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第22章~トーナメント・第五死合い~
第63話
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ならば、肉体そのものを改造するしかない。狂戦士になれないのなら、自分自身を魔改造して対狂戦士に特化した身体になるしかない。
そしてこれみよがしに覚醒してきた連中に、改造した身体で泡を噴かせてやるのだ。
――負けた相手を娼館に連れ込むのも、嫉妬の一環なんだろうな……。
生身の人間が機械相手にいいように嬲られるのは、相当な屈辱になると思う。そうやって敗者を辱めて、自分のコンプレックスを慰めているに違いない。
理屈はわからんでもない……けれど、そんなことをしたところで根本的な解決にはならない。自分が強くなるわけではないし、狂戦士として覚醒できるわけでもない。
狂戦士になれないなら何故なれないのか、本当に可能性がゼロなのか、もしかしたら別の方法があるんじゃないか……とか、いろいろやりようはあるだろうに。
「くっ……!」
避けている最中、矢が頬や脇腹を掠めて、より一層ズシン……と身体が重くなった。
一瞬矢の追撃が止まったので、何とか力を振り絞ってナダルに向き直る。ナダルはちょうど、追加の矢を腕にセットしているところだった。左肘の部分を思いっきりバキッと割って、折れたところからせっせと矢を補充している。
――次で最後、だな……。
これ以上の回避はおそらく難しいだろう。薬のせいで、機動力が明らかに落ちてしまっている。長所である機動力が落ちてしまったら、あとは遠くから風の刃を飛ばすくらいしか攻撃手段が思いつかない。その風の刃も、痺れた腕では数回素振りするので精一杯だろう。
だから、次の一撃に全てを賭けるつもりでいく。
そしてこれみよがしに覚醒してきた連中に、改造した身体で泡を噴かせてやるのだ。
――負けた相手を娼館に連れ込むのも、嫉妬の一環なんだろうな……。
生身の人間が機械相手にいいように嬲られるのは、相当な屈辱になると思う。そうやって敗者を辱めて、自分のコンプレックスを慰めているに違いない。
理屈はわからんでもない……けれど、そんなことをしたところで根本的な解決にはならない。自分が強くなるわけではないし、狂戦士として覚醒できるわけでもない。
狂戦士になれないなら何故なれないのか、本当に可能性がゼロなのか、もしかしたら別の方法があるんじゃないか……とか、いろいろやりようはあるだろうに。
「くっ……!」
避けている最中、矢が頬や脇腹を掠めて、より一層ズシン……と身体が重くなった。
一瞬矢の追撃が止まったので、何とか力を振り絞ってナダルに向き直る。ナダルはちょうど、追加の矢を腕にセットしているところだった。左肘の部分を思いっきりバキッと割って、折れたところからせっせと矢を補充している。
――次で最後、だな……。
これ以上の回避はおそらく難しいだろう。薬のせいで、機動力が明らかに落ちてしまっている。長所である機動力が落ちてしまったら、あとは遠くから風の刃を飛ばすくらいしか攻撃手段が思いつかない。その風の刃も、痺れた腕では数回素振りするので精一杯だろう。
だから、次の一撃に全てを賭けるつもりでいく。
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