崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第十九話 禍のエースストライカー

弱くなった二人

「ギギャッ⁉︎」
　自分の手を止められてマガツゴーストも驚いたようだ。まだ雑魚のＣランク冒険者だが、それでも防御ステータスBはダテではない。
　それを見ていたジョーは、ちょっぴり悔しい気分になった。
(……あれはスキル『防御上手』もあるな。ナガレの技量が未熟なら、ガードできずに上から吹っ飛んだはずだ。……アイツは強くなっている。それに比べて俺は……)
　いや、そんなことは考えなくとも良い。後悔はいつか死んでからすればいい！　大ジャンプして宙に舞い上がり、狙うはマガツゴーストの首だ！
「……ネックスラッシュ！　ハァッ！」
　バシュッッッ……ブォンッ！
「ギギギッ……！」
　ノイズのような音を立てて、マガツゴーストの首が切断される。だが、やはり紫の粒子を集めて元に戻ってしまう。
　シュタッ！
「ジョー、これで本当に大丈夫か？」
「……ああ。再生はするが効いていないわけじゃない。特に部位を破壊したり切断したりすると大きなダメージを与えられそうだ」
「なるほど！　……いや、オレ物理攻撃しかできないからなぁ。そういえば、自分でも分かんねえけどなんで攻撃ガードできたんだ？　相手は物理攻撃効きにくいゴーストなのに」
「……お前は魔法防御もそこそこ高かっただろう。だからゴーストの体を使った攻撃もガードできるんだ」
「あ～、なるへそ！」

「だりゃあぁぁぁ！」
　ナガレが納得した途端、後ろからケンガが飛び出した。またも腕に氷を纏わせて飛びつきパンチ！
「アイシングナックル！」
　パキィン！
「グギャッ⁉︎　……ギャギャー！」
　一瞬マガツゴーストを怯ませるも、すぐに反撃のパンチをくらってしまう。ガードの上から叩き潰され弾丸のようにぶっ飛んだ！
「がはぁっ！」
「お、おいっ！　無理するなケンガ！」
　ナガレの声が、どこか遠くに聞こえる。地面に叩きつけられ、一瞬意識が飛んだらしい。
「ぐ……クソクソクソ！　俺様だって……俺だって！」
「ほら立って！」
　フローレンスが手を差し伸べる。ケンガはよく考えずその手を取って立ち上がった。
「すまん助かっ……」

「いい加減にしなさいっ！」
　パシン！
「ぐぇ⁉︎」
「え？」「……なに⁉︎」「ち、ちょっとぉ⁉︎」

　なんとフローレンスがいきなりビンタをかます！　頬が赤くなることも無ければヒリヒリすることもない軽い一発だったが、驚きでケンガはすぐに動けなかった。
「ちょちょちょっフローレンス！　何やって……」
「ギギャアーッ！」
　ブンッ……ガキィン！
「ぐっ！」
　こんな時にまた喧嘩かと、慌てて止めに入ろうとするナガレ。だがマガツゴーストにそんなことは関係ない！