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第三十三話 ジョーの傷跡
アズラの力
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「よしっ、集中だっ……!」
「……すまないが、相手の攻撃が強すぎる。肉壁になることも攻撃で時間を稼ぐことも出来なさそうだ」
ジョー単体で戦っても、手を抜けるような相手ではない。冗談でもギャグでもなく、うっかり討伐しかねない。
かと言ってナガレを庇うスタイルに回っても、あんな砲撃を防御ステータスが比較的低いジョーが防げるとも思えない。
(……ナガレ、お前が頼みだ。託したぞ!)
一応ナガレを庇って飛び退けるようスタンバイ。しかしそれも気休めだろう。
……ナガレは敵を目の前にして、すっと目を閉じる。そうでもしないと、戦いで荒ぶる感情を鎮めることはできない。落ち着いて、己の目標を感じ取る。……それこそ一心になるということだ。
(オレは……そうだ。オレが、イビル教団を倒すんだ。……奴らを絶対に許さない。許しちゃいけないッ……!)
心の中で……イビル教団の憎悪が溢れ出す。
バリジゴクの時から感じていた、悪魔の所業に対する怒り。
人々を誘拐し人ならざるものとする悪行への怒り。
そしてその悪事をまだなお続けようとすることへの怒り。
「…………!」
ナガレの全身に、ゾワゾワとした感覚が出てくる。それと同時に、どこからともなく青い……ではない。赤い光の粒子が出現! しかもバリジゴクの時よりさらに赤く光っていた。
「ヂュウヂュウヂュウッ!」
だがオオソの方の導火線も、みるみる短くなっていく。そして、ジュボッ! と火が体へ到達。同時にガバッと口を開いた!
「……そこだっ!」
しかしナガレの方が早い。キッと目を開き、マルチスタッフを振り下ろす。すると赤い無数の光が、オオソへ襲いかかった!
「ンヂュ……ヂューッ⁉︎」
赤い光の粒子に覆われて、悲鳴を上げるオオソ。体に纏う紫の炎が、少しずつ小さくなっていく!
「やったぁ! 上手くいったぜ!」
ナガレは一気に飛び跳ねて喜んだ。その直後「はへぇ……」と脱力してしまったが。かれこれ勝負あり……と、ジョーもようやくホッと息を吐く。
「ヂュヂュヂューー⁉︎」
光の粒子を振り払おうとするオオソ。しかし、まるで接着剤に砂を振りかけたように、その体からへばりついて離れない。すぐに赤い光に覆われて、姿が見えなくなった。
「……ふうっ。良くやった、ナガ……レ…………」
その瞬間、ジョーの全身の毛が再び逆立った。
「ナガレっ!」
「えっ? ど、どわぁーーっ⁉︎」
迷う暇はない。ナガレの腰にタックルして、そのまま二人一緒に横方へ突っ込んだ!
「……すまないが、相手の攻撃が強すぎる。肉壁になることも攻撃で時間を稼ぐことも出来なさそうだ」
ジョー単体で戦っても、手を抜けるような相手ではない。冗談でもギャグでもなく、うっかり討伐しかねない。
かと言ってナガレを庇うスタイルに回っても、あんな砲撃を防御ステータスが比較的低いジョーが防げるとも思えない。
(……ナガレ、お前が頼みだ。託したぞ!)
一応ナガレを庇って飛び退けるようスタンバイ。しかしそれも気休めだろう。
……ナガレは敵を目の前にして、すっと目を閉じる。そうでもしないと、戦いで荒ぶる感情を鎮めることはできない。落ち着いて、己の目標を感じ取る。……それこそ一心になるということだ。
(オレは……そうだ。オレが、イビル教団を倒すんだ。……奴らを絶対に許さない。許しちゃいけないッ……!)
心の中で……イビル教団の憎悪が溢れ出す。
バリジゴクの時から感じていた、悪魔の所業に対する怒り。
人々を誘拐し人ならざるものとする悪行への怒り。
そしてその悪事をまだなお続けようとすることへの怒り。
「…………!」
ナガレの全身に、ゾワゾワとした感覚が出てくる。それと同時に、どこからともなく青い……ではない。赤い光の粒子が出現! しかもバリジゴクの時よりさらに赤く光っていた。
「ヂュウヂュウヂュウッ!」
だがオオソの方の導火線も、みるみる短くなっていく。そして、ジュボッ! と火が体へ到達。同時にガバッと口を開いた!
「……そこだっ!」
しかしナガレの方が早い。キッと目を開き、マルチスタッフを振り下ろす。すると赤い無数の光が、オオソへ襲いかかった!
「ンヂュ……ヂューッ⁉︎」
赤い光の粒子に覆われて、悲鳴を上げるオオソ。体に纏う紫の炎が、少しずつ小さくなっていく!
「やったぁ! 上手くいったぜ!」
ナガレは一気に飛び跳ねて喜んだ。その直後「はへぇ……」と脱力してしまったが。かれこれ勝負あり……と、ジョーもようやくホッと息を吐く。
「ヂュヂュヂューー⁉︎」
光の粒子を振り払おうとするオオソ。しかし、まるで接着剤に砂を振りかけたように、その体からへばりついて離れない。すぐに赤い光に覆われて、姿が見えなくなった。
「……ふうっ。良くやった、ナガ……レ…………」
その瞬間、ジョーの全身の毛が再び逆立った。
「ナガレっ!」
「えっ? ど、どわぁーーっ⁉︎」
迷う暇はない。ナガレの腰にタックルして、そのまま二人一緒に横方へ突っ込んだ!
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