐と魅惑の遊戯

夢咲まゆ

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第八十一話

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 すると、隣にいた三尾がじっとりした目でこちらを眺めながら、言った。

「その収録、僕もついて行こうかなあ」
「……は? なんでお前まで!?」
「きみたち二人だけじゃ心配だからでしょー? 九尾ちゃんは呪詛があまり得意じゃないし、晴斗は何もできない人間だし。これがあの大陰陽師なら、玉藻前に会っても負けないんだろうけどねぇ」

 その瞬間、九尾の顔が少しだけ強張った。晴斗は目で牽制したが、三尾は素知らぬ顔で話を続けた。

「ていうかさ……ずっと思ってたんだけど、晴斗って何者なわけ? 九尾ちゃんの封印を解いたの、あんたなんでしょ? でも安倍晴明は、まじないの『ま』の字も知らない素人に解除できるような封印は使わないよ?」
「知るかよ、そんなの。千年以上も経ってるから、自然に解けただけじゃないのか?」
「どうかな。そこまで脆弱じゃないと思うけどね、晴明の封印は」
「……お前、結局何が言いたいんだよ?」

 すると、三尾の視線が急に鋭くなった。

「あんた……すっとぼけてるだけで、本当は陰陽術とか詳しいんじゃないの? 正直、僕はあんたのこと、あの陰陽師と何か関係があるんじゃないかと疑ってる」
「はあ? なんだよそれ。変な言いがかりをつけるなら、タダじゃおかな……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。二人とも、落ち着いて……! 今お茶入れてくるから」

 見かねた九尾が立ち上がり、電気ポットで温かいお茶を三人分淹れてくれた。

「ほら……これでも飲んでくれ」
「あ。サンキュー……」
「ありがとう、九尾ちゃん。やっぱり九尾ちゃんは優しいね」

 三尾と二人でふうふう、とお茶を吹き、ズズッ……と一口すする。

 ――いかん……本当に何してるんだ、俺は……。

 ヤキモチ焼いて怒った後は、タヌキの挑発に乗って冷静さを欠き、あろうことか九尾にフォローを入れられてしまう始末。こんなことじゃいけない。もっとしっかりしなくては。
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