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第6章~ラグナロクの始まり~
第97話
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アクセルもニッと口角を上げ、それに答えた。
「兄上と特訓したからな」
「そうだね。お前は物覚えがいいから教え甲斐があるよ」
逆上した大蛇が再び襲い掛かってくる。大口を開け、鋭い牙を剥き出しにし、左右から挟み撃ちにしてきた。
だけど、今はもう怖くない。それどころか稚拙な攻めとさえ思ってしまう。
アクセルは上に跳んだ。兄も上に跳んだ。
大蛇が首をもたげ、こちらを見上げた。開いた大口から喉奥の食道まで見えた。
アクセルはわざと開いた口に飛び込んだ。そして落ちていく重力を利用して、喉奥の柔らかい部分に小太刀を突き刺した。
「ギッ……!」
潰れたような声が大蛇から聞こえた。
確実な手ごたえを感じつつ、もう片方の小太刀と共に横に振り抜く。内側から喉を切り開くように、思いっきり引き裂いてやった。
「……ハアアアァアッ!」
雄々しく叫びながら、アクセルは振り抜いた小太刀と一緒に大蛇の中から脱出した。もれなく大蛇の体液で全身がまみれたが、不快感より攻撃への爽快感の方が勝った。
喉を内側から切り開かれ、声帯もろとも切られた大蛇は、断末魔の叫びを上げることもなく、どぅ……と崩れ落ちた。首と胴体が離れた大蛇が、地面にひれ伏し末期の痙攣を起こしている。
切った部分からは大量の体液が溢れてきて、それが沁み込んだ草木が徐々に元気を失っていった。この大蛇の体液は植物を枯らす力でもあるのだろうか。ふと自分の肌を見れば、体液を浴びた部分が赤くかぶれていた。
今は狂戦士モードなので痛みを感じないものの、いざ解除したら全身に激痛が走るに違いない。
「兄上と特訓したからな」
「そうだね。お前は物覚えがいいから教え甲斐があるよ」
逆上した大蛇が再び襲い掛かってくる。大口を開け、鋭い牙を剥き出しにし、左右から挟み撃ちにしてきた。
だけど、今はもう怖くない。それどころか稚拙な攻めとさえ思ってしまう。
アクセルは上に跳んだ。兄も上に跳んだ。
大蛇が首をもたげ、こちらを見上げた。開いた大口から喉奥の食道まで見えた。
アクセルはわざと開いた口に飛び込んだ。そして落ちていく重力を利用して、喉奥の柔らかい部分に小太刀を突き刺した。
「ギッ……!」
潰れたような声が大蛇から聞こえた。
確実な手ごたえを感じつつ、もう片方の小太刀と共に横に振り抜く。内側から喉を切り開くように、思いっきり引き裂いてやった。
「……ハアアアァアッ!」
雄々しく叫びながら、アクセルは振り抜いた小太刀と一緒に大蛇の中から脱出した。もれなく大蛇の体液で全身がまみれたが、不快感より攻撃への爽快感の方が勝った。
喉を内側から切り開かれ、声帯もろとも切られた大蛇は、断末魔の叫びを上げることもなく、どぅ……と崩れ落ちた。首と胴体が離れた大蛇が、地面にひれ伏し末期の痙攣を起こしている。
切った部分からは大量の体液が溢れてきて、それが沁み込んだ草木が徐々に元気を失っていった。この大蛇の体液は植物を枯らす力でもあるのだろうか。ふと自分の肌を見れば、体液を浴びた部分が赤くかぶれていた。
今は狂戦士モードなので痛みを感じないものの、いざ解除したら全身に激痛が走るに違いない。
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