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第三十九・五話 魔術師の退屈しない毎日
いきなり取り残された新キャラ
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「えっ? あ、あのー?」
フランクたちの自己紹介が終わった瞬間、みんな一斉に元の生活へ戻り始めた。用済みとばかりにさっさと帰っていくのを見て露骨に困惑するフランク。
「ちょ、ちょっと待てよ! 話はまだ終わってないんだ!」
「なんだよお前たち。そんなに俺様を褒め称えたいのか? あいにく腰巾着ならもう間に合ってるぞ」
(うわコイツ、本人が腰巾着って言ってますよ。最低ですね、女の子をなんだと……)
「なんですかな? こんなヘナチョコグズグズの冒険者どもに変わって、この騎士がお聞きいたしましょう」
「実際はこの前騎士になったばっかりなんですけどねぇ」
無駄口を叩くエレナを睨んでから、クリストフはにこやかに笑いかけた。
「あ、良いですか? ありがとうございます! ボクたちも命を助けていただいたのはありますが……」
「実はもう少し、問題があるんなぁ~」
「ほうほう、なんでも言ってくだされ。我々に協力できることはございますかな?」
名誉挽回してやろうと語りかけるクリストフ。フランクたちは「いやそんな、悪いですよ~」と謙遜している様子を見せている……が、彼らがニヤリとほくそ笑んだのを、エレナは見逃さなかった。
「ところでちょっと困ってることがあって……。おじさま、聞いてくださいませんか?」
「はい、なんでしょう?」
エルフ少女のソロキは、ゆっくりとクリストフへ近づいた。身長差こそあるが、実際はソロキのほうが年上だ。
「実は我々は、旅商人をしているんです。ステップスイギュウに荷車を引かせていたんですけど……でもその途中、シマシマムシの縄張りに入っちゃって」
「そうなんよなぁ。ウシが驚いて逃げちゃったから、まぁそれは良いんだけど、荷車は大切なんなぁ」
「アレには我々の財産が入ってて……今持ってるのは二束三文のお金だけ。それにアレにはお宝とか武器防具みたいな商品もぎっしり詰まってて」
「つまりそれを捜索、回収して欲しいってことですか?」
エレナの言葉に、フランクたち三人は「ふんふん!」と頷いた。
「ワレワレには現在オカネがありませんから~ぜひ信頼できる誇り高き騎士の皆様にお願いしたいんです……国民の願いを聞き入れてもらえませんでしょうか?」
「ハッ、俺様たちはお邪魔のようだ。あばよ、ちょっと僧侶!」
「へいへいさよなら、意気地なしケンガ!」
そう言って憎まれ口を叩きつつ、二人はさっさと帰っていった。
「あらら、行っちゃった……」
「はっはっは! 偽善者は去りました。さぁ、お困りのことはなんでしょうかな?」
フランクたちの自己紹介が終わった瞬間、みんな一斉に元の生活へ戻り始めた。用済みとばかりにさっさと帰っていくのを見て露骨に困惑するフランク。
「ちょ、ちょっと待てよ! 話はまだ終わってないんだ!」
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(うわコイツ、本人が腰巾着って言ってますよ。最低ですね、女の子をなんだと……)
「なんですかな? こんなヘナチョコグズグズの冒険者どもに変わって、この騎士がお聞きいたしましょう」
「実際はこの前騎士になったばっかりなんですけどねぇ」
無駄口を叩くエレナを睨んでから、クリストフはにこやかに笑いかけた。
「あ、良いですか? ありがとうございます! ボクたちも命を助けていただいたのはありますが……」
「実はもう少し、問題があるんなぁ~」
「ほうほう、なんでも言ってくだされ。我々に協力できることはございますかな?」
名誉挽回してやろうと語りかけるクリストフ。フランクたちは「いやそんな、悪いですよ~」と謙遜している様子を見せている……が、彼らがニヤリとほくそ笑んだのを、エレナは見逃さなかった。
「ところでちょっと困ってることがあって……。おじさま、聞いてくださいませんか?」
「はい、なんでしょう?」
エルフ少女のソロキは、ゆっくりとクリストフへ近づいた。身長差こそあるが、実際はソロキのほうが年上だ。
「実は我々は、旅商人をしているんです。ステップスイギュウに荷車を引かせていたんですけど……でもその途中、シマシマムシの縄張りに入っちゃって」
「そうなんよなぁ。ウシが驚いて逃げちゃったから、まぁそれは良いんだけど、荷車は大切なんなぁ」
「アレには我々の財産が入ってて……今持ってるのは二束三文のお金だけ。それにアレにはお宝とか武器防具みたいな商品もぎっしり詰まってて」
「つまりそれを捜索、回収して欲しいってことですか?」
エレナの言葉に、フランクたち三人は「ふんふん!」と頷いた。
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「ハッ、俺様たちはお邪魔のようだ。あばよ、ちょっと僧侶!」
「へいへいさよなら、意気地なしケンガ!」
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「あらら、行っちゃった……」
「はっはっは! 偽善者は去りました。さぁ、お困りのことはなんでしょうかな?」
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