崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍

凱旋

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「ふ、フフ……ふふふっ……」
 そしてクリフは、彼らしくない気の抜けた笑い声が自然と漏れていた。
「そうか。スカルドラゴンが。君はなんというか、本当に……! くふっ、ふふふ……!」

 どたどたどたどたどたっ!

 その時クリフの後ろから、異様なほど大きな足音が聞こえる。そしてすぐに上がってきたのは……。

「ナガレぇ~~っ! うぐうぐっ、よ、よがっだぁ~~!」
「ながれざぁん! ゔぇあぉぉぉぉ~!」
 垂直の壁を駆け上ったジョー、そしてギャン泣きしながら蜘蛛みたいなスピードではしごを登ってきたフローレンスとケンガだった。みんな湖に落ちて無事だったようだが、体や衣服はぐしょぐしょである。
「……ナガレ」
 そしてジョーは、黙ってナガレとスカルドラゴンを見上げる。彼の手にはマルチスタッフが握られていた。
「……すごいヤツだよ、お前は。まさかスカルドラゴンに認められて背中に乗せてもらうなんて」
 目を細めて静かに笑うジョー。
「うわぁぁ~~!」
「ナガレ君~! 良かった~~!」
 一斉に鉄門の横にある人間用の通路から外へ飛び出していくバッファローの冒険者達。
 彼らの目先には、オレンジの地平線をバックに降りてくるスカルドラゴンと、その背中で手を振るナガレの姿があった。


 バサバサッ……。
 翼膜も無いのに羽ばたくような音を立てて、スカルドラゴンが着地する。
「よっと……」
 ナガレが背中から飛び降りると、スカルドラゴンはじっとこちらを見つめてきた。
「えっと……あ、ありがとう」
 そう言って鼻先を撫でようとすると……。
「カコココッ! カンカカカカカッ!」
 ……激しく威嚇されてしまった。『馴れ合うつもりはないぞ!』と言われているかのようだ。
 だがそれも仕方がない。スカルドラゴンが人間と仲良くなるのは無理な話だ。立場も力も圧倒的に違う。ナガレを助けたのも、気まぐれでしかないのだろう。
 ちょっと困ったナガレだが……最終的に、ニコッと笑いかけた。
「ありがとな。オマエのおかげで助かったよ」
 そう言うと、スカルドラゴンは小さく頷いた。そして再び羽ばたいて宙へ浮き上がる。
「カコココッ!」
 大きなクラッキング音で鳴いて、そのまま大空に飛び上がり、地平線の彼方へ消えていった。
「じゃあな、スカルドラゴン! オマエとはできれば戦いたくないからなぁ~~!」
 そう言って手を振っていると、後ろからたくさんの足音が聞こえてくる。振り向けばバッファローの仲間たちが駆け寄ってくるところだった。
「みんな! 良かった、無事だったのか!」
 ナガレもそちらへ走っていく。夜になりかけの、紫色の夜空。そこには無数の星が煌めいていた。
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