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第6章~ラグナロクの始まり~
第96話
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途端、兄の雰囲気が一変した。目つきが一気に鋭くなり、全身から殺気と闘志が迸る。ふわりとした金髪が逆立ち、大気がビリビリ痺れ始めた。
「ギェアアアアァ!」
獣のような咆哮を上げ、兄が瞬時に大蛇との距離を詰める。そして目にもとまらぬ速さで太刀を振るい、襲い来る尻尾をスパッと斬り落とした。
「兄上……!」
久しぶりに見た、兄の狂戦士モード。人質に行く前だから数ヶ月ぶりか。いつ見ても迫力が桁違いで、見ているだけで鳥肌が立ってしまう。
――ああ、やっぱり兄上はすごい……!
普段の兄も好きだけど、戦っている兄が一番好きだ。生前から優雅で可憐で、それでいて雄々しく戦う兄が大好き。その姿にずっと憧れている。
俺もあんな風に戦いたい。兄上のようになりたい……!
「……タアァァアァッ!」
全身に力が漲ってきて、アクセルは一気に大蛇に向かって跳躍した。兄同様、襲いくる尻尾をかいくぐり、大蛇の胴体を駆け上がって首元に小太刀を突き立てる。
「ギャアァァァ!」
大蛇が暴れるより先に、素早く小太刀を引き抜いて間合いから離れた。
最初に一対一で戦った時より、ずっと身体が軽く動きやすかった。大蛇の動きも手に取るようにわかるし、砂利や小枝が飛んできても全然痛くない。
「忘れてなかったみたいだね、いい子いい子」
いつの間にか隣に寄ってきた兄が、にこりと微笑んでくれる。
「ギェアアアアァ!」
獣のような咆哮を上げ、兄が瞬時に大蛇との距離を詰める。そして目にもとまらぬ速さで太刀を振るい、襲い来る尻尾をスパッと斬り落とした。
「兄上……!」
久しぶりに見た、兄の狂戦士モード。人質に行く前だから数ヶ月ぶりか。いつ見ても迫力が桁違いで、見ているだけで鳥肌が立ってしまう。
――ああ、やっぱり兄上はすごい……!
普段の兄も好きだけど、戦っている兄が一番好きだ。生前から優雅で可憐で、それでいて雄々しく戦う兄が大好き。その姿にずっと憧れている。
俺もあんな風に戦いたい。兄上のようになりたい……!
「……タアァァアァッ!」
全身に力が漲ってきて、アクセルは一気に大蛇に向かって跳躍した。兄同様、襲いくる尻尾をかいくぐり、大蛇の胴体を駆け上がって首元に小太刀を突き立てる。
「ギャアァァァ!」
大蛇が暴れるより先に、素早く小太刀を引き抜いて間合いから離れた。
最初に一対一で戦った時より、ずっと身体が軽く動きやすかった。大蛇の動きも手に取るようにわかるし、砂利や小枝が飛んできても全然痛くない。
「忘れてなかったみたいだね、いい子いい子」
いつの間にか隣に寄ってきた兄が、にこりと微笑んでくれる。
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