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第三十一話 地獄への案内役
バンドの気配
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「え……?」
「この騎士団隊長クリストフに、あんな大層言語を使うとは。……アイツはきっと口だけじゃないと証明してくれる。だからきっと大丈夫だ」
クリストフは冒険者こそ嫌いだが、ナガレのことが嫌いなわけではない。クリストフにとって、あの乙女みたいな男も目つきの悪い黒マスクも、みんな大切な一般市民である。
「……信じよう。それに我々も備えなければならない。急ぎみなを武装させろ!」
「…………」
穏やかな太陽の光を浴びながら、高台広場の上から見ているものがいた。
「……遅い。何かあったに違いない」
大柄な黒い鎧……バンドだ。街を見下ろせる場所から、腕を組んで見つめている。
ナガレに何かあったということは、バンドもとっくに気づいていた。……そして、闇の気配も。
一瞬助けに行こうかと思ったが、バンドは思いとどまる。これはナガレが乗り越えるべき試練。……ここで死ぬようなら、それまでのこと。
「……ナガレ。思い出せ。俺が、この俺が教えたことを……日々の修行の賜物を……」
~☆~☆~☆~☆~☆~
一方その頃、ファイタ荒野……。ナガレ達はついに追い込まれていた!
「行くでぇ! これでしまいや!」
タッタッタッ……ビシュッ!
「くっ!」
ガキィン!
まるで舞踏のようにステップして、こちらへ突っ込んでくるジョロウ。ナガレはなんとかマルチスタッフでガードするも、槍のように鋭い脚が彼の頬をかすめる。
「いてっ……くぅっ!」
「どらぁ!」
ガキィン! キィン! キィーン!
ジョロウの怒涛の攻撃! しかしナガレは受け流しができないまま、ガードするしかない。連続ラッシュを防ぎきれず、みるみる生傷が増えていく……!
「いやあおもろいのう! 蜘蛛の巣で抵抗できん相手を痛ぶるのは、えげついやっちゃで!」
背中から出た四つ脚、そして人間の手足をフルに使った連撃! 前回のように短刀のドスを抜く気配すら見せない。
「くっ、遊びやがって……」
「拗ねることあらへんわい。……服ひん剥いて弄んだるから、大人しゅうせぇや!」
「……そこだっ!」
その時、ジョロウの背後からジョーが飛んでくる。空中ならば蜘蛛の糸はない!
「ネックスラッシュ……ッ⁉︎」
「甘いっちゅーねんだからのぅ~!」
バシュッッッ……ガキィン!
「クッ……!」
なんとジョロウはナガレから距離を取り、四本の脚を背中に回す。そしてジョーが放った必殺ネックスラッシュの飛ぶ斬撃を、か細い腕でガードした! モンスターの首を切断するような威力が直撃しても全く怯まない。
「この騎士団隊長クリストフに、あんな大層言語を使うとは。……アイツはきっと口だけじゃないと証明してくれる。だからきっと大丈夫だ」
クリストフは冒険者こそ嫌いだが、ナガレのことが嫌いなわけではない。クリストフにとって、あの乙女みたいな男も目つきの悪い黒マスクも、みんな大切な一般市民である。
「……信じよう。それに我々も備えなければならない。急ぎみなを武装させろ!」
「…………」
穏やかな太陽の光を浴びながら、高台広場の上から見ているものがいた。
「……遅い。何かあったに違いない」
大柄な黒い鎧……バンドだ。街を見下ろせる場所から、腕を組んで見つめている。
ナガレに何かあったということは、バンドもとっくに気づいていた。……そして、闇の気配も。
一瞬助けに行こうかと思ったが、バンドは思いとどまる。これはナガレが乗り越えるべき試練。……ここで死ぬようなら、それまでのこと。
「……ナガレ。思い出せ。俺が、この俺が教えたことを……日々の修行の賜物を……」
~☆~☆~☆~☆~☆~
一方その頃、ファイタ荒野……。ナガレ達はついに追い込まれていた!
「行くでぇ! これでしまいや!」
タッタッタッ……ビシュッ!
「くっ!」
ガキィン!
まるで舞踏のようにステップして、こちらへ突っ込んでくるジョロウ。ナガレはなんとかマルチスタッフでガードするも、槍のように鋭い脚が彼の頬をかすめる。
「いてっ……くぅっ!」
「どらぁ!」
ガキィン! キィン! キィーン!
ジョロウの怒涛の攻撃! しかしナガレは受け流しができないまま、ガードするしかない。連続ラッシュを防ぎきれず、みるみる生傷が増えていく……!
「いやあおもろいのう! 蜘蛛の巣で抵抗できん相手を痛ぶるのは、えげついやっちゃで!」
背中から出た四つ脚、そして人間の手足をフルに使った連撃! 前回のように短刀のドスを抜く気配すら見せない。
「くっ、遊びやがって……」
「拗ねることあらへんわい。……服ひん剥いて弄んだるから、大人しゅうせぇや!」
「……そこだっ!」
その時、ジョロウの背後からジョーが飛んでくる。空中ならば蜘蛛の糸はない!
「ネックスラッシュ……ッ⁉︎」
「甘いっちゅーねんだからのぅ~!」
バシュッッッ……ガキィン!
「クッ……!」
なんとジョロウはナガレから距離を取り、四本の脚を背中に回す。そしてジョーが放った必殺ネックスラッシュの飛ぶ斬撃を、か細い腕でガードした! モンスターの首を切断するような威力が直撃しても全く怯まない。
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