崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第十八話 悪夢の遠吠え

庭園の一コマ

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 ナガレがボソッと呟いたのに興味を持ったようだ。反応したハーバードに、ナガレは内心でほくそ笑みながら「ボク、とっても困ってるんですぅ~」みたいな上目遣いで見つめる。
「実は我々バッファローのギルドは解散の危機に陥っていまして……町の光景も素晴らしく、富裕層の別荘地として最適かと思われるのですが」
「ふむ……」
「はぁ~、どこかのお金持ちが寛大なる御心で、ギルドへ支援してくださらないでしょうか……ここから復興すれば、それは全て出資者の手柄となるでしょうに……」
 そう言いつつ背を向けるナガレ。
「あー、君! 待ちたまえ! 確かナガレさんと言ったね?」
「はい、私が何か……?」

「君、ちょっと残りたまえ。個別に話がある」
「……! はいっ!」
 内心「しめた!」と思いつつ、ナガレは元気よく返事をした。
「てな訳だからフローレンス、先に帰ってて」
「は、はい。分かりました。……でも、あんま長引くとイヤですよ」
「あんっ……だ、大丈夫っ……す、すぐ終わらせるから……っ」
「そういうこと言ってんじゃなくって! とっととバッファローに帰りましょーよ!」
「はいはい、ちょっとフザけただけだってば」
「父上、今のはどういう事なんですか?」
「知らんでいい! グレッグよ、お前にはまだ早い」

~☆~☆~☆~☆~☆~

「……てな訳で、ちょっと気になるけど出てきました。いや~、空が快晴できんもちいいです~」
 青空を見上げて、ぐっと背伸びをするフローレンス。イーターズやドルーシバの面々とも別れたが、自分はちょっと庭園を探索してみようと思ったのだ。どんな花を育てているのか興味がある。
 ……と、思っていたのに。
「よう、デカい独り言だな」
「……なんですか、ケンガさん?」
 後ろから呼びかけられ、イヤそうな顔で振り向くフローレンス。視線の先には、ハンチング帽に黒いコートを着たオシャレなケンガがいた。
「そんな顔すんなよ。ハーバード様の妹、シャルロット嬢の庭園に入ろうとする怪しいヤツがいたから声をかけただけさ」
「それを私の目の前で言うって意味が分かってますか? ……宣戦布告、果たし状、挑発、扇動、決闘の申し込み、この中のどれですか?」
 普段糸目のフローレンスだが、今回はギロリと目を開けて睨みつけた。ケンガも眉を吊り上げて気丈に睨み返す。
 視線をぶつけ合って、バチバチバチ! と火花が散った。
「……やるか? お互い無事じゃすまないぞ。どちらかが死ぬまで続けることになるだろう」
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