崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十一話 地獄への案内役

変異

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「………………」
「じ……ジュン、ちゃん…………⁉︎」

 二号の様子がどこか……なんてレベルではなく、本当におかしくなっていた。体のあちこちから紫の炎が噴出している!
「た、大変だ! 今すぐ火を消さねえと……!」
「ニンフォなんとかしてほしいッス! 水の関連だったらアンタが一番得意ッスよね淫魔なんだから!」
「こんな時だけ頼りにしないで! 私、水属性の魔法なんて知らないもん……」
 慌てるバッファローの一面の横で、ジョーは「くっ!」と駆け出そうとする。しかしその瞬間!

「ビガーーッ! ビ……ビガァァーーーーッ!」
 ボォォォォーーッ!
「どわぁ⁉︎」
 なんと腹部を抉ってもなお、オーラルクワガタンが体勢を起こした! 天を仰いで鳴き喚き、まるで噴火の如く紫炎を燃え上がらせる。まるで炎の柱だ!
「ジュンちゃん! 今行くぞっ!」
 嫌な予感に突き動かされ、一号はメタルカブトンの上で踏ん張ってジャンプ。相棒もソレに気づいたのか、タイミングよくツノを振ってアシストし大ジャンプとなった。
「はぁぁぁーーっ!」
 蜘蛛の巣に拘束される二号目掛けて突き進む。ジョロウはそれを止めようともしなかった。
「ジュンちゃーーんッ!」
 紫炎の火だるまになる二号に手を伸ばした、その直後!

 ゴォォーーッ!
「……! あ、危ないーーッ!」
「ビビビーーッ!」
 ナガレが叫び、同時にメタルカブトンが動く。巨大な体に似合わぬ高速移動で、なんとか一号を引き戻した。
「ぐわー! な、なにする、ん、だ…………⁉︎」
 相棒の背中に尻餅をついた一号。だが文句を言おうとした口を、そのままあんぐりと開けていた。

「ビガァーーーーッ!」
 ゴォォォォーーッ!
 なんとオーラルクワガタンから噴射された紫炎が、獲物に食らいつくヘビの如く二号を飲み込んでしまった! まるで触手のように二号を取り込み、そのまま自身を包む炎へ吸収。
 カランカラーン……と金属音を立てて、二号の武器であるムチが地面に落ちた。その一方、飲み込んだオーラルクワガタンは……。

「ビガァァァァァーーーーッッッ!」
 ドッカァーーーーン! と、一気に大爆発! 紫炎が花火のように弾けた!
「うおっ!」とジョロウも怯むほどの爆風。ナガレたちはたまらず、ビリヤードの球のように軽々と転がっていった。
 ゴロゴロ……ズシャーッ!
「あっぶね、なんなんだ一体⁉︎」
「待てナガレ、あれを見ろ……!」
 緊張した眼差しのジョー。視線の先には……オーラルクワガタンが、滑らかに見える紫炎に包まれていた。
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