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第十六話 進化の道
新婚
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「やあどうも、バッファローの皆さん」
「こ……こんにちはっ」
「お! アンタら確か見たことあるぞ。ええっと名前は……」
ナガレはちょっと考えてから、ポンと手を叩いた。
「カヌーとダンク!」
「そんなスポーツみたいな名前じゃないです……私はダンケ・アクアイス。そしてこっちが……」
ダンケが突っ込んで本当の名を答えると、カナはほんのり顔を赤らめて、どこか嬉しそうに俯いた。
「うん……カナ・アクアイスですっ……」
「ああそうだっけ。結婚おめでとうございます!」
「では人間のしきたりに倣って、ご祝儀とか送った方がいいですか……」
ポカポカッ!
「バカエルフ! そんなこと口に出すな気づかれるだろうが!」
「アンタがそう言ったから渡さなきゃいけなくなるじゃないの」
うっかり口を滑らせたサニーは、タネツとヒズマから同時に頭をはたかれた。
「ははは……いえいえ、そんなに気を使ってもらわなくても大丈夫ですよ」
爽やかな笑顔のダンケ。こういった塩顔のイケメンが好きな女性に刺さるスマイルである。
「そりゃよかった。ウチのギルドは貧乏だから、自然とオレたちも節約家になっちゃって……へくちっ!」
と、ここで冷たい風が吹く。汗で冷えた体には寒く、ナガレはクシャミしてしまった。
「大丈夫ですかっ!?」
「ナガレ君、立ち話はやめとこうよ。このままじゃカゼひいちゃうよ」
「それもそうだな。じゃあまあ、何もない街だけどゆっくりしてってよ。町はずれに牧場があってさ、馬とか牛とかいろんな家畜がいるから行ってみたら? それじゃ……へっくしょい!」
またまた風が吹いて、ナガレは体をブルブルっと震わせた。
……だがこの空気が暖かくなるまで、つまり春になるまでにギルドを立て直さないと、解散になってしまう。
「そんじゃここで解散だな。ナガレ君、お風呂屋さん行こうか」
「タネツさん、そんな凄みのあるスキンヘッドでそんなセリフ言わないでください。意味が違って聞こえます……」
「……」
そんな感じで離散していく一同を、民家の影から見ている男がいた。
黒っぽい服装に灰色のコートといった地味だが自然な服装で、誰にも気に留められていない。
「ふうむ……」
サラサラサラ……。
その人物はメモ帳にペンで何か書き記している。
「……動くな。声を上げるとうなじを斬る」
その時、コート男の背後から声が聞こえた。それと同時に首筋に、何か冷たいものが触れる。
「……貴様、何者だ」
ジョーが音もなく背後に回り、ダガーの峰を首の後ろに突き付けていた。今ジョーが手首を回せば、即座に切断できる。男はゆっくりと手を挙げ、口を開いた。
「こ……こんにちはっ」
「お! アンタら確か見たことあるぞ。ええっと名前は……」
ナガレはちょっと考えてから、ポンと手を叩いた。
「カヌーとダンク!」
「そんなスポーツみたいな名前じゃないです……私はダンケ・アクアイス。そしてこっちが……」
ダンケが突っ込んで本当の名を答えると、カナはほんのり顔を赤らめて、どこか嬉しそうに俯いた。
「うん……カナ・アクアイスですっ……」
「ああそうだっけ。結婚おめでとうございます!」
「では人間のしきたりに倣って、ご祝儀とか送った方がいいですか……」
ポカポカッ!
「バカエルフ! そんなこと口に出すな気づかれるだろうが!」
「アンタがそう言ったから渡さなきゃいけなくなるじゃないの」
うっかり口を滑らせたサニーは、タネツとヒズマから同時に頭をはたかれた。
「ははは……いえいえ、そんなに気を使ってもらわなくても大丈夫ですよ」
爽やかな笑顔のダンケ。こういった塩顔のイケメンが好きな女性に刺さるスマイルである。
「そりゃよかった。ウチのギルドは貧乏だから、自然とオレたちも節約家になっちゃって……へくちっ!」
と、ここで冷たい風が吹く。汗で冷えた体には寒く、ナガレはクシャミしてしまった。
「大丈夫ですかっ!?」
「ナガレ君、立ち話はやめとこうよ。このままじゃカゼひいちゃうよ」
「それもそうだな。じゃあまあ、何もない街だけどゆっくりしてってよ。町はずれに牧場があってさ、馬とか牛とかいろんな家畜がいるから行ってみたら? それじゃ……へっくしょい!」
またまた風が吹いて、ナガレは体をブルブルっと震わせた。
……だがこの空気が暖かくなるまで、つまり春になるまでにギルドを立て直さないと、解散になってしまう。
「そんじゃここで解散だな。ナガレ君、お風呂屋さん行こうか」
「タネツさん、そんな凄みのあるスキンヘッドでそんなセリフ言わないでください。意味が違って聞こえます……」
「……」
そんな感じで離散していく一同を、民家の影から見ている男がいた。
黒っぽい服装に灰色のコートといった地味だが自然な服装で、誰にも気に留められていない。
「ふうむ……」
サラサラサラ……。
その人物はメモ帳にペンで何か書き記している。
「……動くな。声を上げるとうなじを斬る」
その時、コート男の背後から声が聞こえた。それと同時に首筋に、何か冷たいものが触れる。
「……貴様、何者だ」
ジョーが音もなく背後に回り、ダガーの峰を首の後ろに突き付けていた。今ジョーが手首を回せば、即座に切断できる。男はゆっくりと手を挙げ、口を開いた。
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