崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第四十一話 怪力と愚か者と家族愛と

秋、それは離脱の季節

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 大雪原の広がる豪雪地域・コナキ地方。
 そんな環境に秋がやってきた!

 気温も少しずつ、しかし確実に下がっていき、子供たちは日常の変化、そして冬へ向けてワクワクが止まらない。
 しかし大人たちは、コナキ地方の自然が猛威を振るう冬を考え、ため息が出るばかり。
 風が強くなりました、初秋の頃……。

 宿屋トラクティールは通常営業中。しかしその空き部屋の数は、少しずつ増えていた。
 温かみのあるオレンジの照明。宿屋のカウンターでも、今日もまた部屋のカギを返す客がいた。

「そうですか……本日チェックアウト以降の、本来予定されていた分の宿泊料金の返金はできませんが、宜しかったですか?」
「ああ、頼むぜねぇさん。料金の方も問題ねえ、どうせ大量発生のプログラムでマリーオウに払ってもらってんだから」
 少し残念そうな、厚めの防寒ベストを着た受付のお姉さん。彼女の前に立つのは、屈強な四人組の男女。背中に武器を背負った冒険者パーティだ。
「一応、理由をお聞かせ願えませんか? 今後の営業の参考にさせていただきます」
「ああ、別にアンタがたが悪いって話じゃあねえんだ。むしろこのトラクティールはいい宿屋だった。住み心地よかったぜ」
 リーダーらしき男は気さくに手を振った。しかし、少し後ろめたそうに声のトーンを下げる。
「だがなぁ。最近何かと物騒になってやがる。イビル教団とかいう奴もいっぱいいるみたいだし。聞けば、紫色のモンスターが増えてきてるって話じゃねえか」
 仲間たちも口々に不安の声を上げた。
「市長を誘拐されるほど活発化してるなんて…こんな大きな都市でも、奴らは事件を起こしたのよ」
「もうコナキ地方にはいられねぇ。幸い、他の地方は奴らの活動地点じゃねえようだ。地元の方が安全だな」
「あたしらはヒーローじゃないからね。命あっての物種ものだねだよ。カネをもっと稼げれば良かったけど、早いとこ切り上げてポーツ地方に帰ろうよ」
 イビル教団の市長誘拐事件以来、『大量発生モンスター討伐プログラム』で、全国から集められたたくさんの冒険者。
 しかし最近は次々と彼らのように、元の生活、活動する地方へ帰還している。
 ナガレたちのように止めようとするものは少数派。大多数は戦ってカネを稼げればそれで良い冒険者たちだ。彼らを臆病だなどと言うのは筋違いである。

「そうですか……かしこまりました。またのご来店、ご宿泊をお待ちしております」
「そんな顔しないでくれ。本当にこの宿屋は良かったからよ。……んじゃ、そういうことで」
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