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第30章~奇妙な敵~
第10話
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思わず深く溜息をついたら、ホズはこちらを眺めて言った。
「お前たち、目をつけられているようだから本当に気をつけろよ。アイツは以前の小娘とは違う。性格はそのままだが、余計な悪知恵をつけているようだからな。少しでも怪しいと思ったら、変なことに関わるのは極力避けるべきだ」
「は、はい……肝に銘じます」
「でも、気を付けるだけじゃキリがないよね。こっちがいくら注意をしていても、メリナはかまわずちょっかいを出してくるし」
と、バルドルが首を捻る。
「今はきみたちに興味が向いているけど、私たちもいつ被害を受けるとも限らない。いっそのこと、どこか違う場所に封印した方がいいかもな。透ノ国じゃなく、もっと厳重で自分からは出てこられないような場所に」
「バルドル様、何かあてがあるんですか?」
「うん……まあ、心当たりがないこともない。詳しく書物を調べないといけないから、ちょっと席を外すよ。こういうのはなるべく早い方がいいだろう」
ガタン、とバルドルが席を立ったので、アクセルもつられて腰を浮かせた。
「あの、お手伝いしましょうか?」
「いや、大丈夫。我々の書物は神々の言語で書かれているからね、きみたちじゃ読めないよ。それよりきみたちは、そこのご馳走でも食べてゆっくりしてて」
「え……。さすがにそれは悪いのでは……?」
食堂のテーブルには、ディナーにふさわしい食事が並べられている。まだ一切手をつけられていない。
だけど突発的に訪ねたのでバルドルとホズの分しか用意されていないし、それを自分たちが食べてしまうのはいくら何でもマズいのではないか。
「お前たち、目をつけられているようだから本当に気をつけろよ。アイツは以前の小娘とは違う。性格はそのままだが、余計な悪知恵をつけているようだからな。少しでも怪しいと思ったら、変なことに関わるのは極力避けるべきだ」
「は、はい……肝に銘じます」
「でも、気を付けるだけじゃキリがないよね。こっちがいくら注意をしていても、メリナはかまわずちょっかいを出してくるし」
と、バルドルが首を捻る。
「今はきみたちに興味が向いているけど、私たちもいつ被害を受けるとも限らない。いっそのこと、どこか違う場所に封印した方がいいかもな。透ノ国じゃなく、もっと厳重で自分からは出てこられないような場所に」
「バルドル様、何かあてがあるんですか?」
「うん……まあ、心当たりがないこともない。詳しく書物を調べないといけないから、ちょっと席を外すよ。こういうのはなるべく早い方がいいだろう」
ガタン、とバルドルが席を立ったので、アクセルもつられて腰を浮かせた。
「あの、お手伝いしましょうか?」
「いや、大丈夫。我々の書物は神々の言語で書かれているからね、きみたちじゃ読めないよ。それよりきみたちは、そこのご馳走でも食べてゆっくりしてて」
「え……。さすがにそれは悪いのでは……?」
食堂のテーブルには、ディナーにふさわしい食事が並べられている。まだ一切手をつけられていない。
だけど突発的に訪ねたのでバルドルとホズの分しか用意されていないし、それを自分たちが食べてしまうのはいくら何でもマズいのではないか。
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