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第3章~新たなる試練~
第29話
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愛用の太刀を振るい、容赦なく狼の首を落としていく兄。手こずっていた狼が一気に減り、あっという間に半分以下になった。なんて頼もしいんだろう……。
「無事かい、アクセル?」
「な、なんとか」
「……そう、よかった」
心底ホッとしたように兄が微笑んだ。その顔を見たら、つい涙がこぼれそうになった。
「はーい! 狼さん、元気ー?」
やや遠くから、ミューが大鎌を振り回しながら突っ込んでくる。
「お肉になりたくなかったら早く逃げてねー! フレインが捌いて、アクセルが料理しちゃうよ~!」
一振りすれば、面白いように狼が死んでいく。
さすがに狼も分が悪いと悟ったのか、ボスを先頭に森へ逃げ帰っていった。
「はあっ……はあ……くっ……」
安心した途端、思い出したかのように腕の痛みに襲われた。疲れもどっと出てきて、足元がふらつく。
「ほら、掴まって」
兄が肩を貸してくれた。そしてやや目を細めて左腕を見やる。あるべきはずの手は狼に噛み千切られて途中でなくなっていた。
「まったく……他の見回り当番は何してるんだろうね? 鈴が鳴ったのに誰も助けに来ないなんて」
「……あまり期待してなかったけどな。でも、何故兄上が……?」
「広場に鈴が捨ててあったんだ。なんか嫌な予感がすると思って追いかけたけど、お前、すごく変なところにいるから捜しちゃったよ」
「すまない……。お手を煩わせてしまって」
「いやいや、完全に喰われる前でよかった」
愛おしそうに頬に触れ、輪郭を撫でてくる。
「無事かい、アクセル?」
「な、なんとか」
「……そう、よかった」
心底ホッとしたように兄が微笑んだ。その顔を見たら、つい涙がこぼれそうになった。
「はーい! 狼さん、元気ー?」
やや遠くから、ミューが大鎌を振り回しながら突っ込んでくる。
「お肉になりたくなかったら早く逃げてねー! フレインが捌いて、アクセルが料理しちゃうよ~!」
一振りすれば、面白いように狼が死んでいく。
さすがに狼も分が悪いと悟ったのか、ボスを先頭に森へ逃げ帰っていった。
「はあっ……はあ……くっ……」
安心した途端、思い出したかのように腕の痛みに襲われた。疲れもどっと出てきて、足元がふらつく。
「ほら、掴まって」
兄が肩を貸してくれた。そしてやや目を細めて左腕を見やる。あるべきはずの手は狼に噛み千切られて途中でなくなっていた。
「まったく……他の見回り当番は何してるんだろうね? 鈴が鳴ったのに誰も助けに来ないなんて」
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「すまない……。お手を煩わせてしまって」
「いやいや、完全に喰われる前でよかった」
愛おしそうに頬に触れ、輪郭を撫でてくる。
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