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第三十一話 地獄への案内役
虫相撲
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「目を覚ませっ、オーラルクワガターーンッ!」
「ビビーッ!」「ビガーッ!」
至近距離のこちらを、オーラルクワガタンはツノで挟もうとした。
パキパキッ……ガキンッ!
槍のように鋭いツノの先端で、頭の両サイドを挟み込まれる。……だがメタルカブトンは全く怯まず、こちらもツノを強引に、頭の下へねじ込んだ。
昆虫名物、虫相撲だ!
「ビンビビビーー……!」
「ビガガガーーーー……!」
お互いひっくり返されないよう、必死で踏ん張る。昆虫の意地と意地がぶつかり合う! 渾身の力で踏ん張り、岩の大地がパキパキとひび割れる。凄まじいオーラと重量に、ナガレたちも反応を忘れてじっと見てしまった。
「ビガガガーーーーッ!」
ゴゴゴ……と重音を響かせ、メタルカブトンの体が少し持ち上がる。このままでは投げ飛ばされてしまう!
「がんばれ、メタルカブトン!」
「ビビビーッ……!」
相棒であるブリーダマン一号の声援を受け、全力でしがみつくメタルカブトン。……そして脚の力を使い、強引に浮いた体を戻す!
グィッ!
「ビガッ⁉︎」
ツノを使い挟み込んでいたオーラルクワガタンも、反動で体が少し浮く。そのタイミングを、メタルカブトンは見逃さなかった。
「ビビビーッ!」
ズザザザ……! と一本ツノを素早く敵の体の下に差し込む。そして強靭な力で、思いっきり持ち上げる!
「ビ……ビガーーッ⁉︎」
ゴォォォォッ……ブゥンッ!
なんと豪快にツノで持ち上げ、空中へ放り投げた! オーラルクワガタンはジタバタしながら、風にさらわれる枯葉のように背を下にして宙を舞う……。
「よしっ、でかしたっ……!」
そこへジョーが落下してくる。またまたダガーに赤黒いオーラを纏わせ、一気に振り下ろした。狙いはセンチアがこじ開けた、抉れた腹部……!
「ネックスラッシュ!」
バシュッッッ! ……ズバァン!
「ビガ……!」
超至近距離で放つ、射程を犠牲に極限までパワーを上げた飛ぶ斬撃。オーラルクワガタンの傷口へめり込み、内側から体を切り裂いた。もとより薄い腹部の装甲を突き破り、昆虫特有の半透明な血が飛び散る。
ほどなくして力なく落下、仰向けにひっくり返ったままドサリと着地した。
「……終わったか」
ジョーもその近くでシュタッと着地。「ジョー! 大丈夫かっ!」とナガレたちも駆け寄ってくる。だが彼は仲間にかまうことはなく、一号の方へ向き直った。
……一号とメタルカブトンは、死を前に痙攣するばかりのオーラルクワガタンを見守っていた。
「ビビーッ!」「ビガーッ!」
至近距離のこちらを、オーラルクワガタンはツノで挟もうとした。
パキパキッ……ガキンッ!
槍のように鋭いツノの先端で、頭の両サイドを挟み込まれる。……だがメタルカブトンは全く怯まず、こちらもツノを強引に、頭の下へねじ込んだ。
昆虫名物、虫相撲だ!
「ビンビビビーー……!」
「ビガガガーーーー……!」
お互いひっくり返されないよう、必死で踏ん張る。昆虫の意地と意地がぶつかり合う! 渾身の力で踏ん張り、岩の大地がパキパキとひび割れる。凄まじいオーラと重量に、ナガレたちも反応を忘れてじっと見てしまった。
「ビガガガーーーーッ!」
ゴゴゴ……と重音を響かせ、メタルカブトンの体が少し持ち上がる。このままでは投げ飛ばされてしまう!
「がんばれ、メタルカブトン!」
「ビビビーッ……!」
相棒であるブリーダマン一号の声援を受け、全力でしがみつくメタルカブトン。……そして脚の力を使い、強引に浮いた体を戻す!
グィッ!
「ビガッ⁉︎」
ツノを使い挟み込んでいたオーラルクワガタンも、反動で体が少し浮く。そのタイミングを、メタルカブトンは見逃さなかった。
「ビビビーッ!」
ズザザザ……! と一本ツノを素早く敵の体の下に差し込む。そして強靭な力で、思いっきり持ち上げる!
「ビ……ビガーーッ⁉︎」
ゴォォォォッ……ブゥンッ!
なんと豪快にツノで持ち上げ、空中へ放り投げた! オーラルクワガタンはジタバタしながら、風にさらわれる枯葉のように背を下にして宙を舞う……。
「よしっ、でかしたっ……!」
そこへジョーが落下してくる。またまたダガーに赤黒いオーラを纏わせ、一気に振り下ろした。狙いはセンチアがこじ開けた、抉れた腹部……!
「ネックスラッシュ!」
バシュッッッ! ……ズバァン!
「ビガ……!」
超至近距離で放つ、射程を犠牲に極限までパワーを上げた飛ぶ斬撃。オーラルクワガタンの傷口へめり込み、内側から体を切り裂いた。もとより薄い腹部の装甲を突き破り、昆虫特有の半透明な血が飛び散る。
ほどなくして力なく落下、仰向けにひっくり返ったままドサリと着地した。
「……終わったか」
ジョーもその近くでシュタッと着地。「ジョー! 大丈夫かっ!」とナガレたちも駆け寄ってくる。だが彼は仲間にかまうことはなく、一号の方へ向き直った。
……一号とメタルカブトンは、死を前に痙攣するばかりのオーラルクワガタンを見守っていた。
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