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第11章~強くなるために~
第47話※
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「おお! とうとうあなたも狂戦士になりましたか! これはいいですね!」
頬に血をつけたまま、ユーベルが楽しそうに笑う。
兄も血に濡れたマントを翻しつつ、誇らしげに語った。
「私の弟、結構やるだろう? 実力はこれからだけど、素質は抜群なんだよ」
「ええ、確かに。中間ランクの戦士がここまで生き残れるとは思いませんでしたよ」
「きっとこれからもっともっと強くなるよ。私たちも負けていられないね」
「全くです」
兄が正面からユーベルを薙ぎ払う。ユーベルは柔らかく身体を曲げてそれを躱し、バク宙しながらリボンのように剣をしならせた。
「おっと、こっちだぜ!」
背後からジークが槍を突き出してくる。穂先が太ももを貫く寸前、剣でほんの少し軌道を反らせ、槍の柄を踏みつけて更に跳躍した。
壊れかけた天井までジャンプし、上から竜巻のような剣撃を浴びせて来る。宴会場全体を破壊するような広範囲の攻撃に、死角はなかった。
――避けられない……!
アクセルは咄嗟に全身の筋肉に力を込めつつ、小太刀を振り回した。捌き切れなかった斬撃が身体に当たり、右ふくらはぎから下が吹き飛び、左腕も二の腕から切断される。
腹部にも斬撃を受けたが、思ったほど深くは切られなかった。筋肉に力を込めていなければ、上半身と下半身が分かれていただろう。
「くっ……!」
だが、アクセルが動けるのはここまでだった。当たり前のように右足で前に踏み出そうとして、がくんとバランスが崩れてその場に倒れる。それで今更ながら右足を斬られていたことを思い出した。
頬に血をつけたまま、ユーベルが楽しそうに笑う。
兄も血に濡れたマントを翻しつつ、誇らしげに語った。
「私の弟、結構やるだろう? 実力はこれからだけど、素質は抜群なんだよ」
「ええ、確かに。中間ランクの戦士がここまで生き残れるとは思いませんでしたよ」
「きっとこれからもっともっと強くなるよ。私たちも負けていられないね」
「全くです」
兄が正面からユーベルを薙ぎ払う。ユーベルは柔らかく身体を曲げてそれを躱し、バク宙しながらリボンのように剣をしならせた。
「おっと、こっちだぜ!」
背後からジークが槍を突き出してくる。穂先が太ももを貫く寸前、剣でほんの少し軌道を反らせ、槍の柄を踏みつけて更に跳躍した。
壊れかけた天井までジャンプし、上から竜巻のような剣撃を浴びせて来る。宴会場全体を破壊するような広範囲の攻撃に、死角はなかった。
――避けられない……!
アクセルは咄嗟に全身の筋肉に力を込めつつ、小太刀を振り回した。捌き切れなかった斬撃が身体に当たり、右ふくらはぎから下が吹き飛び、左腕も二の腕から切断される。
腹部にも斬撃を受けたが、思ったほど深くは切られなかった。筋肉に力を込めていなければ、上半身と下半身が分かれていただろう。
「くっ……!」
だが、アクセルが動けるのはここまでだった。当たり前のように右足で前に踏み出そうとして、がくんとバランスが崩れてその場に倒れる。それで今更ながら右足を斬られていたことを思い出した。
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