転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第22章~トーナメント・第五死合い~

第27話

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 大事な弟に手を出そうとした連中を許せないのはわかるけど、そこで反撃していたらずっと同じことの繰り返しになってしまうではないか。

 そもそもアクセルが襲われがちなのは、兄・フレインが過去にやらかしたことへの報復……という側面もある気がする。フレインには直接手を出せないから、代わりにあいつの弟を……というわけだ。

 だとするならば、兄がああいった苛烈な反撃をやめない限り、自分はこの先も永遠に襲われ続ける気がする。

 兄はこちらを「お前は警戒心が薄い」だの「無防備すぎる」だのと言ってくるけど、それと同じくらい兄自身の行動も問題だ。何かある度にいちいち相手を皆殺しにしていては、余計に報復が激しくなるに決まっている。

 ――これは一度真剣に話し合わないとダメかもな。正直、話題にしにくいが……。

 重い溜息をついたところで、ベランダから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「おーい、アクセルいるかー?」

 おや、と思ってベランダの窓を開けると、アロイスが空の大鍋を持ってそこに立っていた。

「よー、アクセル。お前、トーナメントのブロック移動になったんだってな? お互い勝ち上がれてよかったなー!」
「ああ、失格にならなくてよかった。ところで、その大鍋は……?」
「いやー、また豆のスープ食べたくなったから持ってきた。これいっぱいによろしく頼むぜ。あ、お礼の木材はそこに積んであるからな」

 うさぎ小屋の横には、まだカットされていない丸太が大量に積み重なっている。
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