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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター
望まぬ再会
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「……ッ!」
ジョーの目がすっと細められる。
「おーおーどうどう、そんな怖い顔すんじゃねーよジャック。いや、今はジョーだったか」
「……因縁をつけに来ただけか」
「そんなくだらないことはしねえよ」
両手を広げて笑うのは……緑の龍の男、マッシバー・J・ドラグーン。いつもながら厳つい頭である。
ジャケットにシャツにベストにスラックス、ネクタイまでつけたフォーマルな服装だ。その上に黒いコートを着て、頭には若干オーバーサイズなハンチング棒を被っていた。
「……その格好はなんだ。ずいぶん懐かしいな」
「なんとでも言いやがれ。エンペリオン地方に行った帰りなんだよ。あのクソ貴族、俺が王への献上品にデカいエルクのモンスターをぶっ殺してやったのに、金を取りにいくのもスーツ着させて呼びつけやがって」
そう言ってマッシバーは、赤い唾を地面に吐き捨てた。
……いや、それは唾ではない。なんと小さな、熱い火の粉だ! それは地面に落ちて、ボシュ……とすぐに消えてしまう。
「チッ、デカい依頼が無くて最近ヒマなんだよ。金ならいくらでもあるってのに。冒険者の心ってのがたぎってくるのかねぇ」
飄々とした様子だが、それに隠れた威圧感も変わらない。強者のプレッシャーだ。
「それで、なら何しに来た」
「つれないねぇ……」
マッシバーはゆっくり近づいてきて、ジョーの肩を組もうとする。その手を払いのけられても、ニヤニヤした笑みを崩さない。
ようやく沈み始めた太陽。その光に照らされて、二人は対峙する。
「ジャ~ック……やっぱし、俺らのところに戻ってこねぇか~? シエラもモモもシルヴィアもペネロペも、みんなお前がいなくて寂しがってるぜぇ~?」
「……足が早くて便利な、使いっ走りがいなくなったからだろう」
「それでもお前は、他のメンバーにできねえことをやってのけた。そしてアイツらも、お前にできないことをやれた。魔法に力自慢……他にも色々ある。俺たちゃうまいバランスで出来てたのさ」
「……俺を勧誘するのは、もうやめたんじゃなかったのか」
するとマッシバーは、口角を上げニヤリと笑う。まるで獲物を前に舌なめずりするドラゴンのようだ。
「なぁに……オメーを引っ張って適当なことを言わせりゃあ、あのナガレ・ウエストだって加入できる。石猿流棒術は、このラグナロクのモンだ!」
「……お前はどうして、ナガレに執着する。アイツのことを、クソ雑魚だかなんだか罵っていたのに。どう言う風の吹き回しだ」
ジョーの目がすっと細められる。
「おーおーどうどう、そんな怖い顔すんじゃねーよジャック。いや、今はジョーだったか」
「……因縁をつけに来ただけか」
「そんなくだらないことはしねえよ」
両手を広げて笑うのは……緑の龍の男、マッシバー・J・ドラグーン。いつもながら厳つい頭である。
ジャケットにシャツにベストにスラックス、ネクタイまでつけたフォーマルな服装だ。その上に黒いコートを着て、頭には若干オーバーサイズなハンチング棒を被っていた。
「……その格好はなんだ。ずいぶん懐かしいな」
「なんとでも言いやがれ。エンペリオン地方に行った帰りなんだよ。あのクソ貴族、俺が王への献上品にデカいエルクのモンスターをぶっ殺してやったのに、金を取りにいくのもスーツ着させて呼びつけやがって」
そう言ってマッシバーは、赤い唾を地面に吐き捨てた。
……いや、それは唾ではない。なんと小さな、熱い火の粉だ! それは地面に落ちて、ボシュ……とすぐに消えてしまう。
「チッ、デカい依頼が無くて最近ヒマなんだよ。金ならいくらでもあるってのに。冒険者の心ってのがたぎってくるのかねぇ」
飄々とした様子だが、それに隠れた威圧感も変わらない。強者のプレッシャーだ。
「それで、なら何しに来た」
「つれないねぇ……」
マッシバーはゆっくり近づいてきて、ジョーの肩を組もうとする。その手を払いのけられても、ニヤニヤした笑みを崩さない。
ようやく沈み始めた太陽。その光に照らされて、二人は対峙する。
「ジャ~ック……やっぱし、俺らのところに戻ってこねぇか~? シエラもモモもシルヴィアもペネロペも、みんなお前がいなくて寂しがってるぜぇ~?」
「……足が早くて便利な、使いっ走りがいなくなったからだろう」
「それでもお前は、他のメンバーにできねえことをやってのけた。そしてアイツらも、お前にできないことをやれた。魔法に力自慢……他にも色々ある。俺たちゃうまいバランスで出来てたのさ」
「……俺を勧誘するのは、もうやめたんじゃなかったのか」
するとマッシバーは、口角を上げニヤリと笑う。まるで獲物を前に舌なめずりするドラゴンのようだ。
「なぁに……オメーを引っ張って適当なことを言わせりゃあ、あのナガレ・ウエストだって加入できる。石猿流棒術は、このラグナロクのモンだ!」
「……お前はどうして、ナガレに執着する。アイツのことを、クソ雑魚だかなんだか罵っていたのに。どう言う風の吹き回しだ」
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