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第18章~トーナメント初戦~
第34話※
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「今の一撃はよかったぜ、アクセルよ」
「……!」
「さあ、もっと激しく戦おうじゃないか!」
そう挑発され、アクセルの中で何かが弾けた。血の流れが更に加速し、心の底から歓喜や興奮が湧いて来る。
そうだ、もっと戦いたい。勝ち負けとか目的とか、そんなことはどうでもいい。
今はただ純粋に、戦いそのものを楽しみたい。お互い全力を出し合って、ギリギリの攻防を繰り広げ、命を燃やして死合いたい……。
「はい!」
アクセルは夢中でショーンに斬りかかった。興奮のあまり口が勝手に笑みの形をとっていた。口角から血が溢れてきたけれど、そんなことは全く気にならなかった。
振り回されるハンマーをかいくぐり、もう一度懐に飛び込む。攻撃は避けているはずなのに、素振りの風で服や皮膚がどんどん切れて行き、二の腕や太もも、脇腹からも鮮血が飛び散る。
――そうか、狂戦士モードの時は風ですらも刃になるから……。
武器を避けるだけでは、完全に攻撃を避けたことにならない。振り下ろす時の風圧、地面を叩き割った時の衝撃、それら全てが武器となり、こちらに襲い掛かってくる。
もう全てを回避するのは不可能だ。回避に神経を使うくらいなら、斬られること前提で飛び込んでしまった方がよい。
どうせこちらの命も長くはもたないのだ。ならば肉を切らせて骨を断つ。これしかない。
「たあああっ!」
右の小太刀で首元を斬りつけた後、すぐさま左の小太刀で二撃目を叩き込む。
「……!」
「さあ、もっと激しく戦おうじゃないか!」
そう挑発され、アクセルの中で何かが弾けた。血の流れが更に加速し、心の底から歓喜や興奮が湧いて来る。
そうだ、もっと戦いたい。勝ち負けとか目的とか、そんなことはどうでもいい。
今はただ純粋に、戦いそのものを楽しみたい。お互い全力を出し合って、ギリギリの攻防を繰り広げ、命を燃やして死合いたい……。
「はい!」
アクセルは夢中でショーンに斬りかかった。興奮のあまり口が勝手に笑みの形をとっていた。口角から血が溢れてきたけれど、そんなことは全く気にならなかった。
振り回されるハンマーをかいくぐり、もう一度懐に飛び込む。攻撃は避けているはずなのに、素振りの風で服や皮膚がどんどん切れて行き、二の腕や太もも、脇腹からも鮮血が飛び散る。
――そうか、狂戦士モードの時は風ですらも刃になるから……。
武器を避けるだけでは、完全に攻撃を避けたことにならない。振り下ろす時の風圧、地面を叩き割った時の衝撃、それら全てが武器となり、こちらに襲い掛かってくる。
もう全てを回避するのは不可能だ。回避に神経を使うくらいなら、斬られること前提で飛び込んでしまった方がよい。
どうせこちらの命も長くはもたないのだ。ならば肉を切らせて骨を断つ。これしかない。
「たあああっ!」
右の小太刀で首元を斬りつけた後、すぐさま左の小太刀で二撃目を叩き込む。
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