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第三十七話 恐怖の盾なる用心棒
クエストクリア!
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地味に熱いセリフを吐くミケだが、鬱憤耐えかねたかヒートアップしている。さりげなくベネットが間に入ったところで、ニンフォは腕を組み肩をすくめた。
「だって……アイツ、大っ嫌い。タンデムのヤツ……」
その言葉は、怒っていると言うより……真剣な声音だった。違和感を覚えて立ち止まるエフォーツ冒険者一同。
「そんな真剣な顔になっちゃってー。何に怒ってるのー?」
シャットの問いに「よく聞いてくれた!」と言いたげに、ニヤッと笑ったニンフォ。
「……私が怒ってるのは、カタナ抜いて殺しにかかってきたことじゃないの」
「えっ? それじゃないんなら、何にキレてるんッスか」
「アイツ、私を……私だけを嫌ってたのよ」
彼女の言葉に、一同ハッとして口を閉ざす。タンデムは最初、ニンフォだけに刃を向けていた。しかしナガレたちが隣に立った瞬間、すぐに戦いに消極的になった。
ブリザードホーク戦で助太刀してくれた時も、ニンフォ以外には好意的に接していた。タンデムが薄情すぎるという可能性もあるが、メルルを放置してまでベネットを運んでくれたのだ。
「確かに、私はニンゲンからすれば良いヤツじゃないと思うわ。本能で誘惑しちゃうのも、ニンゲンたちからすればアバズレ女よね」
そう言って俯くニンフォ。打ち明けたら少し落ちついたらしい。
「でも……それがなんか嫌だ。私、ニンフォ・リビドームへの罵倒だったら良いの。だけとメルルって子を見てたら……」
ニンフォが言葉を続けようとした、その時だった。
「あーーーーッ! にーちゃーーーーんッ!」
「うわ!」
暗いムードを引っぺがすような、元気な叫び声。ナガレが振り向くと、道の向こうから手を振りながら、スーが駆け寄ってきた。
「おかえり! クエストは成功できた?」
「え? あ、あぁ! ブランエルクはこのエフォーツがやっつけたぞ! 色々あって死骸は運べなかったから、ギルドに任せてあるけど」
するとスーは頷いて、小さなメモ紙程度の手紙を手渡した。ギルドからで、回収を完了したと言う報告書だ。
「クエスト達成おめでとうっ! ……あ、『他の皆さま』もお疲れ様でした」
妙に含みのある言い方で、ナガレとそれ以外を区別するスー。ムッとした後輩たちをジョーが「ほっとけほっとけ……」と宥めている。
「にーちゃんにーちゃん! パークレットさんが大きなテントを立てて、イベント会場にしてくれたんだ。ディーケーのみんなと話そうよ!」
「え! い、いや、オレはちょっと」
魅力的な誘いのようだが、なぜか遠慮がち……いや、拒否しているナガレ。
「だって……アイツ、大っ嫌い。タンデムのヤツ……」
その言葉は、怒っていると言うより……真剣な声音だった。違和感を覚えて立ち止まるエフォーツ冒険者一同。
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シャットの問いに「よく聞いてくれた!」と言いたげに、ニヤッと笑ったニンフォ。
「……私が怒ってるのは、カタナ抜いて殺しにかかってきたことじゃないの」
「えっ? それじゃないんなら、何にキレてるんッスか」
「アイツ、私を……私だけを嫌ってたのよ」
彼女の言葉に、一同ハッとして口を閉ざす。タンデムは最初、ニンフォだけに刃を向けていた。しかしナガレたちが隣に立った瞬間、すぐに戦いに消極的になった。
ブリザードホーク戦で助太刀してくれた時も、ニンフォ以外には好意的に接していた。タンデムが薄情すぎるという可能性もあるが、メルルを放置してまでベネットを運んでくれたのだ。
「確かに、私はニンゲンからすれば良いヤツじゃないと思うわ。本能で誘惑しちゃうのも、ニンゲンたちからすればアバズレ女よね」
そう言って俯くニンフォ。打ち明けたら少し落ちついたらしい。
「でも……それがなんか嫌だ。私、ニンフォ・リビドームへの罵倒だったら良いの。だけとメルルって子を見てたら……」
ニンフォが言葉を続けようとした、その時だった。
「あーーーーッ! にーちゃーーーーんッ!」
「うわ!」
暗いムードを引っぺがすような、元気な叫び声。ナガレが振り向くと、道の向こうから手を振りながら、スーが駆け寄ってきた。
「おかえり! クエストは成功できた?」
「え? あ、あぁ! ブランエルクはこのエフォーツがやっつけたぞ! 色々あって死骸は運べなかったから、ギルドに任せてあるけど」
するとスーは頷いて、小さなメモ紙程度の手紙を手渡した。ギルドからで、回収を完了したと言う報告書だ。
「クエスト達成おめでとうっ! ……あ、『他の皆さま』もお疲れ様でした」
妙に含みのある言い方で、ナガレとそれ以外を区別するスー。ムッとした後輩たちをジョーが「ほっとけほっとけ……」と宥めている。
「にーちゃんにーちゃん! パークレットさんが大きなテントを立てて、イベント会場にしてくれたんだ。ディーケーのみんなと話そうよ!」
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魅力的な誘いのようだが、なぜか遠慮がち……いや、拒否しているナガレ。
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