崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍

完成! 超巨大バリスタ

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「おおっ……つ、ついに来たか」
 警備兵の青年がゴクリと生唾を飲み込んだ。
「イッチニ!」「イッチニ!」「イッチニ!」
 勇ましい掛け声と共に、二列に並んでかけてくる八人の警備兵。……彼らが力を合わせて運んでいるのは、なんと超巨大なバリスタの弾! 普通の弾は弓矢と同じような物で、木の棒の先に鉄の矢尻と羽をつけたシンプルなもの。
 だが彼らが運ぶのは、太く長い丸太のような大きさに、それよりも巨大な鋼鉄の矢尻、軽い紙素材でなんとか最低限つけられた羽がある。人間くらいの大きさで、明らかにオーバーキルであろう重い弾だ!
「ぜんたーい、止まれッ!」
「「「イッチニ!」」」
「よーし、ご苦労! みんなで矢をセットするぞ」
 そうしてナガレたちも加わり、力を合わせて矢を差し込んで簡易留め具をつける。
「……うわ、なんかベトベトしてる。滑りやすいから気をつけなきゃ……」
「はぁっ、はぁっ……た、隊長。い、言われた通り油をしっかり染み込ませて来ました」
「はぁっ⁉︎」
 そんなこと頼んでませんけど⁉︎ と驚愕するナガレ。だが隊長と呼ばれた青年兵士は首を横に振った。
「はい分かっています。だから発射時にはこの矢に火をつけます! それなら確実にヤツを引き摺り下ろせることでしょう。この弾は一発につき一千万ダラーの制作費用がかかりますが、責任を取るのは上司なので、遠慮なくぶっ放して下さい!」
「…………」
 それでいいのか……そう思う一同だったが、ナガレたち冒険者はニッと笑った。
「でかしたよ、隊長! クビにされたらバッファローへ来な! 牧場雑用ならいつでも空いてるからっ」
 地元民ならではの裏事情を言って、ナガレは歯車を回して弓のバネを弾き始めた。ギュピギュピギュピ……と凄まじく嫌な音を立てて、サービュラ繊維製のロープが引っ張られていく。
「……ナガレ? 俺たちが撃つのか」
 驚いた表情のジョー。当然警備兵が撃つものだと思っていたが、それに答えたのは体調の青年だった。
「我々が放てば、それは配下である我々の責任。ですが冒険者が街の危機に放ったのであれば、上司も強くは言えません。街の危機ですもの。それに少なくとも我々は責められずにすみます」
「……ああそうか」
 諦めて測定結果を紙に書き記すジョー。ナガレは全力でギアを巻いて振り返った。
「ジョー! 撃つのはお前がやってくれ。やったことあるか⁉︎」
「……ああ。バリスタは数回扱ったことがある。……だが、こんな大きなものは流石に初めてだぞ」
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