茶と菓子を愛する犬神と信州のあやかし軍師

クナリ

文字の大きさ
2 / 22

裏界線と裏世界と切風2

しおりを挟む
 そう言われた山次が、面白くなさそうに、忍装束の男――これは魏良というらしい――の傍らへ引き上げていった。

「故ってなに? ああ、猿は答えなくていいよ。魏良、お願い」
「……我ら信州妖怪、長らく、人にあだなすことは控えてきたが。そうも言っておれんようになった。妖怪が力を増すには、人を食らうのが手っ取り早い。人の血肉は妖力の格を上げるからな。あまり無秩序な真似は、せんようにはしたいが」

 そうもいかん、と魏良が嘆息する。

「なにそれ。……魏良、お前がこの辺り仕切ってんだろ。お前ら、なにやってんの?」
「切風、お前こそ、みだりに人間側に立つような真似はもうよすのだ。その娘とも、特段懇意というわけではあるまい?」

 魏良がそう言うと、その場にいる全員の目が、茉莉に向いた。

「あ、の……」
「ん? 言いたいことがあれば言っていいよ、茉莉、だっけ」

「皆さん……妖怪、なんですか?」
「そう。そして、あんたを食べようとしてる」

「えっ!?」
「いや、聞いてたっしょ、話」

「で、でも、そちらの魏良さんという方は、理性的というか、紳士的な感じがしたんですけど」

 ちらりと茉莉が目をやると、魏良はばつが悪そうにしながらも答えてきた。

「いや。ここまで我らの身をさらした以上、あなたを人里に返すわけにはいかぬ。すまないが、ここで食らわせてもらう。わざわざこんなところまで踏み込んできたのだ、覚悟の上であろう」
「な……」

 茉莉は、数歩後ずさった。
 しかし遠目にも、魏良が同じ歩数分だけ前に詰めたのが分かる。逃がす気はないのだ。

「ま、待ってください。私はここに、この南信州は飯田市に引っ越してきたばかりで、個人的にはなんの縁もゆかりもなかった土地なんです。少し夜の散歩に出ようと思って、市内の近所をうろうろしていただけで。なのに、ここはなんなんです、いきなり辺りに人の気配はなくなるし、スマホは通じないし、妖怪は出てくるし、挙句食べられそうになってるし……! 長野県ってこんな感じなんですか!? いくら山が多いからって!?」

 途中からどんどん早口になっていった茉莉に、切風が目を丸くする。

「え。茉莉って、ここがなんだか知らないで来たの? 確かに信州の飯田市から入る・・ことはできるけどさあ」
「……入る?」

「ははあ、分かったかも。茉莉の越してきたところって、飯田駅の近くの、林檎並木のあたりでしょ」
「そうです……けど。どうして分かるんですか?」

「で、かなり適当に、ぐるぐる歩き回ったなあ?」
「私、知らない土地をあてどもなく歩くのが好きで……。いえ、だからっ、どうして分かるんです?」

「あそこには、裏界線りかいせんがあるんだよね」
「りかい、せん?」

 妖怪たちが、ああ、そうさのう、とうなずき合っている。
 茉莉だけが取り残されていた。ただ、確かに、いくつもの細い路地の集合が珍しくて、ひたすらにほっつき歩いていたのを思い出す。
そうしたらいつの間にか、見慣れない建物ばかりのこの場所にたどり着き、辺りに人気がなくなり、あの猩猩に追い立てられたのだ。

「裏の世界の線、って書くんだよ。なんだか怪しげな名前だけど、それ自体はただの細い裏路地でさ。縦横に何本も走ってて、町を区切ってる。飯田が昔大火事に見舞われた後に、防火のために作ったとか言ってたかな」
「は、はあ……。そのリカイセンが、どうしたんです?」

「裏界線は、言ったとおり、ただの路地だよ。でもそれを、決まった順番、決まった道筋で、決まった回数歩くと、この裏世界への門が開く。茉莉はそれを通って、ここへ来たんだ」

 切風が周囲を指でさす。
 茉莉も、改めて辺りを見回した。
 朽ちかけたビル。少し離れたところには、日本家屋の屋根らしいものも見える。鬱蒼とした森。遠くには山。月だけで、星のない夜空。
 茉莉がいつも過ごしている世界と、なにもかもが似ていて、少しずつ違う。

「裏世界……」
「そういう門は国の中のあっちこっちにある。たまたま、裏界線がその一個だってだけ。茉莉、迷い込んじゃったね」

 そう言って、切風はけらけらと笑った。
 さく、さく、と下草を踏んで――地面は、アスファルトと草地が無秩序に入り混じっていた。ようやく、その異様さに茉莉は気づいた――、魏良が二人に接近してくる。
 茉莉は身を固くした。

「娘よ、不運だとは思う。だが、だからと言って見逃すわけにはいかぬ。苦しまぬよう始末してやるから、さあ、こちらへ」

 魏良が手を伸ばした。
 とっさに走って逃げようとした茉莉は、しかし、妖怪に背を向ける恐怖心から、相対したままの状態から動くことができなかった。
 一度体が静止してしまうと、人ならざる者が放つ恐怖に、茉莉は打ち勝てなくなって、固まった。
涙がこぼれそうになり、あまり長いとは言えない、今日までの半生が高速で頭の中に展開した。
――なぜか、腹の奥がやけに熱くなった。
 そして深緑色の忍装束の男の手が、茉莉の腕をつかみかけた時。
 切風の手が、魏良の肘をつかんで、それを阻んだ。

「切風。どういうつもりだ」
「見逃してやろうよ」

 魏良の視線が鋭くなった。

「今一度問う。どういうつもりだ?」
「この子は、好き好んでここにきたわけじゃない。一人ぼっちで、戦う力も持たないで、いるべきじゃない場所に迷い込んだわけでしょ。……同じじゃないか、おれと。おれたちと。おれは敵は殺せるけど、そんなやつは手にかけらんない」

「お前にやれとは言っておらん」
「見て見ぬ振りしたなら、やったのと同じだよね。おれ、そういうやつになりたくないな」

 魏良の眉間にしわが寄る。まだつかまれていた肘を、強く払った。

「切風。貴様が我らと共に暮らしながら、どこか一線を引いていたのは知っている」
「えっ? いやおれ、一線なんて」

「だがこれは、仲間を危険にさらす裏切りとなろう。我らは、すでに人への敵意を示したのだ。この娘が、人間を引き連れて裏世界に攻め込んできたならなんとする」

 慌てて茉莉が一歩踏み出す。

「わ、私、そんなことしません!」
「さえずるな! 言葉が通じれば意思が通じるなどと思うなよ、我らは人とは別種の理の内にあるのだ。我らあやかしの歴史は、人との欺き合いの歴史でもあることだしな。……切風」

 魏良は再び切風をにらみつける。

「これが最後だ。いやそうさな、我らの群れへの忠誠の証に、その娘の首をお前の手で取れ。さすれば――」
「……嫌だね。茉莉が死ななくちゃならないとは、おれは思わねえから」

 それから、十数秒。二人は、手を伸ばせば届く距離でにらみ合った。
 そして、魏良が、ぷいと背を向ける。

「お。分かってくれたと思っていいんだよね、魏良?」

 魏良は振り向かず、背中で答える。

「ああ。分かった。お前は、たった今この場をもって、我が群れを追放する」
「つ――っ?」

 それまでどこか弛緩した余裕を持ち続けていた切風が、はっきりと動揺を見せた。
 絶句して、口をぱくぱくと空転させている。

「当然であろう。お前は自らの意志で、我らとたもとを分かったのだ」
「ち、違う。それは誤解だって。むしろおれたちだからこそ、」

「お前はもともと、人に近しくして生きてきた妖怪だ。我らと無理に相いろうとすることはない。……お前とその娘を今ここで討たずにおくのは、最後の情けだ」

 後ろにいた妖怪たちがざわついている。
 中には「手ぬるい」「首を取れ」「人間を帰すな」という声も上がっていた。魏良がそれを手で制する。
 切風が慌てて、そこへ声をかけた。

「わ、分かった、さっきのうそうそ、この子殺せばいいんでしょ!? オーケー了解、やっちゃおうかなー! そーれ食べちゃうぞー!」
「えっ!?」と茉莉。
「好きにしろ」と魏良。

 切風は、おどけているとしか見えない、大人が子供を「お化けだぞー」と驚かす時の姿勢で静止していた。

 魏良が妖怪たちの辺りまで歩きつくと、一団の気配が一気に薄くなっていった。
 彼らの背後には森があったのだが、まるでそこへ溶け込むように、妖怪たちの輪郭はおぼろげに淡くなり、やがて消えた。
 静寂だけが残る。
 切風は、地面に膝をついていた。さっきまでとは打って変わってがっくりと肩を落とした様子が、まるで子供のように見える。

「あ……の。切風、さん」
「……ん。よかったじゃん、茉莉。助かって……」

「……最後、殺そうとしてませんでした?」
「あんなの振りだけ振りだけ。見抜かれてたなー、どうも。ははは……。魏良だって、本気で茉莉が妖怪をやっつけにくるなんて思ってねーよ。ただ最近どうも皆ピリついてるから、そう、あれもそういう振りだな……たぶん」

 茉莉は、切風の横にしゃがみ込んだ。

「ありがとうございました、助けていただいて。……私、どうしたらいいでしょうか」
「どうって、なにがあ?」

 軽薄そうな声とは裏腹に、切風の視線は焦点を合わせず、ただ向こう側にある森のほうを見ている。
 切れ長の鋭い目に、全く力がこもっていないのが、いかにも痛々しかった。

「私のせいですよね……群れを、追われてしまったのは」
「追われた……追われたかー……そうだね……」

 茉莉が、重ねて謝ろうとしたが、それより先に切風が続けた。

「ははは、そうなんだよね……おれ、また一人になっちゃったなあ……せっかく、おれにも手に入ったと思ったのにな……。一線引かれてた、か……へへ……そうだったのかなー……」

「手に入ったって、なにがですか……?」
「家族」

 ぼそりとつぶやいて、切風が立ち上がった。

「行こうか。裏世界は、生身の女の子が長居するとこじゃないね」



 二人は、森の中の獣道を歩いていた。
 茉莉は、裏世界へ来る時にこんな道を通っていない。しかし、切風がこれが帰り道だというので、大人しくついてきている。

「あの、さっきは途中になってしまいましたけど」
「うん?」

「私、どうしたらいいでしょう。切風さんのために、なにかできることありませんか?」
「あー。いいよいいよそんなの。おれの群れ抜けのことなんて気にしてんだ? 人間って律儀だよねー」

「だって、私の気が済みません。命を助けてくださったんですよね?」
「そうか。そんなに値打ちのあるもん助けたんなら、タダってほうが失礼かな。考えとくよ。……あ、ほら」

 獣道の先が、ぼんやりと明るくなっているのが見える。
 それが人里の生む人工の明かりだということが、茉莉にも分かった。

「とにかく一度出るからさ。そしたら裏世界の入り方も教えるよ。入り方が分かれば、もう入らなくて済むでしょ」
「は、はい、ありがとうございます。……あの」

 茉莉が足を止め、数歩先を言っていた切風が振り返る。

「どした?」
「さっき、妖怪の……魏良さんでしたっけ。これからは人間に危害を加えていく、みたいなこと言ってませんでした……?」

「言ってたね。でも茉莉は、今日のことで、いわゆる霊感みたいなものが強くなったと思うから、妖怪の類で怪しいやつがいたら見えるさ。そしたら逃げりゃいいよ」
「あ、そういえば私、小さいころから霊感強いみたいなんですよね。寝てる時に幽霊にのしかかられたり、ここに越してくる前は千葉に住んでたんですけど、小さい山でキャンプしたらお化けが寄ってきたり……」

「ふうん。もともといいカンしてるんだ」
「でも、もしかして私、ただ帰るだけではいけないのでは……。私だけが安全でいてもいけませんし」

 切風が首をかしげた。

「なんで?」
「これでも人間なので、人間が襲われるようなことがあるのなら……防がないと」

 切風が、さらに深く首をかしげる。

「なんで? ああ、茉莉の家族とか仲間とかが襲われるのが心配?」
「それ以外もです。町の人とか、とにかく人間みんなですよ」

 切風が、首をかしげすぎて、上半身が地面と水平になるほどに傾いた。

「わっかんないな。自分と身内以外のことを、なんで気にするわけ?」
「そんな。切風さんだって、見ず知らずの私のことを助けてくれたじゃないですか。しかも私、妖怪ですらないのに」

「おれはただ、おれより弱いやつのことはいじめないって決めてるだけだよ。ま、理解はできないけどちょっぴり納得はした。とにかく出ようよ、ここ。もう少しだからさ」
「……はいっ」

 そう言って、二人が歩き出した時、頭上の枝が音を立てて揺れた。
 風ではない。
 小鳥でもない。
 もっと大きくて、重そうな。
 たとえば、さっきの、大猩猩のような――

 どすっ。
 茉莉は再び、その着地音を聞いた。

「切風えええ……」
「なんだ、猿。まだなにか用かよ」

 果たして、二人の道をふさいで立ちはだかったのは、山次だった。
 その形相は、さっきよりもさらに激しい感情が込められて、顔がしわだらけなのが茉莉にも分かる。

「ひ……ひあ……」

 切風が、茉莉に「下がってな。でもあんま離れないでね」と告げた。

「切風、この犬ころが。お前を殺す。その人間ともども、食ってやる」
「魏良に怒られんじゃねえの?」

「魏良が決めたのは、お前を追放することだけだ。殺すなとは言っておらん」
「似たようなこと言っただろよ」

「あの場ではな。だから、ここまで辛抱してやったのよ。切風、お前はわしに恥をかかせてくれたから殺す。そっちの小娘は、食ってわしの妖力のにえにする」
「別に恥なんてかかせてないじゃん。ちょっと投げつけてやっただけで」

 山次が、牙を剥いて咆哮した。
 茉莉の足に、びりびりというしびれが走る。

「牙も持たん貴様にいいようにあしらわれれば、十二分な屈辱よ! まずは娘のほうからもらおう! そこをのけえ!」
「ちっ!」

 山次が跳ねた。
 切風が迎え撃つ。
 山次が突き出してきた右手を、また切風が取ろうとした。
 しかし山次は体ごと右に跳び、傍らにあった木立を蹴って、切風をかわして茉莉を狙う。

「しまっ……茉莉、逃げ――」

 逃げる。茉莉もそれは承知していた。しかし、さっきの山次の凄まじい吠え声を聴いてから、足が萎えてしまっている。

「くそっ!」

 切風の声と、茉莉が目を閉じるのが、同時だった。
 それからほんの二三秒。
 茉莉が目を開けると、すぐ先に、切風の黒い和服の背中があった。体のどこにも痛いところはない。切風が守ってくれたのだと、礼を言おうと思ったが。

「切風さん!?」

 切風の右腕には袖がなかった。山次に引きちぎられたに違いない。その証拠に、肘のすぐ下にはえぐられた傷跡と、おびただしい流血が見て取れる。

「猿のくせに、頭使うよねえ」
「はん。お前に、他者を守って戦うなどという芸当はできんだろうが」

「茉莉」切風が山次をにらんだまま、振り向かずに言う。

「は、はいっ」
「なんとか隙を作るから、その間に逃げなね。あの光に向かって走れば、表の世界まではすぐだから」

「な……そんな、私だけ……切風さん、私の」
「言っとくけど、別に茉莉を守って犠牲になろうとか、そういうのは全然ないから。ただ、あんたいると足手まといなだけ」

 それは事実だったろう。
 茉莉は、傷つきはした。しかし、納得もした。

「おお、おお、なにをぼそぼそやってやがる。切風、お前その腕じゃ、もうわしの爪は防げんだろうな。一思いに首を取ってやろうか。いや、またその小娘を狙ってもいいな。またお前がかばうだろうからよ。どちらでもわしの勝ちよのお」

 山次がぐにゃりと笑う。切風の血がついた自分の爪を、べろりと舐め上げた。

「あんにゃろう、猿がいっぱしに駆け引きかよ。いいよ、どっち狙ってきても、撃墜してやる」
「ほおお。できるかのお?」

「できないと思ってんのか……?」

 腰を落とした切風が、呼吸を整える。
 その肩の辺りを、茉莉が後ろからちょいちょいとつついた。

「切風さん、あの人なんですけど」
「茉莉、今ちょっと忙しいから」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す

RINFAM
ファンタジー
 なんの罰ゲームだ、これ!!!!  あああああ!!! 本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!  そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!  一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!  かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。 年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。 4コマ漫画版もあります。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

処理中です...