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第二章 リストカット
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「うっ!?」
背中に、嫌な感触が走る。
切られた?
ひときわ大きな悲鳴が教室中に響いた。
私の背中、どうなったんだろう。
鈴橋先輩がまた腕を振り上げる。
どうしよう。
もう一度受けていいの?
そう思って、歯を食いしばった時。
ばしん、と鋭い音が私の頭の上で鳴った。
恐る恐る見上げると、先輩の手にはカッターがなかった。すぐ隣に、鉄子がいて、その手には通学カバンがある。
「あ、あれあたしのカバン! 触んないでよ、おい!」
誰かの声が聞こえる。
どうやら、鉄子が手近にあったカバンで、カッターを弾き飛ばしたらしい。
私は、鈴村先輩の腰にかじりついて、そのまま教室の後ろまで押していった。
先輩は抵抗しなかった。ただ、口の中でなにかを呟き続けている。
後ろの壁に、先輩の背中がついた。
どっと汗が吹き出てくる。
背中の向こうから、鉄子の声が聞こえた。
「鈴橋先輩は、今夜一晩大人しくしていれば、治ります。みなさん、先輩を無事家に帰すまでどうか協力してください」
「なんだその言い方、上からじゃねえか!」
男子の声がした。
「ほんとだわ! 上から、上から!」
「あんたが責任持ってなんとかしなさいよ! スズー! 大丈夫!?」
私たちを責める声がほとんどだったけど、その中にぽつぽつと、「ちょっと落ち着けよ」「あの子たちは別にさ」とたしなめるような言葉もあった。
その時、大人の男性の落ち着いた声が響いた。
「なにやってるんだ、お前ら。なんの騒ぎだ、これ。ん、一年の鈍村と、真名月か? なんでここに?」
ドアのほうを見てみると、現国の島田先生が、私たちを見て怪訝な顔をしている。
この2-Bの、次の授業のために来たのだろう。
「私のせいだ。お騒がせしてすみませんでした。鈴橋先輩をお願いします」
鉄子は深々と頭を下げて、私に、行こうと目くばせした。
私が、ぐったりとした鈴橋先輩を放すと、島田先生の指示でようやく何人かが近づいてくる。
学校側は、リストカットが伝染するなんて理由で鉄子をどうこうすることはできない。でも、事情は知っているんだろう。淡々と支持を終えると、島田先生は鉄子に「今日はもう帰るか?」と訊いた。
鉄子がうなずく。
二人で教室へ戻り、教壇にいた先生に簡潔に成り行きを説明して、私たちはそれぞれのカバンを持って教室を出た。
そして校門から十メートルくらい離れたところで、鉄子が口を開く。
「また、油断してた。失態だ。このところ、平和だったから。……ていうか、リツまで帰ることないんだぞ」
「ん。いいの。送っていくよ」
「いや、私のせいでリツが授業受けられないとか、かなり嫌だし」
「大丈夫、それくらいすぐ追いつけるよ」
「でも」
「鉄子だって、上野で私を一人にしなかったじゃない」
それとこれとは、とだけ呟いて、鉄子はとことこと歩いていく。
「……せめて、いつもより少し離れて歩いてくれ。万が一にも、……」
そのくらいは聞き入れて、いつもの裏道を、私は五メートルくらい後ろから鉄子についていく。少しよろめいたりしたくらいじゃ、絶対にぶつからない距離。
こんな鉄子を後ろから見るのは、初めてかもしれなかった。
とぼとぼと歩く、痩せて小さな後ろ姿は、さっきみたいな罵声を浴びせられるのに似つかわしいものには、到底見えなかった。
時折向かいから通行人が来ると、不必要なくらいの距離をとって避ける。
四五人くらいの塊が来ると、道の端まで寄って物陰に隠れて、やり過ごせるまで待っている。
こんなふうに、おっかなびっくり、道を歩く人がいるのか。
並んで歩いていたらずっと気づかなかった。あれが、鉄子が一人でいる時の歩き方。
あの歩き方を身に着けるまで、どんな思いをして、なにを考えてきたのだろう。
たった一人で、誰にも近寄らずに、ほかの人とは決して分かり合えない思いをしながら。最初に見た、あの鋭い眼光が、今は切なく思える。
あれ、と思った。
なにかが引っかかる。
たった一人。その言葉を思い浮かべた時に、奇妙な違和感があった。
けれどそれを掘り下げる前に、鉄子は裏道を抜けて大通りに出た。今まで以上に通行人に気を使いながら、横断歩道を渡っていく。
それから十分ほどで、鉄子は、ある二階建ての木造家屋の前で足を止めた。
表札はない。
でも、後から来た私に、少し大きな声で「ここ、うち」と教えてくれた。
すぐそこに大きなビルが立ち並んでいるとは思えない、小さな敷地の中の古い家。
ここが鉄子の家なんだ、と思うと不思議な感じがした。
「一応確認だけど。背中、平気だよな?」
「背中?」
「さっき、カッター当たったろ」
「あ! そういえば!」
あの後、全然痛くなかったから忘れていた。慌てて背中に手をやる。でも、特になんともない。
「無理矢理リツが体をこじ入れたから、刃じゃなくて柄のほうが当たってたよ。だからけがはないかなと思ってたんだけど」
「そ、そっかあ……よかったあ」
「まったくだ。あの時は本当に血の気が引いた。リツ、あんな無茶はもうしないでくれ」
「だって、あの時は」
「前に言ったろ、リツがリストカットでもしたら、私はもう無理だって。感染が原因のけがでも、同じだ」
「……うん。分かった。気をつける」
「本当なら、お茶でも飲んでいかないかと誘うんだろうけど。悪いな、うちってあんまりお客を迎え入れるのに向いてないんだ。今たぶん誰もいないし、私も、おもてなしなんてなにしていいか分からないし」
「そんなのは、気にしないけど。ゆっくり休んで欲しいし、これで帰るよ」
私たちは、手を振り合って別れた。
数歩歩いて振り向くと、鉄子が、木の引き戸を開けて家の中に入っていく。
庭などはない、木の塀で囲まれただけの、こぢんまりとした家。
ここに、鉄子が家族と住んでるんだ。確か、おばあさんは施設に入ってるって言ってたっけ。
じゃあここは、ご両親と鉄子が暮らしてるのかな。お姉さんは別だと言っていたはずだ。
鉄子の暮らしを想像してみた。
どうも生活感のない子なので、たとえば食事なんかはどうしてるんだろうとか、どんな服を持っているんだろう――もしかして本当に全部黒一色とか?――とか、あれこれと思いを巡らせてしまう。
そういえば、家族でも、鉄子に触れると感染するんだろうか?
でも、ある程度大きくなれば、家族と接触することってそんなになくなるか……
そんなことを考えていたら、ほんの小さな、不穏な音が聞こえた。
押し殺した、人間のうめき声のような。
なにかの聞き間違いかもしれない。
でも、鉄子の家の中から聞こえたような気がする。
鉄子の家の塀に寄った。塀の切れ目まで行くと、その奥一メートルくらいのところに、木の引き戸がある。すりガラスがはまっていて、中は暗い。
耳をそばだてる。
風はない。
でも、ひゅうひゅうとか細い音が聞こえた。まるで、さっき聞いた、鈴橋先輩の息遣いのような。
「鉄子?」
すりガラス越しに呼びかけると、中でがたんと音がした。
引き戸の少し左横には、格子のはまった小さな窓がある。台所らしい。音は、そこからした。
家にはほかに人がいないと、鉄子は言っていた。
台所。女子高生が、家に帰ってすぐ、台所に入る。
おかしいことじゃない。普通にあると思う。喉が渇いていたり、お腹が空いていたり、特に理由はないけど、習慣になっていたり。なにもおかしくない。
でも、胸騒ぎがした。
台所。台所といえば、必ずあれがある。
「鉄子。家に入ってもいい?」
「リツ? ……なんで?」
窓の向こうから聞こえる、弱弱しい声。
私が転校してきた時、孤高のように見えた鉄子からは想像できないほどの。
玄関の引き戸を開けた。
鍵はかかっていない。
「鉄子。上がるね」
「だめ……」
今にも消え入りそうな、飢え切った子猫のような声だった。
靴を抜いて、廊下に足を踏み入れる。
ひどく失礼なことをしているような気はする。
それでも、すぐ左手にある台所を、私は覗き込んだ。
薄暗い中、制服のまま床に座り込んだ鉄子が、包丁で手首を切っていた。
私が見ている間にも、血の流れが筋になって床に落ちていく。
カッターナイフとは比べ物にならないほど大きくて重い刃物が、鉄子の青白い皮膚をやすやすと切り裂いているのが、恐ろしく暴力的に見えた。
その暴力を、鉄子が自分で自分に振るったのだと思うと、恐ろしさと同時に激しい怒りが湧いた。
なにへの怒りなのかは分からない。でも、決して鉄子に対してではない。
台所に踏み込んで、鉄子に近づく。
無力な高校生はびくりと震えて、身を固くした。
許されたくて手首を切っていると、鉄子はそう言っていた。
私は鉄子を断罪する存在じゃない。鉄子を絶対に否定しない。そのことが伝わるように、穏やかに、ゆっくりと身を寄せていく。
鉄子に触れないように気をつけて、私は包丁の刃の腹を、人差し指と親指で挟んで持った。
刃は、鉄子の体の震えをそのまま受けて振動していた。
鉄子は抵抗せずに私に包丁を渡し、私は鉄子の血に濡れたそれを流しのシンクに置く。
「……手当てしよう。病院に行く?」
鉄子がかぶりを振る。
「行かなくても大丈夫?」
今度は、黒いボブが縦に揺れた。
「かなり血が出てるみたいだけど」
「これくらいなら、……すぐに止まる。止血すれば」
「じゃ、しよう。救急箱とかあるの?」
「私の部屋に」
「二階? 入ってもいい? すぐ分かるところに置いてある?」
鉄子が、子供のようにうなずく。
こんな姿を見るのは初めてだった。
階段を上がりかけて、台所に引き返し、シンクの包丁を取る。流しの下の収納から、ほかの包丁やナイフの類も抜き取って、左手でそれらをまとめて持った。
「このほかに、ここに刃物ある?」
「……ない」
ひとまずそれを信じて、今度こそ階段を上がった。
二つほど部屋があったので、適当に近いほうを開けた。
中は、カーテンがかかっていて暗く見えにくかったけれど、がらんとした六畳の和室で、空っぽの本棚と学習机がある。
あまりの生活感のなさに、どうやらここではないらしいと判断してドアを閉め、隣の部屋に入った。
こちらも同じような作りだったけど、本棚には私と同じ教科書が入っていて、学習机の上に救急箱らしい薄黄色のプラスチックの箱が置いてある。なるほど、赤い十字架のマークがついていてすぐに分かるけれど、救急箱が常時表に出してある部屋っていうのも、あんまり聞かない。
救急箱の横には、スポーツかなにかの雑誌が重ねられている。一番上のものは、高校生らしいサッカー選手が表紙だった。サッカー観戦が趣味だとは、聞いたことがなかったと思うけど。
壁にはハンガーがかけられていて、家具は少ないものの、さっきの部屋よりは人が住んでいる感じがする。
でも、子供の部屋というよりは、学校の普段使っていない教室みたいな無機質さがあった。カーテンもぼろぼろで、まるで廃墟にかかったそれのように見える。
押入れがあるので、たぶんそこから布団を出して寝ているんだろうけど、ここで人間が寝起きしている様子が思い浮かばない。
そんなにじろじろ見るのもいけないと思い、救急箱をつかんで階段を下りた。
台所では、さっきと同じ姿勢のまま鉄子がうずくまっている。
「これでいいよね?」と私は救急箱を掲げる。
鉄子がうなずいた。
箱を開け、中から包帯やガーゼを取り出す。
さなみの手当てで多少の経験があるので、とりあえず鉄子に「立って」と言い、蛇口から水を出して、よろよろと立ち上がった鉄子の左手首を水で流させた。
血がさあっと消えて、鉄子の肌がもとの色に戻る。
反対に、シンクの中が、水で濡らした紙に水彩絵の具を落としたように、薄い朱色に染まった。
血はまだ出ているので、反射的にガーゼで押さえようとして、思いとどまった。私は鉄子には触れられない。
でも、鉄子は慣れた様子で、私に一度ガーゼをテーブルに置かせ、それを拾い上げて傷口に当て、圧迫する。傷口を的確に、手のひらではなくて指で強く押さえた。
そして傍らにあった椅子に座り、ボウルを逆さにしてテーブルに置いて、そのボウルの底面に左腕の肘を乗せ、前腕を垂直に立てた。
「……それ、心臓より高いところに傷口を持ってくるってやつ?」
「そうだ」
「……手慣れてるじゃない」
「慣れてるんだよ。その中にワセリンも入ってるから、それを塗ったガーゼと包帯で保護すれば、まあこのくらいなら問題なく――」
「問題なくない」
「……うん。そうだな。ごめん」
一分くらい、そのまま、二人で黙っていた。
私はできることがなくて、シンクの血を洗い流したり、救急箱の中を整えたりするくらいで、すぐに手持無沙汰になってしまう。
そしてようやく、これを訊くことにした。今訊いていいのかどうか、迷いはしたけど、あいまいなままにはしておけない。ほかの誰でもない、私が訊くべきことだ。
「鉄子。……どうして、切ったの?」
「なんでっていうことはないよ。常習なんだ。私はそういうやつってだけだよ」
「私のせい?」
鉄子が、視線を逸らしたまま目を見開いた。
「……いや、」
「私が、感染した人のせいでけがするところだったから?」
視線だけではなく、顔を背けられる。
「……それは」
「怖かった?」
鉄子がうつむいて、前髪で表情が見えなくなった。
「……怖かった。足が凄くすくんで、……心臓が止まるかと思った。あんなに怖いことはなかった。もし、あの先輩のカッターの刃が、リツの、顔とか……首とか、取り返しのつかないところに当たってたら……。そう思うと、何度もあの光景が、先輩がカッターを振り上げたところが、頭の中でずっとぐるぐる回って、……我慢できなくて……」
――許して欲しくて。
鉄子の震える前髪の陰から雫が落ちる。
いくつかはテーブルに落ちて、いくつかはスカートに染みを作った。
ぎり、と歯ぎしりの音が聞こえる。私の口の中から。
怯えて、苦しくて、追い込まれた時、鉄子の心に許しと安定を与えるのは、この手首の傷しかないんだ。
知らず、私は自分の左手首を、リストバンド越しにつかんでいた。
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