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第二十七話 粉骨砕身カルテット
修羅場
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「……んっ。ナガレ、甘い香りがする。女の子みたい」
「……離れろっ!」
バシッ!
「……!」
なんとナガレは、乱暴にチェリナを押し除けた。特訓で鍛えた力をフルに使われて、ヨロヨロと後退り尻餅をつくチェリナ。
「えっナガレさん⁉︎」
「おまっ、レディになんてことを!」
周囲がどよめく中、ジョーは眉を顰めてナガレの肩に手を置いた。
「……ナガレ、そろそろ話してくれ。大衆の前で言いにくければ、場所を移そう。なぜお前が、それほど嫌う? お前がそこまで感情を露わにするとは、よほどのことなんだろう」
「……そうだな」
ナガレはチラリとチェリナを見た。まさか自分がこんなことをされるとは思っておらず、目を見開いてこちらを見つめている。
「な、ナガレ? なんでそんなに怒ってるの」
「……場所を変えよう。特訓場所へ行けば、誰もついて来たりしないはずだ。ケンガとフローレンスも来てくれ」
「あ、あぁ」「分かりました」
「…………」
という訳で集団の場を離れ、一同は長い長い階段を登り始めた。
「え……えっ…………?」
「マスター! ちょいちょいっマスター!」
魂が抜かれたように、呆然としていたレン。アルクルが目の前でパタパタと手を振って、ようやく正気に戻った。
「はっ! あ、アルクル。アレは一体……ナガレ君には……な、ナガレ、くん、に、は……」
「……そのナガレ君がどっか行きますよ。ついてかなくていいんっすか」
「な、なんじゃと! すぐ行かねば!」
(……覗き見することはいいんですねぇ)
まるで尾行する名探偵の如く、凄まじいステルス性を発揮しながらナガレたちを追跡するレン。アルクルもちょっと引いてから、とりあえず後に続いた。
「…………」
黙々と階段を登っていくナガレ。その後ろにジョーが黙って付き従っている。
「ねぇ~、長いんだけどぉ~。もう足疲れた」
「……アンタ、呼ばれてなかったでしょうが」
「もうすぐ頂上だ。我慢しろ」
なぜか勝手について来たチェリナ。フローレンスが白い目を向けても、全く応えていない。
「ふうっ。よし、ここなら誰もいない」
「……そうだな」
そしてようやく高台広場まで辿り着いた一同。……その時突然、ジョーの頭で何者かの声がした。
『……大勢を呼んだ覚えは無い』
バンドの声だ。脳内に直接語りかけるとは、なんという能力だろう。……と一瞬思ったが、相手はあのバンドである。彼らの知らない未知数な力を持っていても不思議では無い。
『……今日は特訓しに来たんじゃ無い。トラブル発生だ』
「……離れろっ!」
バシッ!
「……!」
なんとナガレは、乱暴にチェリナを押し除けた。特訓で鍛えた力をフルに使われて、ヨロヨロと後退り尻餅をつくチェリナ。
「えっナガレさん⁉︎」
「おまっ、レディになんてことを!」
周囲がどよめく中、ジョーは眉を顰めてナガレの肩に手を置いた。
「……ナガレ、そろそろ話してくれ。大衆の前で言いにくければ、場所を移そう。なぜお前が、それほど嫌う? お前がそこまで感情を露わにするとは、よほどのことなんだろう」
「……そうだな」
ナガレはチラリとチェリナを見た。まさか自分がこんなことをされるとは思っておらず、目を見開いてこちらを見つめている。
「な、ナガレ? なんでそんなに怒ってるの」
「……場所を変えよう。特訓場所へ行けば、誰もついて来たりしないはずだ。ケンガとフローレンスも来てくれ」
「あ、あぁ」「分かりました」
「…………」
という訳で集団の場を離れ、一同は長い長い階段を登り始めた。
「え……えっ…………?」
「マスター! ちょいちょいっマスター!」
魂が抜かれたように、呆然としていたレン。アルクルが目の前でパタパタと手を振って、ようやく正気に戻った。
「はっ! あ、アルクル。アレは一体……ナガレ君には……な、ナガレ、くん、に、は……」
「……そのナガレ君がどっか行きますよ。ついてかなくていいんっすか」
「な、なんじゃと! すぐ行かねば!」
(……覗き見することはいいんですねぇ)
まるで尾行する名探偵の如く、凄まじいステルス性を発揮しながらナガレたちを追跡するレン。アルクルもちょっと引いてから、とりあえず後に続いた。
「…………」
黙々と階段を登っていくナガレ。その後ろにジョーが黙って付き従っている。
「ねぇ~、長いんだけどぉ~。もう足疲れた」
「……アンタ、呼ばれてなかったでしょうが」
「もうすぐ頂上だ。我慢しろ」
なぜか勝手について来たチェリナ。フローレンスが白い目を向けても、全く応えていない。
「ふうっ。よし、ここなら誰もいない」
「……そうだな」
そしてようやく高台広場まで辿り着いた一同。……その時突然、ジョーの頭で何者かの声がした。
『……大勢を呼んだ覚えは無い』
バンドの声だ。脳内に直接語りかけるとは、なんという能力だろう。……と一瞬思ったが、相手はあのバンドである。彼らの知らない未知数な力を持っていても不思議では無い。
『……今日は特訓しに来たんじゃ無い。トラブル発生だ』
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