崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第十五話 リトル・ドラゴンスレイヤー

再会のチョベリグ

　……そんなことを考えていると、女性がナガレに気づいた。
「……ん？」
　先ほどのルックと同じように凝視して……前傾姿勢のまま、ずんずん近づいてくる！
「ん！　ん！　んん～!?」
「え、なになに!?　怖いっ！」
　アリッサの後ろに隠れようとしたナガレだが……後ろを向くとすでに二人が、ナガレの後ろに隠れていた。
「うわ早っ!?」
「なんなのあの人！」
「なんか変だぞ！」
　わちゃわちゃしている間に、どんどんイヌ耳女は近づいてくる。
「……あーっ！　そ、その顔、やっぱナガレっち!?」
「ん？　オレを知ってる……んですか？」
　ナガレが構えを解くと、女性はニコニコ顔で「うぇーい！」とハイタッチしてくれた。
「やーやー、オヒサブリ！　忘れてたわけじゃーないっしょ!?　ね、ナガレっち！　やーマヂうれぴょん！　知り合いに会えてグッジョだわ～」
　その声にナガレは、確かに聞き覚えがあった。こんな独特な話し方をする存在、絶対に忘れない！
「あぁーっ！　お、思い出した！　アンタは……」
　ナガレは驚いて指をさし……。
「ベンチャー！」
「……あーし、そんな新規ビジネス起業じゃないんですけどー。センチアだよセンチア。キンテツ村であったでしょー？」
「えっと、もしかしてベアンさん？」
「センチアだっつーの！　センチア・バナード！」
「あ、そうだっけ。おんなじあーし呼びだったから分かんなかったよ」
「アンタは一人称で人を判断してんのか！　……まぁいいや、ナガレっちって面白いね」
(アレ、言葉が戻ってない？)
(もしかして、こっちが素なのかも？)
　コソコソ話すアリッサとルックはさておき、ナガレはふと首を傾げた。
「ところでセンチア、こんなところに何のよう？　自分で言うのも何だけど、ここは大した町じゃないよ。確かに生活する分には困らないけど……」
「やっと聞いたし。実はあーしさぁ……」
　センチアが事情を説明してくれた……のだが。
「とりまアゲピのギルでダンケとリサっちがコッケンすっからセイントサーチングでアレがソレでコレがドレで○○で☆♪て%→☆○〒…………」
　……こんな感じで未知の言語だったので、簡単に要約する。

　センチアは『イーターズ』という冒険者パーティに所属している。
→そのメンバーであるダンケとカナ、この二人の冒険者は付き合っており、近々結婚するらしい。(第十話)
→結婚式をするには、なるべく教会がいい。
→しかし、彼女らがいるスワロー村はど田舎で教会がなかった。
→だからセンチアはカナとダンケのために、教会がある近場の街を探してあげていた。

　……とのことである。
「分かった？　ナガレっち。そこのギャルとギャル男ちゃんも」
「……」「……」「……」
　……まるで異民族の言葉のように話されて、ナガレたちは宇宙猫状態だった。