崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十話 崖っぷちのギルド!

終わりの雰囲気

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 ……正直、ここから逆転は不可能である。今から入れる保険があるなら教えて欲しい。
「くそぉ、どうしようもない……やっぱりマッシバーの思い通りになっちまったか」
 アルクルも頭を抱えた。せっかくここまで頑張って来たのに、最後は何も出来ずに終わってしまうなんて……。
「……ナガレ、しっかりしろ。まだ終わった訳ではない」
 ジョーが落ち込むみんなを励ます。ナガレは困った顔で頭をわしゃわしゃ掻いた。
「それは分かってるんだけどさぁ……何かしら行動したいんだけど、もう何をすればいいか……クエストか、特訓が、仲間勧誘か……」
「……迷うだなんてお前らしくないぞ。いつもみたいに何かやったらどうだ」
「ジョー……そうだな!」
 ナガレは手を叩いて立ち上がる。こんなところでしょげて立ち止まるなんて、確かに自分らしくない。今できること、やるべきことを続けるのみ!
「よし! 悩むのはもうヤメだ。今日はひとまず解散にしよう」
 周囲のキョトンとした視線を集めながら、ナガレは前向きに顔を上げる。
「ケンガとセンチアの歓迎会は四月になったらやろっか。最悪無くなっちゃっても、また一からオレたちで作ってやろうぜ」
「……そうだな!」「ふふ、燃えて来たわ~!」
「ナガレっち、約束だよ? ちゃんとお酒奢ってね」
「センチアって何歳だっけ?」
「へへー、二十五歳だよ。マヂパリピのアゲポヨっしょ? ナウいギャル街道ピリ辛なんよ!」
 得意げに胸を張るセンチア。しかし一同顔を見合わせた。
(……二十五歳ってギャルなのか?)
(いえ、むしろ二十五歳だからこそ、あんな感じのギャル像なのかもしれません。一昔前のタイプ……)
「聞こえてんのよフロっち! イヌ耳舐めんな!」

~☆~☆~☆~☆~☆~

「……へぇ~、大変だね」
「なんであれ、ご苦労だったナガレ」
 アルカナショップ前のベンチにて、ナガレがお土産に買って来たクッキーを食べるアリッサとルック。
 『キンテツ村の牧場で育った濃厚ミルクと新鮮な卵で作られた、出来立て甘くて美味しいキンテックッキー! 四枚セットで五ダラー!』とパッケージに書かれている。(十一話)
 キンテツ村では牧場も復旧されていたので、おそらく今回は本物だ。ナガレとジョーも一枚食べたが、ミルキーなお味でとても美味しかった。
「ん、この前食ったクッキーと味違くないか?」
「うーん、確かに……」
 アリッサはクッキーを頬張りながら首を傾げる。
「なんかさー、前の方が美味しかったね。やっぱり四枚入りの安い奴だと、クオリティも低いのを入れられちゃうのかな?」
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