崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十話 崖っぷちのギルド!

言い争い

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 突然フローレンスが立ち上がり、ケンガをビシッと指差した!
 ガタガタガタッ!
「きゃあっ⁉︎」「あぶねっ⁉︎」
 テーブルがひっくり返りそうになって、慌てて自分の食べ物を守るタネツたち。周囲の驚いた視線を無視してフローレンスは大声を上げた。
「ダメですっ、一度抜けた手前、そんな『なぁなぁで復帰』だなんて私が許しませんっ!」
「え? お、落ち着けよフローレンス。それにケンガは仲間に戻ってくれるなんて一言も……」
「いーや、言おうとしてました。しかも『俺様が寛大にもバッファローへ戻ってやる。私の男にしてやるから感謝しろよメス男子!』って言おうとしてましたっ」
「セリフの前半はともかく後半は誤解だ! それはお前の願望だろ!」
 ギャグ混じりの文句だがフローレンスは全く怯まない。それどころかズガズカ歩み寄って来た。
「ぜぇったいにダメです! ケンガが復帰したいのならちゃんとスジ通してくださいっ」
「えっ? い、いや、オレたち解散の危機……」
「第一声が深い謝罪であればよし……それ以外ならもう奴に帰る場所などない。おれ達がやってんのはガキの海賊ごっこじゃねェんだぞ!」
 ドンッ!
「もう第一声は終わってるよ……てかオレたち海賊じゃないし」
「とにかく、キッチリ謝罪してもらいますからね! アンタが勝手に抜けた時ナガレさんがどれだけ落ち込んだかっ!」
(フローレンス、あの場にいなかったよな)
(私たちが教えたことを、あたかも自分の知識のように言ってるわね~……)
(……バカバカしい)
 コソコソ話すタネツとヒズマ。ジョーは呆れ顔で様子を見守っている。

「わ、分かったよ……」
 ケンガは渋々立ち上がって、びっくりした顔のナガレに深々と頭を下げた。フローレンスの指示に従うのは癪だが、意見自体は真っ当なので仕方がない。
「待った、ケンガ」
 だがナガレは片手を上げてそれを制した。
「え?」
「続きは店の外で話そう。ここで言い合っても他のお客さんに迷惑だ。……だから今は、料理を食べようぜ」
「! そ、そうだな」
「あ、ご、ごめんなさい……」
 周囲の視線にようやく気づいて、恥ずかしそうに俯いて料理にかぶりつくフローレンス。ケンガも椅子に座って食べ始めた。
 ようやく落ち着いた冒険者たちを見て、他の客もホッとした顔になる。
 それを見ていたジョーは、マスクの下で「フッ」と笑った。
(……こんな大衆の前で謝罪させたらケンガのプライドが傷つく。だから一旦やめさせたんだな。細かいところで気遣いのできる奴だ)
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