崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十一話 地獄への案内役

沈む地雷

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「ちょっセンチアどこ行くんだよ!」
 ナガレが声をかけるが、センチアは全力疾走! まるで一刻を争う事態のように走り……すぐにそばへ滑り込んだ。
「ナガレっち! 手を貸してっ!」
「えっ?」
「……!」
 突然ストップしたセンチアに呼ばれて、キョトンとするナガレ。だがジョーはハッとした表情になり、急いで走り出す。
 その時、一号が叫んだ。
「早く救い上げるんだ! 『スリバチ』に捕まってるぞっ!」
「な、なんだって? スリバチ……?」
「頼むっ、メタルカブトン!」
 どんな蜂なんだろうと考えるナガレ。だが一号もすぐさまメタルカブトンを飛ばした。
 そしてセンチアのそばまで来ると……。

 ズザザザザーーーーッ!
「た、助けて~~!」
「なにっ! こ、これは……!」
 なんと、そこにあったのは落とし穴だ! 深さは二メートルちょっとくらいでそこまで大きくない。……だが穴の壁は、まるで槍先の如く急斜面だった。しかもなぜか、その地点だけが岩場が砂地へと変化している。
「……ニンフォ! 出られないのか⁉︎」
「砂が崩れて全然起き上がれないよぅ~~!」
 手足を使って上がろうとしても、砂に滑ってまた穴へ落ちてしまう。こんな穴ニンフォなら簡単に上がれるはずなのに、どれだけ足掻いても上がれない……!
「ニンフォっち!」
 センチアが身を乗り出して手を伸ばす。ニンフォもまた手を取り、ようやく穴から脱出できた。
「ほうらしっかり……してってば!」
 素早くセンチアが引き上げる。だが……その間にバリジゴクが黙って見ているはずもない。
「ガビビーッ! ガビガビガッ……!」
 顔にある口で、何かをクチャクチャと捏ねている。そしてちょうどニンフォが出てきた瞬間、大顎をパッカリ開いた!
「ガビガビィッ!」
 シュバァンッ! と凄まじい音を立てて、まるで砲弾のようなものを口から発車した。地中潜航中に砕いた岩を口内へ取り込み、それを唾液で固めたもの。何より目を引くのはそのスピード!
「しまった! 危ないっセンチア!」
 庇えそうなナガレ、タネツ、ベネットは離れた位置にいる。反応する間もなく、岩の砲弾がセンチアに直撃……。
「いっけぇーっ!」
「ビビビビーーーーッ!」
 彼女を守るように、メタルカブトンが立ち塞がった。自慢のツノを刀のように振り翳し、岩の砲弾を弾き飛ばす。
 ブンッ! ……ガキィーンッ!
 岩は明後日の方向へ飛んだ後、地面にドガァン! と落っこちた。
「ビビビッ! ビビビー!」
「た、助かった……一号さんもありがとうっ♡」
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