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第二十七話 粉骨砕身カルテット
怒涛の連携
しおりを挟む「さぁ来やがれ! スカルラプトル! このケンガ様が相手だ!」
「コココッ!」
ケンガと激突するスカルラプトル。氷の拳は空を斬り、しかし反撃のキックも当たらない。彼の才能である足腰の頑強さを生かして、勢いのついたスライディング! 長い回避距離は、遠距離魔術師において非常に有効なものだ。
「はぁぁぁっ! アイシングアッパー!」
バキィッ!
「ガグッ⁉︎」
ついに豪快なアッパーカットが、スカルラプトルの顎にクリーンヒット! 相手は豪快に打ち上げられ、そのまま頭から落っこちた。
他のメンバーもかなり善戦している。フローレンスは力押し、ジョーは超速スピードで翻弄し、ナガレはガードからの反撃を主体にして戦っている。
「けっ、あのデカブツがいなけりゃやりやすいな! ……さぁ、トドメだ!」
両腕に一際重い氷を纏わせ、ひっくり返って倒れるスカルラプトルに接近。ダメージが大きく動けないようだ。
「はぁぁーーっ!」
その拳を振り下ろそうとする、その瞬間!
「カココココッ!」
バキィッ!
「ぐはっ⁉︎」
突然背後から、別のスカルラプトルがタックルをかます! 完全予想外の攻撃にケンガは対応できず、前方へ吹っ飛ばされた。
「く……! 何をしやがるてめえ!」
「……ケンガ! 大丈夫か」
顔を顰めて立ち上がったケンガの耳に、ジョーの呼び声が響く。どうやらジョーと戦っていたスカルラプトルが、同族のピンチに参戦したようだ。
「カココッ!」「カコンカコッ!」
その隙にもう一体のスカルラプトルも立ち上がる。そして二人まとめてぴょんぴょんと後ろへ下がっていく……。
「クソが待ちやがれ!」
「……ッ! 待てケンガ! そっちは……」
怒りのケンガは馬鹿正直に一直線で追いかけた。ジョーの静止を聞こうともせず、スカルラプトルに殴りかかるが……!
「オラァっ……どわぁ⁉︎」
「うわっケンガ⁉︎」
次の瞬間、目の前にナガレの背中が! 咄嗟に脇に避けたケンガだが、ナガレは想定外の事態に一瞬止まる。
「コココッ!」
その隙を逃すようなスカルラプトルではない。ナガレの防御が解かれたその一瞬を突き、腹部へ頭突きを放った!
「ココココッ!」
ドカァッ!
「ぐぁっ!」
不意をついて見事にクリーンヒット! ナガレは勢いよく吹っ飛び、地面をゴロゴロ転がった。
「し、しまった! すまん……ぐわ!」
「カンカンッ!」「カウッ!」
次の瞬間、二体のスカルラプトルがまたも飛びかかる。同時に蹴飛ばされ、ケンガは必死で防御の姿勢を取る。
「どわーっ!」
しかしダメージを相殺しきれず、大きく後ろへ下がってしまった。
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