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第二十二話 闇照らす黄金の太陽
束の間の散歩
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「本日の祈願祭は中止です! 再会は明後日を予定しております」
「タイガス市より、今お泊まりになっている宿は無料で宿泊頂けます!」
「日帰り予定で宿の無い方は、タイガス市役所にて申請をお願いします!」
町中で警備兵たちが、メガホン片手に叫んでいる。ようやく落ち着いた人々は、確認用の書類を書きに宿や家へ戻っていった。祭りが中止なのは残念だが、二日追加でタダ宿泊と考えればまぁいいか…といった考えが多いようだ。
そんな中、サキミに連れられてナガレたち冒険者は大通りを歩いていた。周囲には無人の屋台が並んでいる。
「サキミ、一人でここまで来たの? 病気なのに良かったのか?」
ナガレの心配にサキミは微笑んだ。
「ご心配ありがとうございます。それに私、一人じゃないので大丈夫ですよ」
「……そうだね。きっとサキミを見守ってくれてるよ」
「い、いえそういうスピリチュアルな話ではなく……本当に一人じゃないんです」
「え?」
周囲を見ても、レンやらタネツやらセンチアやらケンガやら、近くには仲間たちしかいない。
するとサキミは、なぜか落ちていた木の棒を拾い上げてナガレに手渡した。
「え、なに?」
ワケ分からないが、とりあえず受け取るナガレ。するとサキミはこっちを見たまま数歩後ずさった。
「ナガレさん。その木の棒を思いっきり私に投げつけてみて下さい。私をケガさせるつもりの全力で」
「はぁ⁉︎ い、いくらなんでもそんなことできないよ。何か自信があったとしても、流石にサキミに投げるのは……」
そう言い淀んでいると、横から木の棒を引ったくられた。
「……ナガレ君が投げないなら、私がやるのじゃ」
「あれ、マスター?」
なぜか口をへの字に曲げた不機嫌そうなマスターだ。ナガレが止める前にレンは手を振りかぶり、「えぇーいっ!」と全力で木の棒を投げた!
「あ!」「ちょ⁉︎」「おいっ⁉︎」
冒険者たちが止めようとするも一歩遅かった。木の棒はクルクル回転しながらサキミの顔面直撃コース……。
「あぁーーっ⁉︎」
ナガレが叫んだその瞬間。
シュッ!
ザクッ……!
「ファッ⁉︎」
突然木の棒が、まるで何かに弾かれたように突然横にズレた。近くにあった屋台の柱にぶつかり、カラカラン……と軽い音を立てて地面に落ちる。
「えぇーー⁉︎ ど、どういうこと⁉︎」
「何が起こったんだ! さ、サキミ殿は魔術師だったのか⁉︎」
口々に疑問を口に出す冒険者たちを放って、サキミは右側の通路にあった屋台の影を見る。
「ありがとうございます、オギンさん」
「タイガス市より、今お泊まりになっている宿は無料で宿泊頂けます!」
「日帰り予定で宿の無い方は、タイガス市役所にて申請をお願いします!」
町中で警備兵たちが、メガホン片手に叫んでいる。ようやく落ち着いた人々は、確認用の書類を書きに宿や家へ戻っていった。祭りが中止なのは残念だが、二日追加でタダ宿泊と考えればまぁいいか…といった考えが多いようだ。
そんな中、サキミに連れられてナガレたち冒険者は大通りを歩いていた。周囲には無人の屋台が並んでいる。
「サキミ、一人でここまで来たの? 病気なのに良かったのか?」
ナガレの心配にサキミは微笑んだ。
「ご心配ありがとうございます。それに私、一人じゃないので大丈夫ですよ」
「……そうだね。きっとサキミを見守ってくれてるよ」
「い、いえそういうスピリチュアルな話ではなく……本当に一人じゃないんです」
「え?」
周囲を見ても、レンやらタネツやらセンチアやらケンガやら、近くには仲間たちしかいない。
するとサキミは、なぜか落ちていた木の棒を拾い上げてナガレに手渡した。
「え、なに?」
ワケ分からないが、とりあえず受け取るナガレ。するとサキミはこっちを見たまま数歩後ずさった。
「ナガレさん。その木の棒を思いっきり私に投げつけてみて下さい。私をケガさせるつもりの全力で」
「はぁ⁉︎ い、いくらなんでもそんなことできないよ。何か自信があったとしても、流石にサキミに投げるのは……」
そう言い淀んでいると、横から木の棒を引ったくられた。
「……ナガレ君が投げないなら、私がやるのじゃ」
「あれ、マスター?」
なぜか口をへの字に曲げた不機嫌そうなマスターだ。ナガレが止める前にレンは手を振りかぶり、「えぇーいっ!」と全力で木の棒を投げた!
「あ!」「ちょ⁉︎」「おいっ⁉︎」
冒険者たちが止めようとするも一歩遅かった。木の棒はクルクル回転しながらサキミの顔面直撃コース……。
「あぁーーっ⁉︎」
ナガレが叫んだその瞬間。
シュッ!
ザクッ……!
「ファッ⁉︎」
突然木の棒が、まるで何かに弾かれたように突然横にズレた。近くにあった屋台の柱にぶつかり、カラカラン……と軽い音を立てて地面に落ちる。
「えぇーー⁉︎ ど、どういうこと⁉︎」
「何が起こったんだ! さ、サキミ殿は魔術師だったのか⁉︎」
口々に疑問を口に出す冒険者たちを放って、サキミは右側の通路にあった屋台の影を見る。
「ありがとうございます、オギンさん」
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