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第11章~強くなるために~

第46話※

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 ついておいでと兄には言われたものの、これじゃとてもじゃないけど自分は入れない。間合いに入った瞬間細切れにされそうだ。

 そう尻込みしていると、兄が声を張り上げてきた。

「ほら、お前も! 早く狂戦士になりなさい!」
「ええ、わたくしはウェルカムですよ! こんな愉快な舞はなかなか経験できませんからね!」
「お前さんも一度経験しておくといいぞ!」
「……!」

 三人同時にそそのかしてくる。そう言っている間にも、三人の皮膚は裂け、血が飛び、片腕が吹っ飛んだ。

 そんな上位ランカーの様子を見ていたら、尻込みしていた自分が恥ずかしくなってきた。

 ――やっぱりこの人たちはすごいな……。

 どんなに斬られても、腕がなくなっても、三人はとても楽しそうだ。死ぬとか負けるとか、そんなこと考えない。戦うことそのものを存分に楽しんでいる。

 これが本来の戦士の、あるべき姿だ。

「ふ……ふ……」

 短い呼吸を繰り返し、気合いを高める。

 自分もあんな戦いがしたい。怖気づいている場合じゃない。斬り刻まれても構わないから、彼らと一緒に血の滴る舞を……。

「……たあぁぁぁッ!」

 雄叫びを上げて、アクセルは中心に飛び込んだ。風の刃がこちらを刺したが、痛みは感じなかった。

 勢いのまま右の小太刀を振り上げ、ユーベルに斬りかかる。当たり前のように防がれてしまったが、間髪入れずに左の小太刀も振り下ろした。

 ユーベルの肩に入りかけたと思った途端、彼に蹴り上げられて顎を強打してしまう。痛みはないものの衝撃で仰け反り、その隙に胸部や腹部を浅く斬られた。
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