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第十三話 スライムパニック
ベアンの真相
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「クエストは失敗だけと、生きて帰れたことにカンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
かちゃーん!
夕方、五人でいつもの『サン・ノミーヤ』の赤いソファ席へ。スラガンビールがなみなみ注がれたグラスを五人で打ち鳴らす。
「んくんく……ぷはぁっ! うんめー、頑張った後のビールは格別だぁ~」
「レガーナさん~! そんなオッサンみたいなこと言わないでくださいよ!」
「それにクエストは失敗してるッスけどね。こりゃまるで成功したようなテンションッス」
「何言うとんねんバード! 負けた時こそしゃんとしてテンアゲせなあかん!」
するとバーテンダーのベルナーが料理を持ってきてくれた。五人前のシンプルな山盛りステーキだ。
「ビーフステーキです、召し上がれ。ご注文は以上で?」
「そうだな。アンタら、ホントにコレだけでいーのか? あーしの奢りなのに」
「良いんッスよ、今日は失敗したのでちょっとは気を使ってやるッス」
「そう言うこっちゃ。それに今日はガッツリ食べたい気分やねん。乙女らしくないとか言うなよ! どーせアピールするよーなオトコもおらんねん」
(実はいるんだけどね、ここに……まぁアピールされるほどイケメンかは分からんけど。それはそうと……そろそろ大丈夫かな?)
ナガレはチラリとベアンの様子を伺う。すでに結構飲んでいるようだが……。酔っ払っていたら、あのことを……謎の人物と話していたことを聞き出せるかもしれない。
なるべく警戒させないように、自然と聞かなくては……と、思ったのに。
「あの、ベアンさん」
「ん、どしたよレガーナちゃん」
「クエストについて作戦会議した日、誰かと話してましたよね。どんなこと話してたんですか?」
「ああ、大したことじゃねえ。どーせ怪しいヤツだったから突っぱねてやったさ」
(あれ……そんなアッサリ話してくれんの?)
拍子抜けしたナガレ。べアンは頭をぽりぱり掻いて、何か思い出しているようだ。
「えーっとな、マネージャーがあーしと話したい奴がいるっつって待機させて来てよー。そしたらタキシード来た年増の女が来やがって、あーしに『私が指定したクエストを受けろ。良い思いをさせてやる』って言ってくんの」
「え! それって怪しすぎます! ゼッタイにダメなやつ……」
「おう、あーしもそう思った。だけどあんにゃろ『後輩たちにも勧めてみろ』だの言いやがって。あーしの可愛い可愛い後輩を売るようなマネしねえって言ってやったよ!」
「おお! パイセンスゲーッス!」
「よう言うた! それでこそ討伐組のリーダーや!」
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