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第二十九話 森林のハンター
一号と二号
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おそらく金髪のおねーちゃんとはアリッサのことで、親御さんというのはエディ店長か、ターショの父親タネツのことだろう。
「そーなんだよ。……おれたちブリーダマンはヒーローだ。町の人にゃ悪いが、こんな平和なところで油を売ってるわけにはいかないんだよ」
……まるで人助けが『義務』のような発言。ナガレたちの視線が集まる。
「よく分かんないけど……正義のヒーローも大変だなぁ」
「おいおい待てって。でもよおペー……いや、一号くん。あー、アンタが頑張ってるのはそうだが、二人だけで頑張ってもこの世の全ての悪を倒せる訳じゃない。バッファローにいてくれって意味じゃないが、身近な人を助けるのだって立派なヒーローだぜ?」
アルクルが口を挟むと、一号は「うーん……」と黙り込んだ。
確かにブリーダマンがどれだけ強くても、この世に正義がある限り、悪もまた芽生える。世界各地で今日もたくさんの人が困っているのを、ブリーダマン二人で全員助けるのは無理だ。身近な人を手伝い助け、負担を減らす。これも立派なヒーローである。
しかし一号は、また顔を上げた。
「……それでもおれは、困ってる人を助けたい。だってそれがブリーダマンなんだ。子供の頃に夢見てた、人助けをする正義のヒーロー象なんだ!」
それを聞いてみんな顔を見合わせる。……そしてフッと笑った。
「そんじゃ止めるのも野暮ってもんだなぁ。がんばれ負けるな! 正義のヒーロー!」
「ブリーダ、ブリーダ、ブリーダマーーン!」
「ハッハッハッハッハ~! ありがとう! これからもブリーダマンの活躍を楽しみにしてくれ。それと二号もよろしく……」
ギィィィィッ……。
「ペーちゃん、呼んだ?」
「あ、ジュンちゃん!」
噂をすればなんとやら、一号とは別の赤っぽいカラーリングのヒーローコスチュームを着た二号が、ドアを開けて入ってきた。……スカーフがドアに挟まって一瞬転びそうになり、慌てて引っ張って元に戻している。
(ジュンちゃん……)
(ジュンちゃんって言っちゃうのか……)
(私らに言っても分からないと思っとるんかのう。実際ペータとジュンちゃんって言われてもそんな人知り合いにいないし、探る気もないのじゃが)
「なによ~、私の話? 陰口なんかじゃないでしょうね!」
「違うって! そんなことするわけないだろ! 相棒のことに不満なんかないよ!」
「ふふ、それはお互い様ね。ちょっとからかっただけよ」
「もー! ジュンちゃん意地悪すんなよ~!」
「あはは!」「うふふ!」
「そーなんだよ。……おれたちブリーダマンはヒーローだ。町の人にゃ悪いが、こんな平和なところで油を売ってるわけにはいかないんだよ」
……まるで人助けが『義務』のような発言。ナガレたちの視線が集まる。
「よく分かんないけど……正義のヒーローも大変だなぁ」
「おいおい待てって。でもよおペー……いや、一号くん。あー、アンタが頑張ってるのはそうだが、二人だけで頑張ってもこの世の全ての悪を倒せる訳じゃない。バッファローにいてくれって意味じゃないが、身近な人を助けるのだって立派なヒーローだぜ?」
アルクルが口を挟むと、一号は「うーん……」と黙り込んだ。
確かにブリーダマンがどれだけ強くても、この世に正義がある限り、悪もまた芽生える。世界各地で今日もたくさんの人が困っているのを、ブリーダマン二人で全員助けるのは無理だ。身近な人を手伝い助け、負担を減らす。これも立派なヒーローである。
しかし一号は、また顔を上げた。
「……それでもおれは、困ってる人を助けたい。だってそれがブリーダマンなんだ。子供の頃に夢見てた、人助けをする正義のヒーロー象なんだ!」
それを聞いてみんな顔を見合わせる。……そしてフッと笑った。
「そんじゃ止めるのも野暮ってもんだなぁ。がんばれ負けるな! 正義のヒーロー!」
「ブリーダ、ブリーダ、ブリーダマーーン!」
「ハッハッハッハッハ~! ありがとう! これからもブリーダマンの活躍を楽しみにしてくれ。それと二号もよろしく……」
ギィィィィッ……。
「ペーちゃん、呼んだ?」
「あ、ジュンちゃん!」
噂をすればなんとやら、一号とは別の赤っぽいカラーリングのヒーローコスチュームを着た二号が、ドアを開けて入ってきた。……スカーフがドアに挟まって一瞬転びそうになり、慌てて引っ張って元に戻している。
(ジュンちゃん……)
(ジュンちゃんって言っちゃうのか……)
(私らに言っても分からないと思っとるんかのう。実際ペータとジュンちゃんって言われてもそんな人知り合いにいないし、探る気もないのじゃが)
「なによ~、私の話? 陰口なんかじゃないでしょうね!」
「違うって! そんなことするわけないだろ! 相棒のことに不満なんかないよ!」
「ふふ、それはお互い様ね。ちょっとからかっただけよ」
「もー! ジュンちゃん意地悪すんなよ~!」
「あはは!」「うふふ!」
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