崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第五話 荒野のスカベンジャー!

ついに昇格!

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~☆~☆~☆~☆~☆~

「ア……アァ……ひ、ひぬかと思った……」
「……早く逃げろと言ったのに」
 そんな訳でバッファローの街まで全力疾走したナガレたち。最後尾のナガレはホクス平原まで追いかけられ大変だった……。
「ハァハァ……よ、よくアイツを撒けたわね~……」
「森に入ったらどっかに行きました……じ、じぬぅ……」
「そ、そろそろ降りてくんねぇか?」
「もう少しお願いしまずぅ~……」
 タネツにおぶってもらいながら、ナガレはなんとか息を整える。逆にジョーはあれだけの速度で走りながら、ほとんど息を切らせたりしていない。

「おっ? お帰り、遅かったな……わーっ⁉︎」
「なんじゃアルクル、でかい声出しおって……ふぇぇーーっ⁉︎」
 ギルドに入ってきたボロボロの一行を見て、アルクルとレンは相当驚いたようだ。
「な、ナガレ君⁉︎ 装備が所々コゲてるぞ⁉︎」
「何があったのじゃ! ロックホークは討伐出来たかの⁉︎」
「ちょ、ちょっと休ませてぇ……」
 冒険者トリオは疲労のあまり、床に倒れ込んでしまった。
「……何があったかは、俺が説明します」
「アックス殿⁉︎ まさかロックホークを手伝ってしもうたのか!」
「いえ……ロックホークを倒したのは、ナガレたちです。俺は何も助けていません。ですが倒した直後にレッドワイバーンが現れたのです」
 そうしてジョーは、何が起こったのかを丁寧に説明する。最初は慌てていたレンとアルクルも、だんだん深刻な表情になってきた。
「むぅっ……まさかレッドワイバーンまで現れるとは。事態は想像以上におかしくなっておるんじゃのう」
「レッドワイバーンは火山地帯に生息するモンスターだ。こんなところにいるのはおかしい……ロックホークを追いかけ回していたのも妙だな。火山近くに迷い込んだロックホークをここまで追いかけ回したってことなのか?」
 二人して考え込んでいる間に、ようやくナガレが立ち上がった。
「あー疲れた……そうだ、これロックホークの皮です。これで証明になります?」
 背負っていたズタ袋から、大きめの皮をアルクルに差し出した。残念ながら所々コゲているが、ほとんどは無事だったようで、新品そのものである。
「ふーん、確かにロックホークの素材だ。マスター、これクエスト達成でいいっすかね?」
「うむ……死体が見つかるか分からんのが心配じゃが……。まあ問題はないじゃろう」
「そ、それじゃあ……」
 目を輝かせるナガレ。レンはにっこり笑って、ナガレに小さなバッジのようなものを差し出した。
「うむ! ナガレ・ウエストよ! そなたをこれよりC級冒険者に昇格する! より一層励むのじゃぞ」
「こ、これはライセンスか!」
 震えながらバッジを受け取り、スカーフにピンとつけてみる。銅で出来たC級ライセンスは、心なしかピカピカに光って見えた。

「やった……いーやったぁーーっ!」
 ついに喜びが爆発して、ナガレは完全復活! その勢いのままジョーに飛びついた!
「ぐわっ⁉︎」
「どうだどうだジョーっ! オレもCランクだぞーっ! あと三回でお前に追いつくんだーっ! わーっはっはっはっは~!」
「く……フフッ、そうだな……」
 ジョーは少し嫌そうな表情だったが、ナガレを拒絶することはなかった。彼もまた、努力の成果を認めているのかもしれない。
「よぉっしよくやったナガレ! こりゃ昇格を祝って酒盛りだな!」
「え、タネツ奢ってくれるの~⁉︎ 私なんにもしてないのに悪いわね~」
「え、いやそんなこたぁ一言も……」
「マジっすか⁉︎ ゴチになりまっす!」
 タネツが何かいう前に、ナガレとヒズマに手を引っ張られていく。
「ジョー! おめーも来いよ! タネツさんが奢ってくれるってさ!」
「だからそんなこと言ってねぇよ~っ!」
「あはははははは~っ!」
 そう言ってギルドを出ていく一向。その姿を見送りながら、ジョーはマスクの下で微笑んだ。
(……フッ、たまにはこんなのも良いか……)
 そう心中で呟いて、その後を歩いて追いかける。真っ赤な夕陽を浴びながら、一行は酒場へ歩いていった。
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