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第二十八・五話 VSラグナロク・蒼雷
からの……?
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もう終わった気分のシエラ。メルトダウンは危険度A級モンスターですら一撃で倒すほどの火力。どんな人間だろうとくらって生きているはずがない。
「ザコ相手にこんなの使うなんて大人気なかったか。……まぁ、アンタが死んでもギルドは面倒みたげるから。心配しないでゆっくり休んでなさいな」
そう言って、雨の中動かなくなったナガレを満足げに見下した。
「……アンタらの弱っちい冒険者どもも、まとめてね。初めからあんな奴ら見限ってラグナロクに来てれば、こうはならなかったのに」
勝ち誇るシエラは、ほんの少し視線から外れて気づかなかった。
……倒れたナガレの手が、きゅっと硬く握り締められたことに。
「はぁー疲れた……」
そんなことを言いながら、ナガレを運ぼうと歩み寄るシエラ。
「自力で持ってくかぁ……」
そう呟いた瞬間、ナガレがいきなり泥まみれの顔を上げた。
「……えっ?」
急すぎて反応できない。その一瞬の間に、ナガレは素早く掴んだ泥を、シエラの顔面に投げつける!
ビュンッ……べちゃっ!
「うわっぷ⁉︎」
咄嗟に目を瞑ったが、泥の塊はシエラの顔にへばりつく。たたらを踏んでヨロヨロと後退り、袖で拭ってようやく視界を取り戻す。
「……な、なんで! なんで生きてるんだよッ!」
「ナガレ……! あ、あんな攻撃をくらったのに、まだ息があったのか⁉︎」
シエラと、そしてジョーも驚愕した。
大雨の中、彼女の目の前で、ナガレが再び立ち上がったからだ。幽霊でもお化けでもない、現実だ!
「……!」
シエラをキッと睨みつけ……泥の地面に刺さったマルチスタッフを拾い上げる。それを見たジョーはハッとした。
「……そうか、マルチスタッフを地面に刺して避雷針にしたのか! 爆発の余波はくらっても、直撃は避けられたんだ」
「はぁはぁ……勝負は……勝負はまだ終わってないぞ! シエラ・ファスタァッ!」
マルチスタッフをしっかり構える。帯電の余韻で体が燃えるように熱い。手足はまだ少し痺れている。体力もあとわずかだが……ナガレに力がみるみる湧いてくる!
「そ、そんなボロボロの体で何ができる! 死に損ないが生き返ろうが、わたしとの力の差は変わんないでしょ!」
「……あいにく。オレは……オレは、お前を倒さなきゃ気が済まないんだ」
ナガレは闘志に溢れた眼差しをシエラに向ける。その未知の威圧感に、シエラは少し後ずさった。
「……オレのことはなんとでも言えばいい。でも……仲間の努力をバカにされて黙ってられるか!」
「ザコ相手にこんなの使うなんて大人気なかったか。……まぁ、アンタが死んでもギルドは面倒みたげるから。心配しないでゆっくり休んでなさいな」
そう言って、雨の中動かなくなったナガレを満足げに見下した。
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勝ち誇るシエラは、ほんの少し視線から外れて気づかなかった。
……倒れたナガレの手が、きゅっと硬く握り締められたことに。
「はぁー疲れた……」
そんなことを言いながら、ナガレを運ぼうと歩み寄るシエラ。
「自力で持ってくかぁ……」
そう呟いた瞬間、ナガレがいきなり泥まみれの顔を上げた。
「……えっ?」
急すぎて反応できない。その一瞬の間に、ナガレは素早く掴んだ泥を、シエラの顔面に投げつける!
ビュンッ……べちゃっ!
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咄嗟に目を瞑ったが、泥の塊はシエラの顔にへばりつく。たたらを踏んでヨロヨロと後退り、袖で拭ってようやく視界を取り戻す。
「……な、なんで! なんで生きてるんだよッ!」
「ナガレ……! あ、あんな攻撃をくらったのに、まだ息があったのか⁉︎」
シエラと、そしてジョーも驚愕した。
大雨の中、彼女の目の前で、ナガレが再び立ち上がったからだ。幽霊でもお化けでもない、現実だ!
「……!」
シエラをキッと睨みつけ……泥の地面に刺さったマルチスタッフを拾い上げる。それを見たジョーはハッとした。
「……そうか、マルチスタッフを地面に刺して避雷針にしたのか! 爆発の余波はくらっても、直撃は避けられたんだ」
「はぁはぁ……勝負は……勝負はまだ終わってないぞ! シエラ・ファスタァッ!」
マルチスタッフをしっかり構える。帯電の余韻で体が燃えるように熱い。手足はまだ少し痺れている。体力もあとわずかだが……ナガレに力がみるみる湧いてくる!
「そ、そんなボロボロの体で何ができる! 死に損ないが生き返ろうが、わたしとの力の差は変わんないでしょ!」
「……あいにく。オレは……オレは、お前を倒さなきゃ気が済まないんだ」
ナガレは闘志に溢れた眼差しをシエラに向ける。その未知の威圧感に、シエラは少し後ずさった。
「……オレのことはなんとでも言えばいい。でも……仲間の努力をバカにされて黙ってられるか!」
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